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メンヘラ、仲直りをしようと反省する

Aさんを介して、早苗さんを含む数名とオンライン飲み会をする機会が持ちかけられた。
カメラなし、オンラインで通話しながら飲み会をする集まりで、少人数。

件のブチ切れ後、私が泣く泣く早苗さんのSNSを外した後だったのだが、Aさんは何も知らないのか「早苗さんも来るよ」と普通に話していた。
私は少し緊張したが、早苗さんは友人Aさんの親友である。
この件にAさんを巻き込みたくなかったので、早苗さんを避けていてSNSも外してしまった件についても話していなかった。
私は悩んだものの、同席するだけなら問題ないだろうとオンライン飲み会への参加を申し出た。

早苗さんとエンカウント

オンライン飲み会当日。
緊張の中、早苗さんがオンライン飲み会に現れた。

またキレられるんじゃないかとびくびくしていたが、早苗さんは人が変わったように優しくなっていた。
私と普通に話し、私を褒めまくって、媚びている様子だった。

私がSNSを外した件、
前回遊んだ時辛辣な態度だったことには触れない。

ただひたすらフレンドリーに接してくれた。

私は罪悪感に襲われた。

ブチキレられて、短絡的に避けてしまったが、無神経だった私にも負い目があるし、早苗さんはすごく焦って仲直りをしようとしているように感じた。

何度かそういった機会があり、Aさんも間に入って何事もなかったような様子である。

悩んだ末、私は早苗さんのフォローを戻した。
速攻フォロー返しがきた。

私は、自分が悪いように感じた。
早苗さんはすごくいい子なのに、無神経な言動で拗ねさせてしまって、八つ当たりした程度で付き合いを切ろうとしてしまったと。

付き合いが戻る

なんだかんだで早苗さんとのお付き合いは戻った。ようだった。
その後、普通に早苗さんと話す機会もできたし、あの日のキレっぷりが嘘のように穏やかで楽しい優しい子に戻っていた。

人間なんだしムラもあるよね。
程度の事だったのかもしれない。
私は早急に彼女を切り離したことを反省して、彼女に罪悪感を抱いていた。
一生懸命仲直りをしようとしてくれた早苗さんは、いい子のように感じた。

これが大きな誤解である。

後々、あそこで交友をもとすべきではなかったと百万回後悔する事になるのである。

その時は、私にも失言で彼女を傷つけ、安易に彼女を切ろうとしたことで彼女に過失があるような気がしていた。
そして深く考えていなかった。

だが、早苗さんが壮絶にヤバいメンヘラだという事実と、それはまた別の問題なのだ。

早苗さんは、もっと深い闇を抱えていた。

そもそも、Aさんとは友人だが、お互い別の付き合いもある。
ベッタリという程の付き合いではなかった。

Aさんと常に一緒に行動する早苗さんとも、似たような距離感だった。

1年ほどつかずはなれずの友人付き合いが続いた。

早苗さんがキレた件は、もう過去の事としてわすれつつあった。

有名人の飲み会にご一緒する

私の知人の中に、高名な同業者がいた。
業界内では誰もが知る存在だ。
私はその人と故あって知人となり、その人が年に数回開くパーティーに呼ばれていた。
毎回同業者を一名か二名同伴していたのだが、その事を話すと皆行きたがるのでその件は基本的に同業者には伏せていた。
誘う相手にだけ伝える感じである。

その有名同業者が、交流会を開くという連絡がきた。
パーティーというより、オフ会のようなノリらしく、色んな同業者を誘っていいよと複数名同伴する事が許された。

ある日、Aさんのグループの人達と飲んでいる時に、その集まりに来ないか、Aさんや早苗さん、その周りの子達に声をかけたのだが……。

また早苗さんが豹変した。

「●●さんと知り合いなの!?いつから呼ばれてるの?毎年行っているの?そういう集まりがあるの?そういう付き合いがある事を、黙ってたの!?黙ってそういう集まりにいっていたの!?」
早苗さんの矢継ぎ早な尋問のような質問攻めが始まった。

誘っているのに、何故かキレていた。

また眼の色が変わっていた。
怖い。

「忘れて。やっぱいい」

そう言って私は話を切り上げようとしたが、他の子達がいろめきたち、●●さんのオフ会に参加したいと言い出した。
「じゃあ個別に連絡をするね!」
と私は早苗さん以外の子に言い、話を打ち切ろうとしたが、早苗さんも取り乱した様子から一変して大人しくなり、ぼそぼそと私も行きたいと言い出した。

私はまたも豹変した早苗さんに引いてしまいつつも、一度誘った手前、そうやって怒って問い詰めるなら来ないでほしいとは言えなかった。

早苗さんも誘う事になった。

それが早苗さんとの付き合いが深くなるきっかけのひとつ。
あらゆる悲劇のはじまりだった。

(続く)

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