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ガンバ大阪2020年レビュー

 12月19日をもって激動の2020シーズンが終了しました。幸いにも我らがガンバ大阪には天皇杯が残っていますが、とりあえず一つの区切りとして今シーズンを振り返りたいと思います。その前にまずはこのお話から。

日常を取り戻してくれた感謝を

 2月下旬から6月下旬に渡る長い中断期間を経て再開したJリーグ、もちろん感染者が出ての試合延期などもありましたが、終わってみればJ1〜J3全試合を無事完走。毎週のように贔屓クラブの結果に一喜一憂できる日々が戻ってきましたが、それは当たり前のことではありません。こと今年においては奇跡に近いことだと思います。

 思えばJリーグは緊急事態宣言発出前から、いち早くリーグ戦の中断を決断。再開の目処を立てては白紙に戻され、日程も大規模な再編を余儀なくされるなど、シーズンど頭からとんでもない負荷がかかっていたことと思います。それでも、このような状況下でもできるだけ円滑にリーグ戦が運営されるよう入念にプロトコルを練り上げ、リーグ再開以降も選手、コーチ陣、スタッフ、そして我々サポーターに感染が広がらないように準備を進めてくださいました。過密日程を加味しての交代枠5人制、非常事態下ゆえに生じ得る不平等をなくすための下部カテゴリへの降格を取り止めるなど、今季限りの特例措置の設定にも余念がありませんでした。

 改めて村井チェアマンをはじめとしたJリーグの方々、医療関係者の方々、各クラブのスタッフ、試合運営に携わる方々のご尽力、そして選手の皆様には感謝の念しかありません。1人のしがないサポーターではありますが、深く御礼申し上げます。

この動画見るたびにウルっとくる

2020シーズンを一言で表すなら

 さて本題。今季のガンバ大阪の成績は勝ち点65(20勝5分9敗)の2位。2017年から昨年までの低迷ぶりを考えるなら望外と言って差し支えない好成績でしょう。そもそも年間勝ち点で2位以内に入ったのも三冠シーズン以来6年ぶり。今季に限り上位2クラブにしか与えられない天皇杯の出場権も無事確保し、5年ぶりのタイトル獲得への挑戦権を得たという意味でも、満足のいく良いシーズンだったと思います。これで天皇杯も取れたらまさに望外のシーズンでしょう。大いに期待したいですね。

20勝の内訳は…

 一方で「よく2位になれたな」「なんで20勝もできたんだ…?」と首をかしげるガンバサポーター及び他サポがちらほら…。それもそのはず、20勝のうち1点差での勝利はなんと16勝。実に勝ち試合の80%がヒヤヒヤする展開をしのいで得たものでした。さらにルヴァン杯を含めた今季公式戦で3得点以上を記録したのはアウェイ仙台戦(◯4−1)のみ。「自分3点以上取らないと勝てないんすよねw」と、攻撃的サッカーの意味を履き違えた妄言を吐いた挙句J2に転がり落ちた2012年とは真逆の歩みですね。

 毎試合のように繰り返される先制パンチからの我慢タイム、主導権を握ったのも束の間、いつの間にか押し込まれてサンドバック状態、訪れた大ピンチをヨングォンの肉壁でしのいだり東口という名の神が降臨して救済してくださったり。。。毎年神がかっているけれど、今年に至っては神そのものでした。あ、あとスローガンGAMBAISMをもじって、「GAMBA is M 」なんかも言われてましたっけ…。とにかく、盤石の勝利とはあまり縁がなかった34試合でした。

「中身なき勝利」という評は適切か?

 無論、「今年のガンバは良かったとは言えない」なんて言うつもりは毛頭ありません。プロである以上まず求めるべきは結果であって、どんな形であれ勝利さえできればOKなのです。勝ったものが強いと称されるこの世界においては勝利こそ正義であり、勝てばよかろうなのです。そういう意味で、先制した試合で15勝3分0敗という強者ムーブをかました今季は素晴らしかったと思います。去年なら取りこぼしていた勝ち点を今季はしっかりモノにできた。そんな印象です。

 一方で表題のような批判が散見されたのも事実。正直、ここ数年の低迷ぶりを考えたら結果を残せているだけ上出来であるのに、評論家気取りでよくもまあそんな能書き垂れ流せるなとしか思わんのですが…。公式垢にくだらないクソリプ送り続けてるやつ、世界で最も無駄な行為をしてることに気づけ?

・・・話が逸れました。自称評論家どもはさておき、せっかく握った試合の主導権を相手に渡し、労せず勝てた試合で接戦を演じてしまうケースが少なくなかったのもまた事実。東口というスーパーなGKと、ヨングォン、井手口とこれまたスーパーな個の力でもって失点を防いだ場面も多かったことを考えても、「堅いことは堅いけれど、盤石の守備ではないよね」という所感はそれほど的外れではないでしょう。

 丁半博打で強引にアタリに持って行ったとでも言いましょうか。それができるのは強いチームの証ですが、毎試合のように繰り返せばさすがに疲弊してしまいます。楽に勝てる試合は楽なまま終わらせられるのも、強いチームになるための条件と言えるでしょう。

今年が新生ガンバ元年

 今年のサッカーでは、どんなに良くても2位が限界なんだろうなと思います。一発勝負ならともかく、継続的な強さが問われるリーグ戦で現在の川崎を上回るのは至難の技です。そもそも川崎は初優勝した2017年から、もっと言えば風間八宏が就任した2012年から現在のサッカーを構築して今に至る訳ですから。第二次黄金期を築いた長谷川政権に別れを告げ、GAMBAISMという旗印を掲げたばかりの我々が、たった1〜2年で彼らを上回ろうとするのは虫が良すぎるというもの。

 どこかのアホを除いて主力の途中流出がないままシーズンを戦い抜き、2位を勝ち取った今季こそが新生ガンバ元年であると思います。土俵際で粘って勝ちをもぎ取る強さを手に入れたのが今季だとすれば、来季以降身につけるべきは相手を寄り切って土俵からさっさと追い出せる強さでしょう。

 ガンバ復権への旅はまだ始まったばかり。無論やるからにはリーグ優勝を狙ってもらいたいですが、「去年2位だから今年は優勝しかない!」と鼻息を荒くする段階には来ていません。たとえ思うように勝ち点を積み重ねられなかったとしても一喜一憂しすぎることなく、チームが進化していくプロセスを楽しむ。そんなシーズンを期待したいですね。


天皇杯は別だけどな!!

絶対タイトルとりたい!!国立で笑おう!!以上!!!

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