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【生きてる伝説】KOHHラストアルバム「WORST」を聴いた

2020/01/16、LIVEにてHIPHOPアーティスト「KOHH」が年内での引退を発表した。

私にとって衝撃であり、口角の上がる事実だった。

4年前に彼の「貧乏なんて気にしない」という曲を聴いてからすっかりHIPHOPにハマり、そしてKOHHという男に惹かれていった。

彼は東京都北区王子の団地に生まれ育ち、幼い頃に韓国人の父を亡くし母親は精神病患者。生い立ちについては、「般若-家族feat.KOHH」「Family」という曲を聴けば分かる。

私自身の人生と比べると、似通った部分は全くない。それでも、透き通った等身大の歌詞を聴くと非常に心に響く。

彼の書く歌詞はまるで日記みたいだった。自分の事、友人の事、女性の事等をストレートにリリックに乗せる。そこに曲としての聞き心地の良さや、シンプルかつ独特なワードセンスが加わり一つの曲として耳に届く。

日本語ラップとして、あるいは多義のJ-POPとして非常に完成度が高いが、彼の音楽は日本のHIPHOPヘッズと海外にて高く評価された。現にマライア・キャリーや88rising、宇多田ヒカルやワンオクTakaなどともコラボを果たしている。

自身でアパレルブランドを立ち上げたり、パリコレクションに参加するなど別の面でもアーティストとして活躍している。NHKにて放送されたドキュメンタリー内でも言っていたが、「他人とは違う事」を体現している男だ。

だからこそ、年々評価が高まりこれから更に名をあげる...という瞬間での引退発表も不思議ではなかった。

年内の引退に加え、4/29にラストアルバムを出す事も発表した。私は早々に予約し、期待に胸を膨らませた。

「リリックが日記の様だ」といった通り、過去の曲から現在の曲に至るまで、徐々に生活や思想が変化している。例えば売れていない頃は理想を語り、最近では叶えた事やリッチな生活を表現。遊びまくりのチャラついた曲を出したかと思えば、真面目なラブソングを歌う。一見統一性が無いように見えるが、人の人生はどうにでも変わっていくものだし、なにより彼の信念だけは一貫して変わらず、ずっと歌詞に残っている。

自分の人生を歌い上げるから、長い映画を観ているような気分になる。そんな生きるアート「KOHH」が、集大成で出すラストアルバム。どんな風に締め括るのか、楽しみで仕方が無かった。

そして今日。アルバム「WORST」が届き、全ての曲を聴いた。

鳥肌が止まらなかった。

アルバム収録全15曲、当然ハマらない曲もあるものの、聴き直すことでスルメのように効いてくるだろう。今までもそうだった。

率直な感想は、今までで一番金かけているのでは無いかというくらいトラックが素晴らしかったって事。

そして曲を作った時期がそれぞれバラバラだろうという事。これには本当にやられた。

彼の今までの曲を聴いていれば分かるが、まるで過去と現在を行き来しているような感覚に陥る。昔みたいな曲だと感じながら次の曲へ行くと、今度は新鮮なアプローチをかましてきたりの繰り返し。14曲目のThey Call Me Super Starで、これは演出なんだとやっと理解した。

そして最後の曲、「手紙」は今までで一番リアルだった。彼が周りから愛され、ここまでやってきた理由が分かった気がする。

KOHHというアーティストを知らなかった方は、一度聴いてみて欲しい。元々認知していた人は、もう一度昔の曲を遡るのもいいかもしれない。私はアルバム特典のLIVE DVDを鑑賞する事にします。

ここから先はアルバム一曲ずつの感想なので、聴いてから読んでみて下さい。素人感想なので悪しからず。ヘッズは間違いがあったら指摘して下さい笑

1.Intro

Mony horse&Dominoのフリースタイルで始まる。正直Dominoについては知らなかった。【5/22追記:DominoはLIL KOHHの事だそうです】「ドミノ、アンチョビない」っていうのは「Bodies」の引用なのかなーとニヤける。なによりラストアルバムの一曲目を幼馴染に任せるっていうのがいいよね。本名で参加しているのもそれを強調してる。

2.Sappy

めちゃめちゃ乗れる。アマサピアマサピアマサピ。
幸せで悲しい:Sad+Happy=Sappyで思わず笑ってしまった。本来の愚かしい(Sappy)って意味とダブルミーニングなんだろうな。っていうか後付け。

3.Rodman

「俺みたいにはなるな」を思い出してもう一度聴いてしまった。懐かしい。
高田純次、マルセルデュシャン、シドヴィシャス、カートコバーンときて次はデニスロドマン。Wikipediaを見てみたら、なるほどって思う。団地育ちで万引き暮らし、全身に刺青、髪を染める、奔放な性格。たしかに、ジョーダンレブロンじゃなくてロドマンだな!

4. 2 Cars

やっぱ「Mitsuoka」乗ってるんだって再確認。書いたのちょっと前な気がするけど。「台湾人 元売人」に食いました。ライブで聴きたい。

5.Anoko

「Iiko」じゃなくて「Anoko」。Asoko舐めてたあの頃なのかな?ってきっと弄られるだろうな。積極的外国人なんて歌詞はKOHHにしか書けないと思う笑 そしてまた彼氏に謝ってる。色んな曲で彼氏持ちを出しているけど、全部が同一人物ではないだろうな。寝取りがち。

6.I Think I’m Falling

この曲は既にシングルで聴いてたけど、やっぱいい曲。Anokoの次に入れてるのが良かった。2曲連続で彼氏に謝ってる。歌詞読まないと分からない部分があるけど、どうでもいいくらいフロウが好き。

7.John and Yoko

3曲連続のラブソング。今度はジョンレノンか。喩えるの好きだなぁ。「女と男 心と体 BoyFriend No.1 セックスしたいだけじゃない」は食らった。格上げしたっていうか、そう思ってたんだろうなって。全部嫁に捧げているんだとしたら、どんだけカッコいいんだよ。

8.ゆっくり

休日のソファーで彼女と聴きたい。フルーツジュース飲みながら。「ゆっくり流れる水みたいに命の早さに気づく」というリリックに、なんか珍しく文学的だなとビックリした。もちろんいい意味で。

9.レッドブルとグミ

情景が浮かぶ曲だな、二日酔いの朝方とかに聴きたい。MURASAKI Beatsいいなぁ。

10.シアワセ(worst)

アルバムタイトルの曲。KOHHの二面性が良く現れてる。アルバムの中で一番好きかも。5-9曲目のB面というか、もう言葉出てこないや。映画化して欲しい。

11.Is This Love

まさかの弾き語り!やっぱりラッパーじゃなくて、アーティストだなと思った。ラブソング全体の完成形として、エンドロールのように響いた。

12.友達と女

先程までの曲と一転して、いつものやつ。昔の曲みたい

13.What I Want?

ロックスターみたいな曲。今後別名義でこういう曲を出すようになるんじゃ無いかなって勝手な予想してる。

14.They Call Me Super Star

このビート聴いた事あるんですが、誰か知りませんか?これも昔みたいな曲だなーと思ってたらiPhone6が出てきた。未だに使ってるとも捉えられるけど、ここで初めて時系列バラバラなんだなと理解した。「スーパースターに憧れてコンバースをボロボロにしていた」に食らった。私もIT G MA聴いてAirForce1履き始めました。

15.手紙

言うことない。Respect


今年は全部ライブ行きたいな。
武道館もお願いします。


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