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【人生に活かす心理】役割や権力を無視する

他人も自分も役割や権威・権力の影響をめっさ受けてるよー
というお話。

・ミルグラム(またはアイヒマン)実験
by スタンリー・ミルグラム

・スタンフォード監獄実験
by フィリップ・ジンバルドー

これらの実験は聞いたことがあるよーという方もいるんじゃないでしょうか?
特にスタンフォード監獄実験なんかは映画『es(エス)』で一躍有名になったので観た方もいるでしょう。

簡単に概要を説明しますと、

ミルグラム実験は、実験者と被験者がいて、それを見る権威者がいると、実験者はいくらでもひどいことをするよー、というもの。

スタンフォード監獄実験は、ミルグラム実験の派生とも考えられており、人が役割を与えられると、それを全うしようと、やっぱりいくらでもひどいことするよー、というもの。

ミルグラム実験では、質問に間違えると電気ショックの強さがどんどん上げられました。
スタンフォード監獄実験では、看守役と囚人役を演じた人達が役にのめり込み、看守がどんどんひどいことをしました。
やばすぎて実験は中止されました。

どちらも、正式な立場ではなく、もちろん役割を付けただけの実験です。
にもかかわらず、どちらの実験もその立場にどっぷりと沈んでいったのです。
そして、恐ろしくもこの実験は再現性があります。
つまり、誰がやっても、何度やっても同様の結果を示します。
それは、実験と関係なく普通に生活している私たちでさえ、日常で権威や役割の影響をめっさ受けているということになります。


私たちの生活を考えた時、どんなことが権威や役割と言えるでしょう?
肩書き、会社や学校などでの役割、人からの役割期待、服装、上司や同僚など見ている人の存在、社会常識的な行動(店での振る舞いなど)、法律やルール、ありとあらゆるものが作用しています。
もちろん、それがいい感じに働くこともありますし、悪い感じに働くこともあります。

例えば、肩書きがあったり、場に即した服装の方が、何となく仕事がしやすいことがあるでしょう。
逆にそれが嫌だなと感じたりもあるでしょう。

立場がある人の言葉が、合理的根拠もないのに強く作用したという経験もあるのではないでしょうか?
これは、思考の明確な判断材料がないときに、その発言者自体を理由にするという心理が働いています。

他には、営業マンが「これが売れないと帰れない」と言ったりとか、わざと上司の前で交渉している姿を見せて交渉結果を伝えるとか、権威関係をチラつかせて共感や同情をを誘ったりといった応用もあるでしょう。
これは、『社会で同じように苦労してるよね』という立場を利用していると考えられます。

さて、対策タイムです!

これらのことから何が言えるかというと、話し手や行為者と、話の中身は分けて考えようぜということです。

一つの判断材料として、自分の感情の動きに注意しておきます。

誰かとの交渉や話の最中に、自分が相手に好感を覚えたり、逆に何かプレッシャーを感じたりした場合は、権威や役割の影響を受けている可能性があります。
あるいは、それを応用した類似性や同情などでしょう。
その場合には、感情はそのままにしておいていいですが、話の内容だけに意識を向けて、クールに判断しましょう。
自分の感情や気持ちは判断材料から意図的に外します。

自分自身が、自分の役割や権威の影響を受けている時も同様です。
自分の感情の動きに注意を向けておきます。
しかし、この場合はメンタルの役に立つのであれば、その気持ちを利用するのもありだと思います。
ケースバイケースだとは思いますが。
自分の言動や話の中身の正当性を深めたり、論理の穴を埋めたりといった方向にエネルギーを使えばいいでしょう。

自分の役割がプレッシャーになっている場合もあるでしょう。
役割を見直せるなら見直したほうがいいです。
無理なら、役割の中身を精査して具体的な問題点やプレッシャーの元を見つけて対策を打つことで、プレッシャーが緩和されると思います。

また、自分の肩書きが邪魔してコミュニケーションが円滑に進まない場合もあると思います。
高い立場にある人や特殊性が高い場合が多そうです。
その場合は、役割を伏せていくのがよいですね。
相手が権威の影響を受けている可能性が高いです。

可能であれば、場を離れ、時間を置くことが、冷静に考えるのに効果的だと思います。
仕事先を決めるときなんかは、内心決まっていても、「検討して後日ご連絡します」で判断の精度が上がるでしょう。


かくいう私も心理師という立場を利用してこれを書いています笑
読者の皆さんは内容を精査してくださいね


↓今日も前回同様『影響力の武器』から題材を頂戴しました。
詳しくは以下をどうぞ。


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