【人生に活かす心理】誰かの問題は家族の問題

家族療法とか家族心理学といったジャンルがあります。

名前の通り、家族を対象として心理的に分析して、問題を解決するよーというやつですね。

これはシステム理論というものが元になっています。
人同士の関係性とか、コミュニティや社会の関係性・構造から、人にどんな影響が出るのさっていうのを研究する学問がシステム論です。

それを家族の関係や問題に当てはめたものですね。

家族療法では、誰かに異常が発生している場合に、その家族全体の関係性からくる異常がその誰かに出ていると考えます。
例えば、長男が非行に走りがちだとしたら、長男自身に原因があるというのではなく、家族のシステム構造、相互の関係、役割などに何かしらの問題が起きているんだよーと考えるということです。
ちなみに、この時の長男をIP(Identified Patient)と言います。

専門家のアプローチについてはひとまず置いておいて、なるべく一般の方の役に立つ知識をば。

よく誤解されがちなことをまずは否定しておきます。
家族の中の誰か1人に原因があるわけではありません。
また、核家族の場合は特にですが、その家族だけに原因があるとも言い切れません。

家族システムは、関係性で捉えます。
誰かと誰かが近すぎたり、誰かと誰かが遠すぎたり、子供が親の役割をしてしまっていたり、親と子の距離感が崩れていたり、親が子供役になっていたり、結果的に全体のバランスが悪かったり、いずれにしても適切な関係が築けているとは言えない状況です。

また、核家族だけでなく、世代間で方針が受け継がれている場合もあります。
よくあるのは、父親の権力が強く、それがそのまま息子に受け継がれて、亭主関白な家庭が世代を超えて維持されるなどでしょうか。
最近は激減したと思いますが。

当然ですが、こういった家族の形に答えはありません。
時代や社会通念によっても影響を受けますし、亭主関白が上手に回った時代もあるでしょう。

実際に家族療法のセッションを進めていく中で、その家族の今の形と自分達に適した形を見出していきますので、その家族に合った関係性に落ち着くのが理想的です。

家族に目指すべき理想の形はありません。
誰か1人の理想が家族の理想にもなりません。
3人家族なら3人で生み出される適応的な関係が、5人なら5人で生み出される適応的な関係があるのです。
なので、家族が増えたり、減ったり、ライフステージが変わったり、持つ能力が変わったりする度にその形は変わります。

家族療法を受けずとも、互いの役割を確認したり、自分の思いを話すことによって、問題ない程度の家族関係を築くことも可能になるでしょう。
家族同士って真面目な話するのって気恥ずかしいんですけどね笑
そういった場合は、アサーションが役立つと思います。

何か不都合を感じている場合は、それが続くことと一歩の勇気を比べてみてください。
もし、本当によくない状況だと感じる場合は、家族療法ができる専門家を検索してみてください。

一応、もっと詳しく勉強したい方向けに真面目な教科書をご紹介しておきます。
とはいえ、欲しい内容ごとに章を選んで読める読みやすい本です。
アサーションの平木先生も著者のお一人です。

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