～外国人留学生のみんな、国民年金の加入忘れないで！！～在留外国人&外国人支援者向け☆ニュースレター＃05

みなさん、こんにちは。　AICA　VISA取得アドバイザー行政書士の岡田裕子です。

今回は、国籍を問わず日本国内で暮らす外国人も国民年金の加入は義務ですよ。というお話をしたいと思います。

国民年金とは

国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人を対象にした国が運営する公的な年金です。
全ての人とは、国籍を問わず外国人も対象という意味です。

ですから、外国人留学生も日本国内に住んでいる20歳以上の人は加入するということになっています。

国民年金の加入者のことを
「被保険者（ひほけんしゃ）」といいます。

職業などにより3種類に分かれており、
20歳以上の学生（留学生含む）の場合は
国民年金の「第1号被保険者」となります。

加入手続きは市区町村の国民年金担当窓口でおこないます。

年をとってから受給できる「老齢年金」と
病気や怪我などで体に一定の障害が残ったときに受給できる「障害年金」などがあります。

「数年後に母国に帰るので年金払いたくない」

先ほどもあげたように、年金に加入するメリットは年をとってから受け取る年金だけではなく、病気やケガで障害をが残ったときに支払われる障害年金などがありますから、万が一のとき年金で生活を助けてもらうことができます。

さらに、帰国してから脱退一時金を請求することができます 。
支払った年金が全て無駄になるわけではありませんから、支払いを忘れないようにしましょう。

今後、ビザの更新や変更のとき年金の支払い状況が審査される可能性があります

現在のところ学校を卒業して就労ビザに変更する際など、年金の支払い状況は調査されていませんが、新しい在留資格の「特定技能」に変更する場合、年金を支払っているか審査されています。
支払っていなかった場合、さかのぼって支払うことになります。
令和2年度の国民年金保険料の金額は月額16540円です。
さかのぼって支払いができる期間は2年間になりますので、2年間全く支払っていなかった場合は 、

16540円×24ヶ月＝396960円

まとめて支払うのは大変な金額ですから毎月しっかりと払っていきましょう。

また、永住申請・帰化申請をおこなうには年金の支払いは必須となっています。
しかも、永住申請の場合は後からまとめて支払ってもダメで毎月コツコツ支払うことで、日本のルールをしっかり守る外国人であるという点を証明しなくてはいけません。

支払うことが難しい場合は保険料の支払いが免除されたり猶予される制度があります

病気や怪我、失業、所得の減少などにより支払うことが難しい場合。
また外国人留学生を含む学生は前年の所得が118万円以下の場合、申請して承認されると保険料を納めることが猶予される「学生納付特例」という制度があります。

学生納付特例は国民年金の加入手続きと同時に申し込むことができます。
支払うことが難しい場合は一度申請してみましょう。

学生ではない人も支払いが困難な状況に応じて、保険料の全額から1/4を免除する制度があります。
免除を受けるためには市区町村に毎年申請することが必要です。

免除された月数に応じて老齢基礎年金が減額されますが、将来年金を受け取る時に免除された期間は国民年金に加入していた期間として計算されます。

免除などの手続きはどこでおこなうのですか

市区町村役場の国民年金担当窓口で行います。
年金手帳や納付書など、
基礎年金番号のわかるものと印鑑
失業等の理由により手続きする時は「雇用保険受給者証の写し」を持参してください。

年金を支払わないことと（未納・滞納）免除・猶予は違います！！

免除も猶予も保険料を支払わないことは同じですが、何の手続きもしていない未納・滞納ときちんと申請して認められた免除・猶予とは、 入国管理局や法務局からの評価は全く違います。

ビザの申請などの際にマイナスの評価にならないためにも、 年金は忘れずに支払うこと、支払えない事情がある時はそのままにしないで免除・猶予の申請をするようにしましょう。

脱退一時金の請求方法

条件を満たした外国人は、母国への帰国後脱退一時金を請求できます。
脱退一時金は帰国後2年以内に、脱退一時金裁定請求書を日本年金機構に提出します。

くわしくは、国民年金機構のホームページをご確認ください。

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todoke/kyotsu/20150406.html

脱退一時金請求書は日本語と外国語が併記されており、14か国語に対応しています。

脱退一時金請求書（ベトナム語版）

いかがでしたか。
今回は、日本で暮らす外国人にも関係がある国民年金についてのお話でした。