無名から這い上がった「プロスペクト」の特徴とは
先日の記事の続きになります。まだ読んでない方はこちらから。
今回は、プロスペクトランキングで無名だったが、メジャーでスター選手へと登りつめた選手について調べ、考察していきたいと思います。「無名からスターになった元プロスペクトの特徴とは?」「プロスペクトランキングで見落とされがちな選手の傾向とは?」解き明かしていきたいと思います。
検証の方法
2015‐19年の5シーズンでfWARが4.0を超えた選手のうち、『ベースボールアメリカ』のトップ100プロスペクトでランキング圏外だった選手を調べ、考察を行います。fWARについては前回の記事を参照してください。4.0を超えていると「オールスター選手相当」とされています。
検証の結果
以下が結果を整理したファイルになります。
該当の選手は投手10人、野手40人の計50人でした。(こんなにキレイに出るとは笑)
投手は少ないので全員の名前を書きだします。
ジェーコブ・デグロム
コリー・クルーバー
ランス・リン
チャーリー・モートン
パトリック・コービン
シェーン・ビーバー
ホセ・キンターナ
マイク・クレビンジャー
マイルズ・マイコラス
カイル・ヘンドリクス *ベストWAR順
異次元のデグロムと32歳のシーズンで突如平均球速が3マイル以上伸びたモートン、耐久性の不安からプロスペクト時代に評価されなかったクレビンジャーを除くと、残る7名はコントロールや打者のタイミングを崩す投球にたけた技巧派投手が並んでいます。
数字で見てもBB/9の数値が優秀な投手が並んでおり、キンターナもメジャーデビューした12年はBB/9=2.5、前年の11年も2.6とコントロールを改善させています。コントロールの良さはトッププロスペクトでない投手が活躍するための一つの武器となりそうです。
次に野手40名を「コンタクト」「パワー」「守備」「アプローチ」の4パターンに分類してみました。プロスペクト時代のスカウティングレポートや成績をもとに私の独断で分けています。ご了承ください。
以上のようになりました。ホセ・アルトゥーベやホセ・ラミレスに代表されるようなコンタクトヒッターとジョシュ・ドナルドソンやポール・ゴールドシュミットのようにアプローチ(BB%)の優秀なバッターが多い結果となりました。
特に「アプローチ」に分類された打者は、ほとんどが通算で10%以上の四球率をマークしており、ベストのシーズンに限ればマイナーで三振数とほぼ同数の四球数を選んでいる選手もいます。
以下、通算でのBB/Kの値が比較的よくない選手でも…
10年ファム(A/A+)106G/60BB/87K
07年セルベーリ(A+)89G/36BB/59K
11年ゴールドシュミット(2A)103G/82BB/92K
09年ドナルドソン(2A)124G/80BB/92K
確かにプロスペクト当時はパワーや守備走塁といったツール面や年齢面などで評価を落としていたのでしょうが、打撃の実力は本物だったのだと考えられます。
終わりに
今日の話をまとめると、①ここ5年間でトップ100プロスペクト圏外の選手でWAR4.0以上(オールスター級)を記録したのは50名。②投手ではコマンド(BB/9)に優れるなど技巧派投手が多い③野手ではコンタクトやアプローチ(BB%)に優れた選手が多い傾向にある、です。
Photo:https://flic.kr/p/TfCCCy
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