【スタートアップ!占い師】#25 占い師の帳簿ってどうなってるの?⑧ 確定申告の基本的なこと
占い師として活動をはじめて45日目。
帳簿の基本から、電子帳簿保存法やインボイス制度まで学んださくらさん。次は確定申告のことも覚えようとしています。
さくらさんが今まで稼いだ金額は7万円です。
所得税等の確定申告をしなければいけないのは、
・単独の個人自称主やフリーランス……年間で48万円以上
・副業の個人自称主やフリーランス……年間で20万円以上
となっていますので、どちらにしても、今のさくらさんは所得税等の確定申告は必要ありません。
ですが、なにかの控除を受けたい場合は別です。控除の話はあとで説明しますが、なにかの控除を受ける場合は確定申告が必要になります。
今後占い師として活動を続けていたら、確定申告をしなければいけない金額まで収入が増えるかもしれません。受けたい控除が出てくるかもしれません。
将来を考えて、確定申告のことは早めに学んでおいて損はないですよ〜。
占い師の帳簿のお話。
今回は「確定申告」です。
占い師の仕事というよりは、個人事業主としてめちゃくちゃ重要なので、この帳簿の回は無料で公開しております。
確定申告って、なに?
確定申告についての詳細は、上記サイトをどうぞ。
事業を行っている人達や何らかの形で収入を得ている人達は、自分たちの所得を自分たちで計算し、計算からさらに算出した所得税や消費税の金額を国に申告し、その額を支払っています。
占い師の仕事で得た所得は、専業であれ副業であれ「事業所得」にあたります。
確定申告には2種類ある
#17でも少し話しましたが、確定申告には「白色」と「青色」の二種類があります。
2つの違いをめちゃくちゃ簡単に説明すると、こんな感じです。
白色……申請書も開業届も出さなくてもよくて、家計簿やお小遣い帳程度の帳簿で申告ができる。基本的な控除は受けられるが、青色しか受けられない特別な控除や特例もあるため、青色よりも支払う税金が高くなる可能性がある。
青色……申請書や開業届は出さなきゃいけない。青色しか受けられない特別な控除がや特例があり、それによって所得額はもちろん、帳簿の付け方も揃える書類も申告方法も変わってくる。基本的な控除も使うと、支払う税金が大きく抑えられる。
最初はみんな白色申告からスタートします。
開業届を出していて、青色申告承認申請書(上記の「申請書」とよんでいた部分)を出していなければ白色申告での申告になります。
メリットが大きいのは当然青色申告なのですが、
・申告に慣れたい
・シンプルな帳簿付けと申告がいい
・小難しいの嫌い
という理由から、あえて白色を選ぶ人もいますし、
・最初から青色に慣れておけば後で苦労しない
・今後の赤字が心配 (青色は赤字が繰り越せる)
といった理由から、最初から青色を選ぶ人もいます。
どっちを選ぶかは個人の自由です。
控除とは?
先程から何度も出てきている「控除」という言葉。
控除というのは、「ある金額を差し引く」という意味で、日常生活で特定の条件がそろうと、決められた金額を差し引くことができるというものです。
控除がなければ、
収入−支出=所得 →この所得の額から支払う税金を計算
となるのですが、控除があれば、
収入−支出−控除=所得
もしくは
(収入−支出−控除)×所得金額に応じた税率−税額控除
→この所得の額から支払う税金を計算
となり、控除があったほうが、控除なしに確定申告をするよりも税金を抑えられるのです。
確定申告では、上記のように、所得から差し引く「所得控除」と、その所得から算出された所得税額から差し引く 「税額控除」の2種類があります。
確定申告の話題でよく耳にする医療費控除や扶養控除、ふるさと納税での控除(=寄付金控除)は、「所得控除」のほうです。「税額控除」はあまり耳にしないかもしれませんが、「住宅ローン控除」などがあります。
控除の詳細も、上記のサイトにあります。
普段の生活に関わるものに対しての控除に、自分以外の家族の支出も控除の対象になるもの(セルフメディケーション税制)もあります。
確定申告のシーズンにあわてて控除に使う書類を集め始めても、手遅れになる場合があります。控除を使いたい人は、普段から書類を揃えておきましょう。
確定申告はどこでやるの?
確定申告の作成はどこで行ってもいいですが、提出先は住んでいる地域を管轄する税務署です。
申告の書類を提出する方法は、
・税務署や確定申告作成会場に行って作成コーナーで書類を作成し、窓口で提出
・自分で作成した書類を税務署へ郵送
・e-Taxを使ってネットで申告
と、3つあります。
なお、青色申告の65万円の特別控除を受けたい人は、原則e-Taxのみとなっています。
税務署内での作成は、あまりおすすめしません。確定申告シーズン中は、作成する人や相談する人、開業届や申請届を出す人で署内がごったがえしていますので、手厚く教えてくれないかもしれません……。
(作成の相談であれば、シーズンオフ中がいいと思います)
帳簿片手にネットでも作成できますが、
e-Taxと連携させた会計ソフトでの作成が、一番楽です。今まで記帳してきた分の集計を、確定申告の記入欄に自動入力してくれます。
申告準備から確定申告まで、どのようにしていけばいいの?
では、この確定申告。いつから準備して、申告までにどのようにすればいいのでしょうか。
個人事業主・国保加入・今のところ通院なし・ローンなし・ふるさと納税なし・青色申告65万円控除の私の場合の、準備から確定申告までのスケジュールはこのようになっております(なお、下記はインボイス&電帳法の作業も含んでいます)。
初めて行う人に向けて自分のやり方を書いているので、もしかしたら他の人でこれよりもいいやり方を知っている人がいるかもしれません。「こんなんあるよ」と教えてくださる方はコメントにお願いします。
申告準備から確定申告までの1年のスケジュール
毎月やること
・帳簿づけ
レシート・領収書・請求書・書いた伝票などの紙の書類……会計ソフトに記帳して月ごとファイリング
電子取引……#21で書いたやり方をする
毎度毎度、年月日・勘定科目・摘要・数字があっているかチェックする。抜けているところがあるかもしれないので、細かくチェックする。
紙もデータも、インボイス番号が入っているものと入っていないものは分けて保存。
・市町村のがん検診を受け、領収書をとっておく&「(#)」のついたレシートをとっておく
セルフメディケーション税制の控除をうけるためです。春は花粉症で薬を飲みますし、PCの作業で目薬さしますし、生理痛対策で頭痛薬飲むんで、結構この控除助かるんですよね。
・国民年金の支払い控えをとっておく(クレカ払いでも用紙でも)
10月に届く控えと照らし合わせるためです。
これらを全て期末である12月までにやっておく。
10月〜12月・確定申告に必要な書類が届きはじめる
生命保険料控除証明書、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の控え(これは封書ではなくマイナポータルで届きます)などが届くので、なくさずにとっておきます。
1月〜2月
・当年度の帳簿付けスタート
・前年度分の源泉徴収税の支払調書が届く(源泉徴収税が発生する仕事がある場合)
支払調書と記帳していた数字があっているかどうかをチェック。あっていれば支払調書はそのまま保存しておきますが、あっていない場合は帳簿を調べて、再度チェック。それでもあっていないなら、支払調書の送り主に連絡。
・会計ソフトが前年度分の確定申告に対応できるまで待つ→対応できるようになったら、確定申告機能を使って前年度分を作成していく。
・作成しおわったら、e-Taxと連携して送信
・送信し終わったら、青色確定申告書、青色決算書、総勘定元帳、仕訳帳などをダウンロードして保存します。
今年はインボイス制度開始、来年からは電子帳簿保存法の義務化も始まります。確定申告をするのであれば、いつもよりも早めに準備しておいたほうが、あとで面倒くさいことにはなりません。
毎日毎月の経理作業をコツコツと行っていれば、確定申告はそんなに怖くないです。20万円、もしくは48万円以上の収入がある事業者の義務ですから、逃げずに取り組んでいきましょう。(口実作って、確定申告や納税から逃げている占い師もいると思いますから……)
確定申告不要な収入でも申告しないといけないもの、な〜んだ?
「副業なら20万円、専業なら48万円以下の収入の事業者は、確定申告は不要です」と書きましたが、それは所得税や消費税の話。国に納める税金の話です。
では、地方に納める税金……県民税と市民税を含む住民税はどうなのかというと、これは収入があったらどんな金額であろうと申告しないといけないのです。つまり、さくらさんも対象です。
住民税の申告や申請は、市町村の役所で行います。収入をもらっている人は、早めに支払い方法(以下の2種類の「徴収」のこと)を伝えておくといいでしょう。
支払い方法は、勤めている会社が自分の代わりに払ってくれる「特別徴収」と、勤めている会社からは天引きされず、自分の銀行口座やクレカから引き落とされる「普通徴収」の二種類あります。
副業がバレたくない人は普通徴収の申告を行います。
住民税が支払われなかったり、申告がなされていない場合は脱税となり、税金が加算されます。
副業占い師になったばかりの人は、覚えておきましょう。
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