見出し画像

センスや知識よりも作曲に必要なもの

「作曲するのに必要なもの」として、特に環境面ではいろいろなものを挙げることができますが、それと共に本人の中に備えておくべきものとしては

  • 音楽を作るセンス

  • 音楽を作るための事前知識

などが真っ先にイメージされがちです。そして、

  • 「自分にはセンスがないから…」

  • 「自分は知識がないから…」

などと考えて切ない気持ちになってしまう人も多いはずですが、私としては、特に「曲を作りきる」という点に絞っていえばその「センス」や「知識」よりももっと必要なものがあると考えています。

それは、

  1. 「意欲」

  2. 「集中力」

のふたつです。

こちらでその点について少し詳しく書いてみます。

※当記事はこちらのポッドキャストの内容を編集/再構成したものです。


「意欲」と「集中力」さえあればなんとかなる

はっきりいって、作曲するうえでセンスや知識はそこそこあればまずは問題ないです。知識は基礎レベルで十分だし、より細かいことをいえば、「音楽ってこんな感じだよね」というところがわかっていればそれで十分です。

また、センスはないよりあったほうがもちろんいいですが、それもひと並みで十分です。

冒頭で述べたように、センスや知識がその程度でも、「意欲」と「集中力」さえあればなんとかなります。「なんとかしようと奮闘できる」という表現の方がより正確かもしれませんが、その結果としてなんとか曲にできてしまうことがほとんどです。

その反対に、センスや知識があっても、意欲と集中力がなければ多くの場合曲は完成せず、なんとなくそれっぽい「曲のかけら」のようなものができて終わりになってしまいます。

作品ができればその分満足感が高まり前進できて、一方で作品ができなければ不完全燃焼な気持ちだけが溜まっていって前進できずに停滞します。

好ましいのは、いうまでもなく前者です。

一般的には、作曲をやりきるために「センスを磨いて、頑張って知識を蓄えて、準備して…」という行動をとりがちですが、作品を作り満足度を高めて活動を前進させるというところを重視すなら、上記の理由からセンスや知識はまず後回しでいい、というのが私の考えです。

それよりも「意欲」を高めることと、あとは作曲にどんどん取り掛かって、そこで「集中力」を発揮しながらとにかく思い切って作る、という点を特に意識すべきです。

「意欲」と「集中力」を高めるコツ

上記を踏まえて、では意欲を高めるうえでどんなことに取り組むべきかといえば、これについては圧倒的に

「良い音楽を聴く」

という行為をおすすめできます。

純粋にいちリスナーとして音楽を聴いて「ああ良い曲だな~」「これ自分も作ってみたいな~」という気持ちを持つ、ということで、日常的に良い音楽をたくさん聴いて、その聴いた音楽で感動することが必要です。

現在はサブスク音楽サービスでいつでもたくさんの音楽が気軽に聴けるため、その環境を活用してとにかく音楽を聴くことを欠かさないようにしてみてください。

あわせて、楽器で音楽を演奏する行為も意欲を高めるのに効果的です。演奏にによって音楽の構造を体感することになるため、それを繰り返すことが創作欲求を刺激することにもなるからです。

弾き語りをやったり、単にギターやピアノを演奏する活動も日常に取り入れることをおすすめします。

【メモ】少し本質的ですが、実際のところ作曲の意欲は曲を作りきることによって湧いてくるものともいえるため、それゆえに、根本的に日々創作するモードに入ることが意欲を維持するために最も必要とも考えられます。

「集中力」に必要なもの

作曲に必要なものとしてもうひとつ挙げていた「集中力」に関しては、「実際の作曲の中で集中する」ということを意味するため、とにかく作曲を始めて、その間にきちんと集中できる状態を作ることが求められます。

具体的には、

  • 作曲する環境と時間を設ける

  • 集中力を途切れさせるものを遠ざける

などが考えられますが、特に環境は重要であるため誰にも邪魔されない自分だけの場所と時間が用意できると望ましいです。あわせて「〇時から〇時は作曲しかしない」というように、時間を区切るのもおすすめです。

その間に気が散るものを遠ざけて、ネットを遮断して、他にもテレビやスマホなどの音が出るものから離れて、完全に部屋を無音にして、いわゆる「山ごもり」のように集中できると理想的です。

DTMを使って作曲しているひとにとってネット環境から離れることはなかなか難しいものがありますが、それでもブラウザを開かないようにすることはできるはずです。

自分を認める

集中力を高めるために思いのほか大事なのが「自分を認める」ということで、

「自分はいますごくクリエイティブなことに取り組んでいる!」

という自己暗示的な感覚で作業に没頭できると良いです。

それによって作っている曲がすごく好きになって、「これは良い曲できるぞ!」と作曲に前のめりになることでそれが集中力につながっていきます。

【メモ】作っている自分の曲で、「作り手としての自分」と「聴き手としての自分」が同時にワクワクしてるような状態で、「はやく作って完成版を聴きたい!」というモードに入れると、必然的に集中できるようになります。

また、上記に近い理由から「聴いてくれる誰かをイメージすること」も集中力を高める効果があります。

身近なひとや、純粋に自分の曲を聴いてくれる聴き手のみなさんのことを思い浮かべ、

  • 「これを聴かせたらみんなどんな反応してくれるかな」

  • 「これ喜んでもらえるかな、早く聴かせたいな」

などとその反応をイメージできると、同じように「早く完成させたい」という気持ちが高まります。

基本的には短期集中

さらには、それでもやはり集中力は長くは続かないため、基本的にダラダラ曲作りをやらず、期限や時間を区切り、その間に持てる力を出し切って一気に作りきる、という姿勢で取り組めると望ましいです。

特に、作曲レベルの成長期ともいえる初心者~中級手前あたりまでの時期では、曲作りに長々と時間をかけるより短期集中でやることをおすすめします。

当然のことながら、それによってただ雑な曲ができあがるだけでは意味が無いため、あくまでも丁寧に、きちんと考えてより良いものを作ろうと頑張りながらも、短期集中を意識してみて欲しいです。

作曲活動をとにかく前に進めていきたい、と考えている場合には、ぜひこの「意欲」と「集中力」のところを重視してみて下さい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?