【5分要約】行動分析学入門マネジメント

「変わりたい!」「もっとできるようにならんかな?」、、、。そんなことをよく考えていると「行動分析学」という名前の本が目についたので読んでみた。俗に言う「意思の弱さ」を原因としない、まさに行動の原因に視点を当てて分析をする学問のことをいうらしい。。。簡単に要約アウトプット。

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今回読んだ本は、この2冊。
「行動分析学入門」「行動分析学マネジメント」。どちらも杉山尚子さんが乗っている。行動分析学会常任理事、行動科学学会事務局長という肩書き。
専門用語がかなり出てくるため、かなり読み応えがある。

1、指示だけでは伸びない!
  有能な上司は「指示×○○×○○」の3セット

有能な上司は「指示×確認×フィードバック」の3セット。
指示を出すだけで全てうまくいくなら学校の先生やマネージャーはどれだけ楽なことか。実際の現場では、子どもが思った通り動かなかったり、育成指導に悩んだりすることは多い。
指示したことをよりコミットさせるためには、この3つのセットを常に意識することが大事だと書かれている。
指示した内容をどれだけ、どのように、どのくらいの時間をかけて取り組んでいるのかを確認し、その行動に対してフィードバックをすること。
ここでの「フィードバック」とは、評価というよりは「相手に考えさせる視点」を投げかけることにある。
「やってみてどうだった?」「結果はどうだった?」「うまくいった原因って何?」「ここがポイントだったね」「次の時はどうする?」
このように全ての評価をすることではなく、相手に考えさせること場を与えること。指示だけの上司とは雲泥の差。
また指示も「具体的であること」(行動的翻訳)と書かれている。
「授業は時間を守る。」よりも「1分前には、机に教科書とノートを出して着席する。」の方が、何をいつすればいいのかが明確になる。
当たり前のことだが、学校現場でも指示へのアンテナの高い人は、子どもの動きに違いが出てくる。初任者は必須の内容だ。

2、60秒ルール!「褒める叱るのタイミングが命」

現場では、フィードバック+評価(褒める叱る)が横行しているが、そのタイミングが肝だ!と本書には書かれている。
60秒ルール」だ。
人間は0.3秒でも会話に遅れがあると不安感や不快感を感じ取る生き物。この60秒という意味は、時間的なものではない。
とにかく、行動直後にフェードバックをすぐに行え!というものだ。
よくあるのが、会社の飲み会で1ヶ月前のことを「そういえば、お前、この前の商談の時の提案!あれはないわ!」などと愚痴を言い出す上司がいるが、全く効果がないのがわかる。
「はい、すいませんでした。」と言いつつも、「いや、その時に言ってくれればいいじゃん、、、。」と思うのが正直なところだ。褒めることはまだしも、叱ることこそ、行動直後にバシッと伝えることが何より大事だ。
学校の先生で叱ることができないという人を見たことがあるが、
「短く、的確に、大きな声で、後に引きづらない」ことを意識することが大事だと思う。
もちろん、基準を持って、感情的にならないように。

3、伸び悩みや挫折への対処法は?

「小さな目標をもち、少しずつ引き上げていく」
行動分析学では、シェイピングという方法らしい。
目標や習慣づくりには、よく聞くことだが、やはり大事なことらしい。
スモールステップなどと学校現場ではよく言われるが、達成感を感じることができ、即時強化としてフィードバックを与えるという方法だ。
この時に、伸びが停滞する場面がきてしまうことがある。
その時の対処法としては、「粘ること」「挫折前に一段下の目標に戻ることが挙げられている。」
成功体験と達成感があるため、粘ることができる。その中で少しずつレベルが上がることでクリアすることができる。
それでも、クリアできない場合は、「前回の目標の際に、習得すべきことがまだできていないのでは?」ということから、一段下げるという手法をとる。


4、ゴールを経験させよ!「達成感と見通し」

課題から解決までのプロセスで、すべき仕事の内容と量を把握し、段取りを組むことをチェイニングという。イメージとしては、チェーンをつなげている感じ。理科の授業なら、「課題作り⇨課題設定⇨予想⇨実験方法の立案⇨実験⇨結果分析⇨考察⇨まとめ⇨振り返り」である。この時に、普通の初任の教師の場合は、頭から考えていくだろう。
「課題はこれだから、課題づくりではこの教材を出して、、、」
ここでは、ゴールから考えるとよいと言われている。振り返りの時に、子どもたちがどんなことを書いていたらいいのか?まとめで何がわかって、どのように文章を発表をしていたらいいのか?その具体の姿からイメージすることで、見通しが立てやすくなる。
また、営業の場合はアポ取りやはじめの商談などはベテラン上司が行い、後半の契約決定のところを新人に任せる方法もそうだろう。
ベテラン上司とセットで働く中で、ゴールの仕事を新人が行う。契約をとることができた時の達成感と仕事への自信は、新人社員にとって大きな宝物となる。
頭から全てやるのではなく、ゴールから考えたり、ゴールの仕事をあえて新人社員が達成できたりする仕組みが、チェイニングの中には書かれていた。

行動を変化させる方法論がたくさんの事例と共に乗っており、読んでいて非常に面白い!気合や意思でなんとかしよう!といった感情論などは全くなく、論理的で科学的な部分から書き下ろされていた。
行動を分析することで、行動への変化を促す学問。
おもしろい。。。

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