興奮状態の私たちは、昔話を楽しんだ。 おかわりの飲み物を頼んで、少し話を変えた。 えっそんなことある…? なんと彼の職場は、私の最寄り駅でよく行く所… なんと彼の住んでる駅は、数年前まで私も住んでいた所… ここまでくるとたいしたことではないが、彼と父は同じ大学。 すごい。こんなに重なっていることがあるだろうか。 生まれてから今まで、彼の過ごしている場所は、時間がずれて私も過ごしている場所。 確実に彼と私は「すれ違っている」人生を送ってきた。 最後まで…
彼と私の地元が同じことが分かり、公園の名前や今はなきおもちゃ屋さんの話など、子どもの頃を思い出しながら興奮が冷めない私たちだった。 話が進むうちに、また1つ、彼とのつながりを見つけた。 私が子どもの頃に買い物に行っていた、スーパーのアルバイトのおにいさんだった。 10個違いのため、私が小学生のときに高校生。あのとき見ていたおにいさんのうちの誰かだったんだ!とまた、心の距離が縮まった。 そしてそして、さらに驚きは続いた。 なんと、同じ高校のOBだった。 生まれ育った場所も
メッセージでのやり取りを重ね、予定を合わせて会うことになった。 今でも、あのときのあの彼の表情をすぐに思い浮かべることができるくらい、とても優しく微笑んでくれた。 タイ料理を食べる予定だったけど、私が喉をいためていたから急遽ベトナム料理に変更。待ち合わせにも遅れてしまい、申し訳ない気持ちいっぱいで入店。 「〇〇さんですか?」「はじめまして。」 そんな普通の挨拶を交わした時は、こんな気持ちになるとは思ってなかった。 お互いに、なぜマッチングアプリに登録したのか、どんな相手
少し話は変わって、彼と出会ったマッチングアプリを通して30人くらいの人と会った。 その中でも、複数回会いたいと思う人は彼を含めて3人。 今でもその2人とは続いている。 1人はベンチャー社長で還暦過ぎ。同業者なので、仕事の話を聞けるのが面白い。 精力的に働いているので、月に一回くらいしか会えない。会うときは、子だくさんの自分には縁のない、ホテルや落ち着いたお店でご飯を食べさせてくれる。 一回の食事代が数万円…自分では絶対に出せないので、美味しくいただいている。 …だけど、友
私が登録したマッチングアプリは、業界最大手とうたっているサービスで、アダルトな募集がメインだった。 既婚者の私が「恋人」を求めるサービスに登録するのは、嘘だし、相手も同じように家庭をもつ人がいいと思った。 顔が見えない、他人とのメッセージのやり取り。文面だけで相手を判断することが難しい世界だけど、私は彼の飾り気のない普通な言葉に惹かれた。
あの頃の私は、育児、家事、仕事、介護、色々な役割に潰されていて、気がつけば「一人になりたい」「逃げたい」「…消えてしたいたい」そんな気持ちを抱えていた。 だけど、現実には守るべき存在があって、すべてを捨てるような勇気はなかった。 旦那との関係は決して良好とは言えず、自分の気持ちを受け止めてくれる誰かが欲しかった。 そんな私は、いわゆるマッチングアプリに登録し、自分を甘やかしてくれる相手を探すことにした。
彼との出会いから、別れまで、忘れたくない3年を残したい。 あの日、あの時、連絡をしていたなら、彼は今でもここにいたのに。 ここに書くお話は、世間的に許されない恋のお話です。誰かを傷つけたいわけではなく、いま、大切な人がいる誰かが、その幸せをこれからも大切にできるように。 そして、いつか忘れてしまうこの気持ちを残すことが、会いに行けないわたしの気持ちの供養になったらと。