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コード進行を作れるようになるには何をすればいいか?

日頃から作曲の先生として活動していると、「コード進行を作れるようになるには何をすればいいですか?」という質問をよく受けます。

実際のところそれにはいくつかのやり方があるかと思いますが、私の場合は特に効率的な二つのステップをお伝えしています。

その点について、こちらで改めて考えてみます。


コード進行を作れるようになる二つの方法

このページでテーマとしている「コード進行を作れるようになるためには?」という質問に対する私の回答は、

  1. ヒット曲のコード進行を真似して使う

  2. それを理論的に解釈する

という二つです。

恐らくこのやり方が一番効率が良く、かつきちんと技術が身につきます。

ポイントとなるのは

まずは真似から始める→その後にそれを理論的に解釈できるようにする

という手順です。

それぞれについて、これ以降で詳しく考えていきます。

1. ヒット曲のコード進行を真似して使う

コード進行を作れるようになるために、多くの人はいろいろな理論を学んだり、それも含めてとにかくゼロから自分の力だけで頑張ろうとしますが、私はそういった自力での努力ではなくまず「真似すること」をおすすめしています。

中でも、多くの人が知っているヒット曲のコード進行などはその題材として最適です。

ヒット曲のコード進行は、いわば「親しみやすいコード進行のお手本」のようなものであるため、そこに良いコード進行である理由のようなものが詰まっており、結果としてそれらが最良の学習材料になるのです。

そのまま使ってメロディだけを考える

上記で述べた「真似する」というやり方は、ヒット曲のコード進行をそのまま自分の曲に流用することを指します。

ただ、メロディまでも同じようなものにしてまうと完全なるコピーになってしまうので、メロディのみは自分で考えるようにします。

■流用したコードのうえにメロディを乗せるコツ

コード進行が事前にあっても、その上にメロディを乗せることが困難だと感じる方は多いはず。

この点については以下のページにてコツをまとめているので、参考にしてみてください。

いくつかの曲を「流用したコード進行」で作りきる

上記の手順を通して実際に曲を完成させ、それを何曲か繰り返せると望ましいです。

曲はきちんと完成まで作り切り、かつそれを何曲も経験することでさまざまなコード進行のパターンを「使った経験」として蓄えられるようになります。

もちろん、コード進行の一部に自分のオリジナルな構成を含むのも問題ありません。また例えば「Aメロは自分で作る、サビのコード進行だけ他から流用する」というやり方も良いです。

2. 作った曲のコード進行を理論的に解釈する

ここまでに述べた「真似すること」を経て、次のステップとしてそこに理論的な解釈を入れていきます。

「コード進行を作れるようになる」を実現するためにはこの理論的な解釈が重要で、なぜなら理論とは「仕組み」や「構造」であり、それを把握できることが「コード進行を作れる(生み出せる)」という技術や感覚につながっていくからです。

理論的知識の身につけ方

理論的な解釈を行うためには、当然のことながら理論の知識が必要となります。

理論を学ぶうえでは

  • 基礎をきちんと学ぶ

  • 少しずつ順を追って知識を入れる

という二点がポイントとなります。

難しい理論もすべては基礎という土台の上に成り立つものであり、基礎をしっかりと身につけ、自分のペースで学習を進めていくことで無理なく理解することができるようになります。

音楽理論を学ぶコツや、実際どんな内容をどこまで、どんな順番で学ぶべきかという点については以下のページにて整理しています。

理論的な解釈の方法

コード進行の理論的な解釈にはいくつかの方法があります。中でも私がおすすめしているのが、コードそれぞれを

  • ダイアトニックコード

  • ダイアトニックコード以外

という二つの観点によって分類するやり方です。

▼関連ページ

「ダイアトニックコード」は、キーに沿ったコード進行を作るうえでの主軸のような存在だといえます。

コード進行をまずダイアトニックコードの観点から紐解くことで、キーに基づいたコード進行の骨格のようなものを明らかにすることができます。

そしてそれが「コード進行の構造を理解する」ということにそのままつながっていきます。

■ダイアトニックコード以外のコードについて

そのうえで、多くのコード進行の中にはダイアトニックコードから外れたものも含まれるため、理論的な解釈をさらに発展させ、

ダイアトニックコードに含まれないそれらのコードが、どのような観点からそこに組み込まれているか?

という点を考えていきます。

慣れていない人にとってはここがひとつの壁となりそうですが、ヒット曲のコード進行で扱われている「ダイアトニックコード外のコード」にはある程度のパターンがあります。

中でも、

  • セカンダリードミナント

  • ♭III、♭VI、♭VII

  • サブドミナントマイナー

  • ディミニッシュコード

などの手法は頻繁に登場するため、まずこれらについて理解しておくだけでも、コード進行の理論的解釈の幅を広げることができるはずです。

それぞれについて、以下のページを参考にしてみてください。

理論的な解釈は「コード進行の分析」

ここで述べている「コード進行を理論的に解釈すること」は、見方を変えれば「コード進行を分析すること」ともいえます。

実際に使ったコード進行を分析的に紐解く行為を繰り返すことで、次第にその骨格が見えてくるようになります。

それによって、親しみやすいコード進行の構造が複数把握できるようになり、いろいろなパターンの構造が理解できることで、それをそのまま活用したり、またそれらを組み合わせたり変形させたりして独自のコード進行を作り上げることもできるようになっていきます。

【補足】分析はコード進行を作れるようになるためにとても効果的なので、暇を見つけてはいろいろなコード譜に目を通すようにして、日常的にそれらを理論的な観点で解釈することにも取り組んでみてください。

まとめ:コード進行を構造で理解することが大切

以下は、ここまでのまとめです。

  • ヒット曲のコード進行などを、そのまま自分の曲に流用しつつ曲を作りきる

  • 実際に使ったコード進行を理論的に解釈する

  • コード進行の理論的解釈には「ダイアトニックコード/それ以外」という視点を入れる

  • 理論の学習を並行して行い、理論的解釈(分析)をより深くきちんと行えるようにする

ここまでに述べた内容のうちポイントとなるのが

  • コード進行の響きや雰囲気を体感する(=使う)

  • コード進行を構造で理解する(=分析する)

という点で、「使う」「分析する(理論的解釈)」という二つの手順を示したのはそのような理由からです。

またこれは、裏を返せば、

  • ただ既存のコード進行を流用するだけでは不十分

  • ただ理論を学ぶだけでは不十分

というところにもつながります。

お手本を上手に取り入れつつ、またその際にきちんと分析的視点を入れることを忘れず、理論の学習なども併用しながら作曲を繰り返していけばコード進行を作れる技術は自然と向上していきます。

ぜひ楽しみながら、取り組んでみてください。

(終)


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