よく目にする牛肉

スーパーや飲食店でよく目にする牛肉。外国産、日本産とおおまかに書いてありますが、その外国産、日本産の詳しい名前を知る機会はなかなかないと思います。そこで今回はどのような牛がいるのかを書いていきたいと思います。

⚪︎国産牛

国内消費のうち、国産牛は約4割です。
国産牛肉の特徴は牛小屋で飼育されているという点です。
エサとして穀物・とうもろこし・ふすまや稲わら、場合によってはコメなど、様々な飼料が与えられています。

⚪︎外国産

外国産牛肉の国内消費は約6割です。
なんといっても全体的に安い外国産牛肉!が、そのほとんどがアメリカ産とオーストラリア産のものとなっています。
日本に比べて、霜降り肉はあまり好まれない傾向にあるので、上質な赤身を作ることを目指している場合が多いです。

<日本の品種>

・和牛

⚪︎黒毛和種(別名:黒毛和牛)

 和牛の95%を占めています。筋肉に脂肪が交雑しやすい特性を持ち、濃厚飼育(雑穀など)を与えることで「サシ」わ「霜降り」と呼ばれる脂肪交雑の度合いが高まり、柔らかさとコクのある特有の肉質となります。日本各地で飼育されよく耳にする例をあげると「松坂牛」「神戸牛」「前沢牛」など多くのブランドがあります。


⚪︎褐毛和種

 熊本と高知の両県で独自に改良され、系統の異なる2種があります。
 熊本県は「熊本赤牛」などと呼ばれ阿蘇地方の在来種にスイス県産のシンメンタールを交配して改良されました。毛並みは褐毛色。
 高知県「土佐あか牛」とよばれ明治期に導入された韓牛(朝鮮牛)にシンメンタールを交配して改良されました。鼻や目の周り、尾の先端が黒いのが特徴です。
 黒毛和種に次いでサシが入りやすいが、牧草などの粗飼料でもよく育ち、赤みの味わいに定評があります。

⚪︎日本短角種

 「短角牛」とも呼ばれ、和牛の1%ほどです。東北地方で役牛とされていた南部牛に米国から輸入されたショートホーンなどを交配して改良されました。岩手県では仔牛の時期は高原で放牧され、母乳と牧草で育ちます。またその後も、夏は放牧、冬は牛舎という環境で肥育されます。肉は赤みが強くサシが入りづらいだ格付けが低く、価格の低迷が続いていたが、近年赤みの味わいが見直されています。
岩手県、北海道、青森、秋田などで飼育されています。

⚪︎無角和種

 山口県阿武部の在来種に、欧米で肉質に定評のあったアバディーン・バンガスを交配して改良されました。
 皮下脂肪が厚くサシがほとんど入らない赤身牛のため、市場での価格が低く、一時は250頭まで衰退し絶滅も危惧されました。ただ、牧草とワラなどの粗飼料でもよく育ち発育や増体にすぐれている早熟早肥、肉量が多いという特性を持ちます。そのため短期肥育が可能な赤身の牛として、現在は山口県の(社)無角和種振興社が再生の道を模索しています。

・国産牛

⚪︎ホルスタイン

牛は、牛乳を取ることを目的とした乳用牛と、お肉を生産することを目的とした肉用牛に分けられます。

日本ではホルスタインは牛乳を取るために育てられています。

日本では、乳用牛の中でもホルスタインが99%を占めています。

欧州では肉乳両方を目的として飼育されています。

⚪︎交雑種

交雑種とはわかりやすく言えば、雑種のことを指します。
牛に限ったことではなく、交雑種=雑種。

牛に関して言うと、一般的には乳牛と肉用牛をかけ合わせたものを言います。
その中でも、特にホルスタインの雌牛と黒毛和種の雄牛をかけ合わせた牛のことを指す場合がほとんどです。
ホルスタイン・黒毛和種以外の組み合わせでジャージーや褐毛和種をかけ合わせの品種として利用する場合もありますが流通しているものは稀です。

他にも、和牛間交雑種なども存在しますが、牛においての交雑種とは乳牛と肉用牛の交雑種のことを指して問題ないでしょう。

交雑種は別名、F1と呼ばれることもあります。

 


<北米の品種>

⚪︎アバンディーン・アンガス

 米国を代表する肉用品種です。北スコットランドのアンガス州とアバディーン州にそれぞれ在来した無角種を交配させて改良されました。和牛の無角和種の構造にも利用されました。肉は柔らかくて外国種の中ではサシが入りやすく、牧草などの粗飼料でもよく育ちます。黒毛で体成熟、性成熟ともに早熟で肉づきがいいです。日本では放牧中心に飼育されています。

⚪︎ヘレフォード


 英国のイングランド西南部のヘレフォード州原産で、英国で突然変異によって生まれた角のない個体を改良したものです。肉はサシが入りづらく赤身で、筋繊維が粗いです。厚い皮下脂肪がつきやすく、四股が長いため肉の量は多くないです。強健で厳しい気候環境にも適応し、牧草などの粗飼料はもとより、粗悪な飼料でもよく育つため、世界各地飼育されています。


<オーストラリアの品種>

⚪︎アンガス種
 米国産でも紹介した品種です。オーストラリアでも高い人気があります。

⚪︎ヘレフォード種
 こちらも米国産で紹介した品種です。日本にも多く輸出されています。

⚪︎マリーグレー種

 オーストラリア東南部のマレー地方原産でショートホーンとアンガス種をかけ合わせて生まれました。体毛は灰褐色で角はありません。性格は温順で、粗飼料利用性は高く、成長が早いことが特徴です。

⚪︎ブラーマン種

 主に気候的に暑くて気温が高くなる場所でもよく育ち、病気にならない強い体の持ち主で有名です。このためオーストラリア北部の熱帯地域で飼育されています。日光を反射するために体毛は短く、頸から上とお尻の方は黒く、胴体の広い部分は白くなっています。さらに、体温を発散させるために普通より多い汗腺があることが特徴です。



次回は、産地ごとの牛のランクについて記事を書かせていただきます。


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