A型家族の話。

几帳面で慎重なA型。足せば足すほど精巧になるかと思えば、ややこしくなるばかりだ。

私の家族は全員、A型。

母は洗濯の名人で、Yシャツでもアイロンなしでピンと仕上げる。ところが片付けは大の苦手で、実家は布で隠されたモノの山だらけ。

その山々を見て父が顔をしかめる。父自身、片付けは得意なはずだが一切手を出さない。相手の分野に手を出してはならないという曲がった気遣いなのか。

妹も整理整頓が得意。そして慎重すぎる。あの人と付き合ったらと何百通りものシミュレーションをするのは、避けては通れない儀式だ。

よくそんなに考えられるなと思いながら、悪くなければ付き合ってみたらと私は言う。そういう面では思い切りが良いが、気になることは徹底的にこだわる私。

自分でもうんざりするほどなので、一度始めると大変だからやらないという母の片付け無精の言い訳は分からなくもない。

共通しているからこそ小さな違いに苛立つ。だが、その苛立ちだって小さなものだ。

それに気付いてもっと大きな部分を分かち合えれば、ぐっと仲が深まる。