作曲上達は自信を積み上げる作業
「作曲をやってみたい」というところに至る経緯はさまざまですが、ほとんどの場合なんらかの「理想の姿」があり、それにあこがれて作曲を始めるはずです。
そして、上手くいかないと悩むひとほどいきなりその「理想の姿」になろうとします。
でも当然のことながら、例えば今日スポーツを始めたばかりの人がいきなりプロになれることがないように、作曲も同じく「すぐにすべてが上手くいく」といようなことはありません。
こちらでそのあたりについて整理してみます。
まず「作れるんだ」という自信をつける
作曲上達のためには、まずとにかく「1曲を作りきること」を目指してみてほしいです。
なぜなら、たった1曲でも作りきるだけで「作れるんだ!」という自信がつくからです。
これは、つまりは「こんな自分でも曲が作れるんだ」という自信ですが、これは作りきったひとにしか得られない感覚だといえます。
作曲できる、というさらなる確信
1曲無事に作りきることができたら、その次に作曲を何度も繰り返して、続けることを意識してみてください。
そうすると、曲が1曲どころではなく2曲、3曲と完成していきます。
それによって、「やっぱり自分は曲が作れるんだ」というさらなる自信がつきます。
そして、何曲も作ることが大変ではなくやりがいを感じながらできるようになり、
という、ひとつ上の自信が持てるようになっていきます。
たくさん曲を作ればその中に満足度の高い、つまり自分なりにこれは結構いい曲だぞと思える曲が出てきます。
それによって、「作曲に向いている」という以上に「自分は作曲のセンスがあるのかもしれない」という自信がまたつきます。
曲を公開してみんなに聴いてもらう
そこから先は、いよいよ自分の曲を公開して誰かに聴いてもらう局面に進んでみてほしいです。
それによって聴き手からおそらくポジティブな反応が得られ、思っている以上に自分の曲がみんなに受け入れられたりします。
そうすると、今度は
「自分は本当に作曲をやるべき人間なのかもしれない」
「作曲は自分の強みなのかもしれない、自分の居場所はここなのかもしれない」
というより強い自信がついていきます。
明確な評価を得て「あこがれられる側」になる
さらにさらに、曲の公開を続けていると今度は聴き手の中でも特に実力があり実績がある人から、明確に高く評価をもらえたりします。
また、その評価の延長として作曲が仕事や収益につながったりもします。
それを通して、
と、すごく強固な自信を持てます。
もはやその頃には作曲できることが自分のプライドになっていて、曲作りが自分の武器や存在証明のようなものになっているはずです。
そして、冒頭で述べた「理想の姿」として「あんなミュージシャンに自分もなりたい」というあこがれの元、つまり「あこがれられる側の人間」になれます。
積み上げる期間が必要
多くのひとは、完全に作曲ができて作曲で評価を得ている最終形の姿のみを見て「そうなりたい」とあこがれます。
しかし、そこには上記で述べたように自信をつけるための「積み上げる期間」が必要です。
まず1曲を作り、曲作りを繰り返し、たくさん作れて、そこに満足度の高い曲が出てきて、曲を公開してみんなにポジティブな反応をもらえて、ポジティブな反応の中で本当に信頼できる明確な高評価が出てきて、それが仕事や収益につながります。
そんな流れで、作曲上達は自信を積み上げていくことで実現できるため、理想の姿にいきなりなろうとするのではなく、その「自信を積み上げること」を前提として曲作りに取り組んでみて欲しいです。
そして、上記で述べたいくつかのステップのうち、自分はいまどのあたりにいるんだろう、と考えることができればやるべきことが見えてきます。
作れる自信がまだないなら、まずは作りきることに専念して「作れるんだ」という感覚を得られるように行動すべきです。
また、「自分は曲を作れるには作れるけど、実際のところ作曲のセンスがあるのかな?」と考えているなら、たくさん作ることを経験して、曲作りにやりがいを感じたり、その中で本当に満足度の高い曲が出てきたりすることなどを通してさらに曲作りの自信をつけてみてほしいです。
さらには、「自分としては作れる自信もあり、作曲センスにも自信がある、けどこれが本当にみんなに受け入れられるのかな」と思っているなら、今度はそれを公開して、みんなに聴いてもらうことをやると自分の曲を聴き手がどう評価するかという点を確認できます。
そしてその延長として「これが職業になるのかな/これで収益化できるのかな/さらにもっとたくさんのひとに受け入れられるのかな」というところの自信をつけたいなら、
ライブ活動をして実際にお客さんを集めてみる
音源配信をやって収益化を目指す
なんらかの作家事務所的なところに応募をする
コンテストのようなものにエントリーをする
実績のあるひとにきちんと聴いてもらってアドバイスをもらう
などのステップに進んでいくこともできます。
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繰り返しになりますが、短期的に「理想の姿」になろうとすること自体に無理があります。
急激な変化を望むのではなく、少しずつステップを上がっていくようなイメージで活動に取り組んでいくと、無理なく成果を実現できるはずです。
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