イグBFC3感想&評価 グループC/D/E（イグナイトファング版）

サクラクロニクル

追記

　冬憑さんの「ソーセージの受難」という作品について、私の誤解による誤りが記載されてしまっておりました。本文に打ち消し線を引いたうえで、誤りであった旨を追記させていただきました。ここにお詫び申し上げます。

はじめに

　イグナイトファングマンは露骨な人気取りをしない。
　そこにイグの炎を感じないからだ。
　だがときに人はそんなイグナイトファングマンを求めてしまう。

　おまえの心にイグナイトファングは生えていないのか。おまえの信じるイグこそがイグであり、それ以外のイグなどこの世にはない。だというのに、どうして他人の承認するイグを求めてしまうのか。そんな卑小さにイグナイトファングマンは怒りの炎を燃やした。
　イグナイトファングマンは同じことの繰り返しを許さない。イグBFCが開催回数と同じ分だけカウントを進めることに違和感を覚える。なぜ３回目だから３とつけてしまうのか。お前の心のイグはそんなものだったのか。イグナイトファングマンは世界の敵となることをいとわない。むしろ勇なくただ黙って造られたイグを摂取する民衆にさえイグナイトファングを放つ。
　チッ、しょうがねえな！
　帰ってきたイグナイトファングマン。セブンを飛ばしてお前の心にサービスイグナイトファング！　サービスエース。フィフティーン・ラヴ。

グループ・C

夜世キリヲ「アイ・アム・ア・ペン」

　淡々と進められていく世界のなかにただひとつの嘘が放り込まれた。などといえば実に正統的なブンゲイの世界だ。その中には悪ふざけによって造られたイグの火種は感じられない。こうしてイグナイトファングゲージは溜まらないまま世界は進んでいった。
　だがイグナイトファングマンは三色ボールペンの赤を迂闊に触るような男を許さない。ガガガウ！　イグナイトカウント・ワンスロー！

麦畑「名無しの子」

　イグナイトファングマン完全に沈黙。この作品にはイグ的アプローチをしようという人間の勇気が見当たらない。ただブンゲイ的な飛翔があるのみだ。こういう作品にイグナイトファングマンは手を出さない。吠えることもない。心に火をつけてくれる次回作に期待する。やりかたはお前の心のイグに聞け。

佐川恭一「【ほぼ二百字小説】（1）」

　イグナイトファングマンは身内受けを狙った露骨なパロディックイグノベルを許さない。その内向きで守りの姿勢にイグナイトファング！　リプライで鶏油を浮かべているのでさらにイグナイトファング！　それは作品外の文脈を軽んじる行為にあらず。門を閉じる行為にイグナイトファングを放つのだ。

目黒乱「めざまし音」

　なんたるあばずれ仕草か。エロスを中枢におけばイグれるというその性根にイグナイトファング！　ブンゲイ的アプローチでさらにそのエロースを隠匿しようとして華麗に失敗するというわざとらしいイグ風味にイグナイトファング！　なおイグナイトファングの正式名称はイグナイト・ファングだ。ごま塩程度に覚えておいてくれ。

グループ・C判定

　イグナイトカウント・ワンスローを得た夜世キリヲ「アイ・アム・ア・ペン」にイグの種火を与えた。イグナイトファングマンはわざとらしいイグを嫌う。だが自然発生を偽装すればいいというものでもない。イグの気配を感知したとき、イグナイトファングマンはおまえの背後に立っている。月夜の晩ばかりだと思うなよ。

グループ・D

吉田棒一「社長室」

　はい見てからイグナイトファング！　余裕でした。どうしてこの作品が見てからイグナイトファング！　余裕だったのか明日までじっくり考えてきてください。もちろん考えなくてもわかるでしょう。歴戦のイグブンゲイファイターであれば、この露骨さを見て己の心のイグが燃えるはずだ。さあ叫べ、イグナイトファング！
　イグナイトファングマンはいかにもそれらしいイグを見逃さない。読者がいかにもイグだと納得するとき、そのイグはすでに過去のものとなっているからだ。
　イグナイトファングマンはイグの明日を守るために地球へとやってきた。イグナイトファングマンの守る未来は直近２４時間までに留まる。ここはテストに出るから覚えておいてくれ。

冬憑「ソーセージの受難」

　認識に誤りがあったようで、内輪ネタというわけではなくまったくの偶然でそうなってしまったとのことでした。背後関係をしっかりと洗っていないために誤った内容を記載してしまい、申し訳ございませんでした。

　どうも、実況のイグ・カビラです。ああっと開始八十分でついにイグナイトファング！　が決まってしまいました。このまま決勝点になってしまうのか。どうでしょう、解説のイグ沢さん。　
　はい、この作品は実は界隈ネタらしいんですよね。知っているものだけわかればいいみたいな態度にイグナイトファング！　がつい出てしまったんでしょうね。
　うーん、なるほど。それにこのわざとらしい文体ですか。
　そうですね。イグしようとしちゃってますからね。こういうものをイグナイトファングマンは許しません。イグナイトファング！　ですね。
　はい。そのまま試合終了。終わってみれば３ー０と力の差を感じる試合でした。実況はイグ・カビラ、解説はイグ沢さんでした。また次の試合でお会いしましょう。それでは！

ひらかたてん「友愛が渋滞する十代」

　エロス・暴力・直線的な罵声。こうしたイグを象徴する記号をそのままお出しされることをイグナイトファングマンは好まない。己の好き嫌いに忠実にイグナイトファング！　イグはいま泣いているんだぞ！

田中目八「へんじがないただのバナナのやうだ」

　どこかで見たことのある成分を散りばめていくそのスタイルに警告、イグブンゲイカウント、シルバー。金なら一枚、銀なら五枚でイグナイトファングの缶詰をプレゼント。イグナイトファングマンは自分自身がイグってしまうことを恐れない。愛と勇気だけが友達だから。

グループ・D判定

　イグブンゲイカウント・シルバーを一枚獲得した田中目八「へんじがないただのバナナのやうだ」にイグの栄光を託した。この作品はいかにもなわざとらしさを持ちながらもギリギリのところでブンゲイ側に引き戻そうとするあがきが感じられる。イグナイトファングマンはこうしたギリギリを攻める心を尊重するのだ。

グループ・E

　イグナイトファングって単語だけでも９文字あるんだぞ。

川嵜雄司「彼が言うことには」

　イグブンゲイカウント・ワンスロー。

　ハァイ。ドクター・イグ内藤です。
　イグブンゲイカウント・ワンスローってそもそもなんでしょう？　イグブンゲイカウントとはイグ的アプローチでブンゲイをするのではなくブンゲイ的アプローチでイグしようとする作品に与えられるカウントです。イグＢＦＣというものがそもそもイグ・ブンゲイ・ファイトクラブであるという点に留意してください。それがわかればイグしようとしてイグするのではなく、ブンゲイしようとしてイグになることの方が重要だということがわかるでしょう。
　以上、ドクター・イグ内藤による解説でした。ドクター・イグ内藤は他にも様々なイグについて解説しています。個人チャンネルへの登録はこちらから。チャンネルで得た収益は国境なきイグ団に全額寄付される予定です。
 2019 - 2022 Mochiron Uso Death All right released.

牧野楠葉「佐藤健さまへ」

　ガガガウ！　イィィグナイィィトゥッ、ファァァンングッ！
　イグナイトファングマンは自らをイグとみなしてイグノベルにアプローチする仕草を許さない。作家がおのずからをイグと定義したとき、ブンゲイの光はブンゲイファイトクラブブラックホールキャノンの標的となる。そうした行為に対して、イグナイトファングマンは無意識にイグナイトファング！　しているのだ。
　ブンゲイファイトクラブブラックホールキャノンについてはブンゲイファイトクラブマン必殺技全集を参照してください。

鍵まかり「国際交流センター」

　時に人は文体のなかにイグを求める。そのわざとらしいイグの味をイグナイトファングマンは理解した気になっている。よってイグナイトファング！　するのだ。
　文体によって簡単にイグを達成するような行為は許されない。イグブンゲイ警察だ。署までご同行願う。既に逮捕状も出ているんですよ。

エンプティー・オーブン「しろくまです。」

　無風。イグナイトファングマンは計算されたブンゲイを許容しない。しかしイグナイトファングするということもない。こうした領域について、彼はブンゲイファイトクラブマンに託す。
　環境に配慮された計算的ブンゲイをブンゲイファイトクラブマンはわかったふりをする。
　ブンゲイリボルケイン！






ピカッ。






　つめつめのテキストで疲れた目に余白という名の追い打ちをプレゼントです。ブンゲイファイトクラブマンの恐ろしさを存分に味わってください。

グループ・E判定

　イグブンゲイカウント・ワンスロー。川嵜雄司「彼が言うことには」！　
　ワワーッ！

　はい、イグの光を知る者、真のイグナティウス・ロヨラMkⅨⅨです。
　今回の判定について皆さんに真実をお伝えします。

　次回、イグBFC3感想&評価 グループ・F以降にイグナイトファング！

総評

　イグナイトファングマンは呼ばれたらくるチョロさを併せ持つ。
　存外、甘い男なのだな。
　まあ、そんな傭兵も悪くないさ。

　この番組は、
　イグの未来に火炎放射器、イグナイトファング財団と
　ごらんのスポンサーの提供でお送りいたしました。

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