古賀コン4濫読爆裂雑評 その2

 古賀コン4の応募作品のうち、個人的な興味によって読んだ作品に対する評を述べます。
 一時間で書いたということも加味したうえで感じたことを述べるつもりですが、批判的な趣が強くなりがちであることを承知のうえで読んでいただければ幸いです。
 評などと申しておりますが、内容としては感想と大差ありません。ただ、純粋な感想とやらにはなりそうにないため、評と名乗るべきだろうなということで、合体した結果、雑評となりました。
 覚悟して読んでください。雑なので。


38. ユニイコール七里「キヨスク」

 いつものユイニコール。やっぱり人間が死なないとおもしろくありません。そうですね、文芸アンダーテイカー。
 やたら文字数多いと思ったら、この作品4000文字超えてます。正気なんでしょうか。いつもの文体だったので、正気でしょう。これが正常運転。
 ひとによっては怖い。ひとによっては、やっときましたかって感じです。
 ひとを殺さないといけない呪いが解ける日はいつか。

40. 津早原晶子「花の子ども」

 ドーピングというとんでもない方法を使って書かれている。かなり幻想的で好きな味のする小説。アネモネを喰うな。当然、毒がある。それと睡眠薬と酒を混ぜるな。当然、悪い作用が増強される。悪いことをしまくって書かれている予感がする。
 それがいい。
 わたしもドーピングして書こうかと思ったけど、そこまでの気概はないので、気合で負けているのだなと思った。
 欠点は再現性。
 1960年代、ハイミナールでラリパッパ。
 現代でも同じことができなくもない。
 それはどうなんだろうとわたしは思った。
 みなさんは真似しないでください。

53. サクラクロニクル「寂しさの理由、海の底」

 読んでいるとおかしなところがいくつもある。オチまで読んでも、そのおかしさの理由をなにひとつとして説明していない。それと文章がところどころおかしい。作品としてそのおかしさを利用しているとかそういうのではなくて、単純に変なだけっていう。そういう作品はよくないと思う。
 そんな作品を5100文字弱も読まされたら、読まされた方はどう感じると思う? 言ってみろ。一時間だからで許されると思うなよ。
 なおこの作品の執筆用BGMはジェノサイドマシーン。なにがどう作用してこうなったのかまったくわからない。

55. はんぺんた「チョコレートケーキの思い出」

 甘い物が好きな人間の記憶にダイレクトアタック系の話。単純に昔の話をおいかけつづけるのではなく、いまあるものに心が向いていくという話の流れはよい気がした。一方、昔の話が弱くなった結果、いまに惹かれるようになったとも見えるので、転身の早い奴だなというひどい感想も同時に抱いた。問題は読者がひねくれているところにあるので、別に作品がどうのこうのという話ではありません。
 背景の色が色なので、単にチョコレートなだけじゃなくて、ちょっとお酒の香りがしたりした。お酒禁止になってから二年以上が経ちまして、そろそろお酒のことを忘れつつあります。
 それでいいんじゃよ。

59. 萬朶維基「アイスクリーム帝国の大予言」

 知識と理屈でぶん殴ってくるタイプの正統派ショートショート。
 1999年は巨大隕石が落ちてくると頑なに信じていたのですごく怖かったが、結局巨大隕石は落ちてこなかった。この話を読むと、なんでそんなことで悩んでいたのかばからしくなった。それはわたしがゲームキッズだったからなのだと思う。1999年の。
 現在においてわたしは2024年のゲームキッズなので、相変わらず宇宙の滅亡に恐怖している。

65. 継橋「正しく」

 重苦しい理屈をぐだぐだぶつけられて嫌になりそうになったところに、それが実は……というイナズマ反転キックをぶちかましてくる作品。これが地味に3000文字オーバーで襲い掛かって来るっていうんだからたまったものではない。なんだこりゃと思っていると普通に騙される。
 長くてきついのが欠点。

67. 蒼桐大紀「ラブレターの裏側に」

 読んでいると「なにかが欠けていて頭の中で噛み合わない違和感」が生まれてくる。読んでいると自然に欲しくなる情報が見当たらない、というような感じになる。綺麗な話であるはずなのに、その欠けた部分が気になってどうしようもなくなるという。
 おそらく正統派百合小説。フムン。この三文字のカタカナがあるだけでなんとなく日常系ではないのではないかと思ってしまうんだから困ったもんだな。ふうん、だったらどうかというと、それはまた別の話になる。
 このもったいない感じの真相は後程作者本人から確かめることとする。


 ざーっと流した感じで非常に短いですが、今回は以上です。
 他にも読んだ作品があるのですが、身体があまり動きませんので続きがあるかは不明です。
 ここまでお付き合いいただきまして誠にありがとうございました。

 またいずれ。

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