とりとめ日記(14)たからものサーズデー

十一月某日、17時45分。祖母が亡くなった。「夕ご飯ができたよ」と母が声をかけても、返事がなかった。お昼寝をしたまま、逝ったのだ。偶然にも家族全員が揃っていた。
祖母はお昼の焼きうどんを「いらないから孫娘(私)ちゃんのおやつにして」と言ったらしい。認知機能が低下してからずっと、祖母の中の私ははらぺこ児童なのだ。
主治医の先生は涙と鼻水まみれのアラサーに優しく声をかけてくれた。とても穏やかで、また泣けてしまった。
祖母の手や頬はほんのり温かった。兄と一緒に布団に横たえ、かわりばんこで手を繋いだ。
父親のない私たち兄妹に、祖母は「おばあちゃんの宝物」と毎日言ってくれたことを思い出す。
ありがとう、おやすみ。

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