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生活力のない男なんて

アラサー女子二人がそんなことを言っていた。
君のためにがんばって稼いでいるっていわれてもねぇ、と。
だって、私達もそれなりに稼いでいるわけだから、
君のために稼いでいるっていわれてもねぇ。
それで、稼いでいるから、家事はやってねって
いわれても……。
だって、同じくらいの時間仕事しているのに、
なんで、家事の負担は私の方が大きいの?
というのが、彼女たちの根本的な疑問? 不満?

一方で、女性側が非正規でカップル間に給与格差があると
家事をやってほしいという女性に
「じゃぁ、オレと同じくらい稼げよ」と開き直る
男も、相変わらずいるにはいるらしい。

例えばだけれど、
4年前のDodaのデータでいうと
30代男性の給与平均は484万円女性が377万円。
女性は男性の約8割。
じゃぁ、家事は女性5割、男性3割で負担しましょうっていうことに
なったら、
食事だけとったって、平日の朝夕2回の食事と休日2日の3回、
計16回のうち、6回くらいは男性が作ることになるわけで。
皿洗いも同じこと。
100歩譲って、女性側の給料が半分だとしても
16回の食事と皿洗いのうち5回は担当して当然ということになる。
っていう自覚がない男性が若い層でも多いのかなぁ。

ガッツリ稼ぐ系女子だと、ほんとにそんな男はいらないんですけど、
という話になりかねない。
「稼ぐっていわれて、生活費をちょっと多く出している
くらいじゃねぇ。それでこっちに家事やってってわけがわからない」
というのももっともな話で。

生活力のない男はいらない
という言葉で感じるのは、
自分から動けよ、といういらだちでもある。
全部こっちが指示だして動いているんじゃ、こっちが休まらないのだ、と。
先日1ヶ月我が家に泊まっていった友人は、
家事を手伝おうにも、のりこのペースもあるだろうから、と
最後に、トイレ掃除とお風呂掃除をやるね、と言ってくれて、
自分で100均でスポンジだのなんだの買ってきて掃除をしてくれた。
これはまぁ、彼女が一人暮らしで普段は家事をしているからこその
気遣いだけれど、共存するには、やっぱり、自分からできることを
見つけて動いていけるようでないとダメなのだ。

そして……指示待ち男子が多いのは、これは母親の育て方にも
責任がある、と思う。
指示とばされないと、やらない男達。
言われればやるよ、状態の彼ら。

私が残業の時は、彼が作ったっていいのに
なんで、洗濯物取り込んでっていわないと取り込まないの。
女子たちの話を聞きながら、自分の子育てをあれこれ反省。



得意技は家事の手抜きと手抜きのためのへりくつ。重曹や酢を使った掃除やエコな生活術のブログやコラムを書いたり、翻訳をしたりの日々です。近刊は長年愛用している椿油の本「椿油のすごい力」(PHP)、「家事のしすぎが日本を滅ぼす」(光文社新書)