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愛と再生の物語…15

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メイはドリーさんと
またね…の、ハグをした時に
「ドリーさんが、メイの、お兄ちゃんの…
おばあちゃんだったら…いいなぁ」
「いつもここにいて、いつも会えたら
メイもお兄ちゃんも…すごく嬉しいよ」
「メイ💦」父親は慌てた
「メイちゃん…」ドリーは泣きそうになった
でも、泣いてしまったら、またメイちゃんが心配する……そう想って涙を堪えた
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「メイ…ドリーさんを困らせてはいけないよ……」
「私は、私が困るだなんて…
こんな風に想ってくれるなんて…
なんて言ったらいいか…本当に嬉しくて」
ドリーは膝をついて
メイと目を合わせた
「ありがとう。メイちゃん😊
私をおばあちゃんみたいって想ってくれるの?
とっても嬉しいわぁ」
ドリーはメイをもう一度ギュッと抱きしめた
「いいの? おばあちゃんみたく想ってもいいの?」
「はい」ドリーはメイの小さなコートに顔を埋めた
そうしないと、溢れ出てくる涙を隠す事が出来なかったから…
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ケントがそばに来た
「ドリーさん…ボクとメイのおばあちゃんは、父さんのおばあちゃんだけなんだ…
ずっと遠くに住んでいるから
一年に一度しか会えないんだ…
だから、ドリーさんが
メイとボクのおばあちゃんみたいになってくれたら…すごく嬉しいよ」
そう言ってドリーに抱きついた…
そばで見守る父親は…
泣かないようにするのが精一杯だった
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ひとり…ずっと一人で生きてきたドリーさん
この子たちが…もしかしたら
ドリーさんにとって
これからの喜びとなるかも知れない
そして、それをドリーさん自身も
望んでくれるなら…
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「この子たちにとって、私の母がおばあちゃんになります…母親の両親はもう他界しているので…
年にいっぺんしか会えない…
そんな事を一度も私に言った事はなかった
きっと、言ってもどうにもならない事だと、こんな小さなうちから、想って過ごして来たんでしょう…」
そう想うと、父親の胸には
本当に何の不満も言わずに
ここまで育ってくれた…ふたりの子どもへの愛しさと感謝が溢れた…。。。
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「これからも、こうして一緒に過ごせる時を持てるなら、本当に嬉しいです
いいのですか。ドリーさん?」
ドリーは顔を上げた
「はい…😂」
「子どもたちが喜びます😊」
「いいの⁉️おばあちゃんみたいに想っても、いいの⁉️」ケントが言った
「ドリーさんが、いいと言ってくれたよ」
「わぁ🤭おばあちゃんができたの⁉️」
メイは大きな声でそう言った
ふたりの子どもは大はしゃぎ
「ありがとう」ドリーは言った
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「じゃあ、遅くなるからもう…
気を付けて帰ってね…またね👋」
ドリーは父親に近づき両手を差しのべた
父親はしっかりドリーを抱きしめて
「ありがとう、ドリーさん」と言った
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ピッピにもハグをして
ドアを開けると…また雪が降りだしていた
月夜でもないのに
舞い落ちる雪はキラキラと輝いていた
車に乗り込み…寒いのに窓を開け
ドリーに「おやすみなさい」を言って手を振る👋👋
見送るドリーの胸は
様々な感情で溢れかえった
見えなくなるまで手を振る
また…逢える🙏
ドリーは大きな声を上げて泣き出した
ピッピも「ワン」と大きな声で吠えた
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ほどなくしてドリーとピッピは家に入った
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父親がドアを開けて家に入る
メイが雪の下敷きになってから
信じられないような事が次々起こった
留守にしていたのはたった一日
それでも…この季節は
底冷えがするほど部屋は冷えていた
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ドリーさんが一週間も留守にした家に…たった一人で帰り
冷えきった家でどんな時を過ごしたかを想ったら、堪らなくなった
暖炉に火を入れ
持たせてもらったスープを火にかける
私達親子をあんな風に受け入れてくれるなんて…
メイのケントの…あんなに嬉しそうな顔
きっと
心の中では…寂しかったのだろう
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それでも、いつもふたりは
たとえ喧嘩をしても
お互いの存在がどれほど大切かを
教えてなくとも…ちゃんと分かるように成長した
こんな子ども達を授けてくれた事に
改めて神と妻に感謝した
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ドリーさんが持たせてくれたスープの
いい匂いが家に漂った
「おいで、ご飯を食べよう」
ふたりは台所に走って来た
ケントが食器を並べ
父親が取り分ける
自分たちが作った食事ではない
夕食…初めての事だった
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ドリーもまた今日の出来事を想い返していた…
続く🌟

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