2024/5/19:本を作ることは祈りに似ている

「文学フリマ東京38」に行ってきた。文フリは2回目。前回と同じように、やはり予算を大幅にオーバーして色々と買ってしまった。
たびたび思うところだが、やはり現場はいい。そこにしかない熱やエネルギーを感じるし、予期しない出会いもあったりする。わたしは溺れ流されるために東京に来た。これはいつも言っていること。

本を作るということについて。
言葉が不完全だということは明白すぎることだが、だからといって言葉を諦めることをわたしはよしとしない。自分の頭の中にあるものをアウトプットするのに言葉しかないのであれば、言葉を尽くしたいし、言葉は文になり、文は人の心に届く。届けるものがあるということは、それはその人が生きているということだ。

思想は透明化されている。本を作ることは祈りに似ているなと思う。
世の中に言葉は溢れているけれど、権威を帯びてしまうのはどうしても、著名人・有名人の言葉たちだ。
わたしたちは生きている。有名じゃなくたって生きている。何かを願ったり、面白いことを考えている。言葉を尽くし、文にする。装丁し、販売する。数知れぬ苦労の果てに、見も知らぬ誰かに届くように。それは祈りに似ているし、透明な思想はその瞬間に形を得る。

文フリ会場には沢山の人がいて、沢山の本が販売されていた。こんなにも沢山の人が生きている。沢山の人が、力を込めて本を作っている。それを買う人がいる。読んで、何かを想う人がいる。そういうエネルギーのやり取りが顕在化しておこなわれる場があるということ。とても嬉しいし、いつも感動をおぼえる。

やはりものをつくるということは素敵だ。ものをつくる人は素敵だ。そう実感した日だった。

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