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白樺クラフト kandy 出浦啓子さん/初出店者インタビュー

白樺クラフト kandyの出浦啓子さん

今年度から、さくほリビングマーケットに初出店した方のインタビュー記事の連載が始まりました。なにかにチャレンジしている人たちは、どんな思いをもって活動しているんだろう?背景にあるストーリーをお聞きしました。

白樺樹皮を使ったクラフト作品をご存知ですか?北欧では伝統工芸として愛されており、近年では北欧雑貨の人気もあり日本でも注目されています。白樺がシンボルとして愛されている佐久穂町でも、樹皮を生かしたクラフトを身近な存在に、と活動している出浦さんです。

――さくほリビングマーケットに出店してみてどうでしたか?
イベント出店自体が初めてで不安だったのですが、事前にスタッフの方と相談しながら準備することができました。クラフトのワークショップでは、終了間際までお客さんに体験に来てくださったり、インスタグラムを見て来てくださった方がいたり、いろんな出会いがありうれしかったです。

――白樺樹皮がこんな素敵な作品になるとは、知りませんでした。
佐久穂町には白樺の群生地もあって鑑賞用としては有名ですが、樹皮が工芸品になることは、ほとんど知られていません。北欧やロシアでは昔から工芸品として有名で、実は芯よりも樹皮のほうが丈夫なのですが、日本では、樹皮はほとんど捨てられてしまうんです。

――活動の大変なところは?
一番大変なのは材料(白樺樹皮)の確保。白樺の樹皮は、一年のうちで6月下旬から7月上旬のほんの一時期しか採取できないんです。また、町にある白樺のほとんどは町有林なので、勝手には採取できません。今後は、町と一緒に樹皮の活用を進める活動を行っていきたいです。

――白樺樹皮のクラフトを始めたきっかけは?
あけびのつるなど、自然材料でカゴを作ったりするのは好きだったのですが、本を見ていたら白樺の樹皮を使った作品があることを知り、驚きました。「白樺なら佐久穂にいっぱいあるじゃん!」と(笑)。地域に根差したものを作りたい、という思いがずっとあったので、ぴったりだと思いました。

――活動を続ける支えになっているものは?
白樺樹皮のクラフトに興味をもって声を掛けてくださったBOkeTTo.の豊田さんと出会ったことで、アイデアや人脈など、自分にはないものと白樺クラフトが結び付くきっかけが生まれました。さくほリビングマーケットを教えてもらったのもそう。これまで、一人で何かをすることが多かったので、こういう仲間がいるというのは新鮮に感じています。まだまだこれからですが、勇気を出してやりたいことを話してみると、いろんな力を持っているひとに出会えるんだなと感じています。

――これから、どんな作品を作りたいですか?
これから作りたいのは、「民芸」としての作品。暮らしの中の実用と結びついた「用の美」を感じられるような花かごや、一輪挿しや、器など。日常使いだけど、毎日、ついながめてしまう美しさがあるようなものを作ってみたいです。

そしていつか、白樺クラフト作品が佐久穂町の特産品として知られるようになって、町の中に職人さんたちが何人かいて活躍している――。そういう未来になっていれば、うれしいですね。

また、ただ作品を作る人ではなく、白樺を使うからには、白樺を育てる人でもありたい。森を育てる保全活動にも携わっていきたいと思っています。

writer 細川敦子

▼▼白樺クラフト kandyの情報はこちらから
出浦啓子(@shizennokandy) • Instagram写真と動画



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