変体仮名と、のだめクラシックコンサート

漫画「のだめカンタービレ」は、なんでも出来てしまうオレ様の千秋先輩が、なんとなく、なんとなくってなんだよ!!ムカつくなぁ、と、のだめの音楽の才能に半ば嫉妬、そして、通り越して、尊敬の念を持ちつつ、オレには、わからないが感覚的に音楽を捉えて楽しんでしまえるのだめに、完敗している感じがいいなぁと思う。
「何をやってるんだ、おれは、……」といいつつ、貴公子の千秋様がのだめの部屋を完璧に片付けてしまい、美味しい料理まで作ってしまう。
どう考えても、ひくて数多で、他にも相性のいい人がいそうなものの、のだめとすれ違いが続く中、これ以上すれ違わないで、すれ違っても、わかる目印欲しいもので、安心材料を手にしたいかのように、

「よし!今から指輪買いに行こう!!」

個人的には、「ケイゾク」の渡部さんみたいに、「しばたー、一生、頭を洗ってやるからな!!」みたいな、「SPEC」だと、「マヤマー……餃子くれてやる」(いずれも、実際にそんなセリフはありません)オレ様で決めて欲しかったなぁと思うけれど、完全にのだめに落ちました。の瞬間、はぁ……と、ため息が出ます。恋愛漫画では、このため息が出せたらよくて、ただし、これは、事前にお互いが気持ちをわかっており、合意を得た上での台詞ですね。

もちろん、BGMには、
♪たーらーらーらー(ああ、わたしの愛しいお父さん、あの方とてもいい人なの〜)

うん……。
そんな人いたらいいなぁ、まあ、現実には、そうそういません。だから、漫画に登場するわけですが……。

つい最近、「のだめクラシックコンサート」を配信で聴いていて、また、なんだか、ヒートアップ進化系。そして、エネルギッシュな演奏を聴いてしまったなぁ。と、アーカイブを、また聴いていた。「ラプソディー・イン・ブルー」を、ポピュラーに聴けるようになったのは、「のだめ」がきっかけだった。「ラプソディー・イン・ブルー」を初めて聴いてから、16年もたってしまったんだな。

ガーシュウィンのことをあまり知らなくても、「ラプソディー・イン・ブルー」の曲は聴いたことがある、という、こどもが増えたんではないかなぁと予想している。「のだめ」きっかけに当時、聴いていた我が子は、現在、18歳を過ごしているが、こどもの頃、聴いた歌、おじゃる丸やピングー、忍たま乱太郎、銀魂、ウルトラマン、仮面ライダー、ウルトラQ、暴れん坊将軍(これは漫画ではないけれど、時代劇はフィクション性の高いドラマでアニメーションに近いと思う)、などなど、いまだにさらっと主題歌が歌える。漫画やアニメーションの力は、こどものファンタジーを大事にしてくれるもので、今まで聴いたことがない歌や音楽をアニメーションの番組の主題歌やエンディング曲などになっていたら、聴けてしまうんだな。なんでだろ。

よく、こどもの頃聴いた「みんなのうた」で、アニメーションの映像と一緒に歌を聴いていて、いいなぁと聴いていた。そして、リアルな川の流れの映像と音楽が流れてくると、ブラウン管通して、急に現実に引き戻されていたことを思い出していた。なんででしょうね。

答えは、すぐに出なくてよいとして、漢字から平仮名に変わっていく間に「変体仮名」があります。なんだろうなぁ、これ、と、一文字見てもよく読めない文字だったりします。

でも、その文字は今も古典の文字と存在しており、「平仮名」へと変化を遂げた変遷を伝えてくれます。

ちょうど、それらは、クラシック音楽と現在進行形の音楽と未来の音楽に向けて変化を遂げようとするような「今」や、うごめく今を伝える角野さんの音楽のようだな、と、見ていて思った。

のだめの文字で、ラブレターをもらった子が不可解な顔をしていた。わたしは密かにほくそ笑んでいた。いたずらなのか、果たして笑わせるための愛なのか、そのごにょごにょ文字の連なりの真意を図りかねていた。人間の感情とは、不可解な時もある。発酵していく感情や、さらっと流れて行く感情もある。文字に書き連ねるのは、とどめておきたい感情や発酵させたいものなのかもしれない。

唐突に「ライブ行く?」と作曲家辞典を両手にした中学生に誘われるわたしは、ひとまず、音楽が好きな人と認識されたようで嬉しいのですが、その中学生が行きたいコンサートがクラシックのコンサートで、なぜか、ほっとした。

「変体仮名」は、感情を伝え合うための和歌を詠むために略し、気持ちを乗せた「平仮名」へ進化したのかもな、と、思うが、

音楽も配信等を駆使して人の熱量や感情を伝え合うものとして、進化するのかもしれないなぁ、と、思った。




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