予算を抑えて利益を残す方法

1.現状に疑問を持つ

私がなぜこの記事を書こうと思ったのか?

できれば不動産物件を所有する個人オーナー様は絶対に知ってもらいたい内容であり、現在ハウスクリーニングに従事する方も知っておいた方がよい話になります。

理由はひとつです。美装屋さんに回ってくるハウスクリーニングの単価がおかしなことになっているためなんです。

空室クリーニングの相場は誰が決めたのかわかりませんが、恐ろしいほどありえないくらい低単価です。

なぜ?なぜ?なぜ?と深く深く海の底まで掘り下げて原因を探っていくと少なからずとも答えが見えてきます。

結論から言うとリフォーム屋さんから仕事を請ける、もしくは不動産屋さんとリフォーム屋さんが繋がっている場合は職人さんにとって間違いなく低単価のお仕事が待っています。

何故かは読者の皆さんはわかっていると思いますがリフォーム屋さんが段取りと確認を行い、各施工の間に入って、手数料をいただく商売になっているからです。自社で職人を育てているリフォーム屋さんが少ないことを私は飛び込み営業や商談を重ねて自分の目で確認しました。要するにコスト面で非常に効率が悪いのです。

複数の業者が入るため納期に遅れが出ないように調整をするので、たしかに手間がかかります。

ただ、リフォーム屋さんから仕事を請けるだけだと長く美装屋さんを続けることは困難な時代だと私は思っています。

私がよく行う行動として、リフォーム屋さんの協力業者募集の話を聞きに行きます。
最初はそこから仕事を数多く請けることが目的で行くのですが、話を進めていくとおかしなことに気が付きます。
それは、実際に単価と作業工数が合わないことばかりなのです。

なぜなら管理会社からリフォーム屋さんに依頼がかかる原状回復は、入居者が支払う退去時精算より、オーナーが支払う修繕コストの方が上回るため、ギリギリの予算で工事が行われているからです。

そして実際にオーナーさんが支払う工事費の構造はムダばかりです。

各職人さんの工事費+リフォーム屋さんの手数料+管理会社の手数料

以上が簡単な公式になるのですが、ひどいところではオーナーが支払う50%くらいが手数料となり、残りが工事費という場合もあるわけです(実際に管理会社のエ○○ルさんはリフォーム屋さんから30%の手数料として乗せてオーナーさんに請求している)。

つまり、単純に施工の工賃を積み上げて、その上に手数料を乗せて見積りを出すと、オーナーさんが考える予算と見合わないことが多くなるため、全体の見積額を抑えて、各業者の工事費を下げる傾向にあるということです。

この現状を知ると、

「どうすればオーナー様が困らないのか?」
「どうすれば美装屋さん、クロス職人さん、大工さんが困らないのか?」

という視点でモノゴトを考えるようになります。

現状として、大手の管理会社から受注しているリフォーム屋さんはクロス屋さん、美装屋さんが不足して困っているそうです。誰もやりたがらない金額で仕事を依頼するため断られてしまうそうです。

多くのリフォーム屋さんは人手不足です。
その人手不足の原因は何故か?

ここは考えていかなければならないと思います。

建設業界のほとんどは考え方を変える事ができていないからです。

それでは賃貸物件の原状回復コストを抑える1番よい方法は何なのか?

今回のテーマです。予算を抑えて利益を残す考え方になります。

誰でも考えたら分かることですし、読者の方もやっていることだと思うのですが、ブレずに徹底していけば業界の構造に歪みを持たせることも可能なのではないかと私は考えています。

前提としてすべてのツールは自分で見つけることが条件になります。

2.流通業の世界では

私はもともとチェーンストア業界で10年仕事をしてきました。チェーンストアとは、マスの力を働かせて商品のコストを抑えてお客様に最大限のご利益を生み出す産業です。
そのためには多店舗戦略が不可欠になり、200店舗以上のお店を運営しないとマスの力は働かないと言われております。

その中で本物のチェーンストアを運営する企業は一人当たりの人件費を削減するという考え方ではなく、
今まで10人でやっていた業務を仕組みを使って8人で終わらせる。
という仕組みを使って効率よく利益を上げて、商品単価を下げてお客様にご利益を生み出すという考え方なのです。

つまり、一人当たりの人件費を削るという考え方とは大きく異なる訳です。多くの管理会社さん、リフォーム屋さんにはこの考え方がありません。

私は多店舗展開をする考えは一切ありません。
また、安価な価格で仕事を請けるつもりもありませんし、捌ききれない数の仕事を請けるつもりもありません。

ただ、このチェーンストア業界で成功した会社で私が10年前まで所属していたニトリの会長さんの考え方を応用すれば、必ずオーナーさん、職人さんたちが良い方向に向かっていきます。

どういうことかというと、ニトリの会長が創業期にやっていたことは家具を安く仕入れて安く売るというごくごくシンプルなことなんです。
当時はメーカー直接仕入れが出来ず、必ず卸問屋を通して家具を仕入れなければなりませんでした。

その会長は卸問屋を通さずに直接製造元のメーカーと取引をすることで安く家具を仕入れることに成功しました。
簡単に直接取引ができたわけではなく、何度も何度もあきらめないでメーカーと交渉を続けたことで直接取引に成功したというお話はとても有名な逸話にもなっています。

のちに、その家具屋さんはメーカーと手を組んで自社の子会社を海外に設立し、自社ブランド商品を作り上げて日本最大のコンテナ取引を行う会社になり、日本で1番の販売力のある家具ブランドにも成長しました。

一人当たり賃金もチェーンストア業界では高い部類に属される企業です。
そこは私が10年間勤めていて経験済みです。

3.結論

何が言いたいかというと、建設業界や不動産業界で頻繁に行われていて当たり前になっている手数料商売の下に回るのではなく、直接オーナーさんや、不動産屋さんから清掃業者が元請けとして仕事を請負い、手数料に頼らずに利益を残す仕組みを作ることが1番大切なことなのです。

間に仲介を入れずに商売を行う。

簡単にできることではありませんが、できないわけではありませんが、私はその仕組みを構築して取引先様との交渉を行っています。

コツコツとクロス屋さん、たたみ屋さん、ガラス屋さん、大工さん、設備屋さん、水道屋さん、建具屋さんと協力してもらえる職人さんを見つけていき、請けた仕事の総監督になっていくと利益も残りますし、総合的な単価を抑えることができるのです。
私自身が美装を請け負うわけですから美装の単価を上げても全体的な金額を抑えることは可能になります。

ルールは各職人さんを締め上げるような単価で手数料を取らないことです。
そうすることでそれぞれの業者さんが気持ちよくしごとができ、管理会社さんやオーナーさんも利益が残るわけです。

仕組みができてきたことが我々の強みでもあり、施主さんからも信頼してもらえる要因になりました。

私はリフォーム屋さんを敵に回すつもりでこの記事を書いたわけではありません。
冷静にひとつひとつの無駄な工程を省くことで質の良いサービスをお客様であるオーナー様、管理会社様に提供できることを知っているからです。

現状否定。

私の大好きな言葉であり、頭の中はいつもモノゴトの現状否定をしています。

「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」

掘り下げると本質的な原因が見えてきて、改善するための考え方や改善策が見えてきます。

このように今までの当たり前の慣習を疑うことからヒントを掴むのもビジネスとしては大切な要素になると思います。

私の考え方を理解した管理会社さんは少しづつですが私の考える仕組みに賛同している事実をお伝えします。

業界問わず集客に悩む人たちの参考になればと思います。

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