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P8 1人でのリハビリ

前回デイケア通所ストップからの続き。


さて、デイケアに行かなくなってしまった僕ですが、人生の復活を諦めたわけではありませんでした。

当時の僕はうつ症状よりもパニック症状の方が生活に支障をきたしていましたので、パニック症状の改善に重きを置いてのリハビリを開始します。


ここで役に立ってくれたのが「魚釣り」でした。
幼少期から自然の中に身を置くことに、喜びや楽しさを感じていた僕は、「ルアーフィッシング」も趣味の一つにしていました。

しかし「アウトドア」と「パニック障害」。
なかなかに相性が悪いのです笑
そもそも外出困難が大きな症状の一つでしたので、外に出るアウトドアは恐怖満載。
それでも、「魚釣りをしていれば少しは気が紛れ、徐々に行動範囲も広がるのでは?」と考え、何もしないよりはやってみよう!と行動を開始しました。


以下リハビリ工程を書き出します。

①いつでも良いので、最寄の釣り場に自転車で行く。
②最寄の釣り場に自転車で行き、1時間釣りをする。
③分単位で少しずつ釣行時間を増やす。
④前日に「明日は釣りに行く!」と決める。
⑤前日に「明日は◯時に釣りに行く!」と決める。
⑥釣り場でお昼ご飯を食べる。
⑦釣り場で、乗って行った自転車からなるべく離れて釣りをする。
⑧  ①〜⑦を別の釣り場でも行う。

(全て自転車での行動です。)


ザッと書き出しましたが、こう見るとあまりにもレベルが低い…。でも当時の僕は真剣そのもの、全力で取り組んでいました。

(ちなみにやっていた釣りはルアーで魚を釣る「バスフィッシング」です。悪名高き?「ブラックバス」を釣る釣りですね。
釣り場でじっとしている事は無く、常に動き回って魚を探していく釣りです。)

①〜③はそれなりに順調に進みました。
3時間釣行くらいはそれなりのスピードでできるようになった記憶があります。

④と⑤。
これがなかなかにしんどかった。
そもそも当日の朝になるまで自分のコンディションがわからない。
しかも「予定」や「予約」は、予期不安を刺激して不安感倍増。
もちろん自分だけで決めたことですから、キャンセルしても誰にも迷惑はかかりません。
しかしやはり「できなかった」と言う罪悪感や失敗体験が、自分自身を責めて怒りや焦燥感に苛まれる日もたくさんありました。

⑥これはスーパーやコンビニで、パンやおにぎりを買って釣り場で食べてました。
主なリハビリ目的は「買い物」ですね。
買い物で列に並ぶこと。
これも不安感が強いと困難で、スーパーで並んでる途中に限界を迎えてしまい、レジカゴをその場に置いてお店から出てしまった事も何度かあります。(スーパーの方ごめんなさい)


⑦これもしんどかった笑
当時の僕は「自転車」を拠り所にして、または依存して外出していました。
「自転車に乗れば◯分で帰れる。」
コレが常に頭の中を支配し、それが安心感につながっていたのだと思います。
その拠り所からなるべく離れる事。
始めは100mくらい。
次は200m。
次は自転車を視界から外す。(これドキドキ笑)
最終的には自転車から1kmくらい離れる事ができるようになりました。
この辺りでリハビリの手応えを感じたのを覚えています。


⑧最寄の釣り場でそこそこの手応えを感じましたので、それを最寄2最寄3(もはや最寄ではない)と、行動範囲を少しずつ広げながら成功体験を重ねていきました。

この間約2年。(長い…)
しかし2年目は年間100日以上リハビリ釣行を行い、精神的にも体力的にも身体が戻ってきたのを実感していました。
次は何をするか、何をすれば良いのか、を模索し始めます。


パニック障害の治療法(リハビリ法?)に、暴露療法と言うのがあります。
僕のリハビリ釣行はこれにあたりました。

初めて暴露療法の話を聞いた時は「バカなの?」って思いましたし、今でも少し「バカなの?」って思ってます。

できないことをやるためには、できないことをやって成功体験を積み重ねましょう。って意味はわかるんですけどね。
いや、めちゃくちゃしんどいから!!


四苦八苦しながらも2年間の1人リハビリを遂げた僕。
次は、またデイケアに再通所しはじめるお話です。

続く


当時釣具の消耗品の補充で、釣具屋さんに行くのもめちゃしんどかった〜。。

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