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「曲が作れない」と悩んでいるひとにおすすめの切り分け作業

曲を作ることに苦労している場合、そこにはいくつかの原因があり、それによって取るべき対応も変わってきます。

上記を前提としつつ、

「どのあたりに原因があって作れないのか」

という点を切り分けるための方法についてこちらで少しご紹介してみます。

※当記事はこちらのポッドキャストの内容を編集/再構成したものです。


切り分けの具体的な方法

冒頭で述べた「曲が作れない原因を切り分ける方法」としておすすめできるのが、

「シンプルな童謡(=子供向けの曲)を30分程度ですぐに作れるか、を試す」

というやり方です。

メロディとコードのみで1曲作りきる

これを実施するうえでのポイントになるのが、あくまでも「童謡(子供向け)」という前提が付いている点で、それゆえにメロディを親しみやすく、わかりやすく、子供でも楽しめて、もっといえば歌いやすくすることが求められます。

コードの展開や曲構成も、子供が聴いてすぐにすんなりとわかるようなものにする必要があり、また飽きさせないように曲自体も短くすることになります。

さらには「30分くらい」という時間制限をつけているところもポイントで、短い時間の中で「童謡としての要件」をきちんと理解して、求められるものを作りきる技術が必要になります。

もちろん、ここにきちんとした歌詞をつけるとさらに時間が必要になるので、歌詞はさておき(ひとまず「らららー」や「ふふふーん」のような状態で問題ないため)「メロディ」と「コードの展開(=ハーモニー)」と「曲構成」がわかる状態を目指してみて下さい。

ギターやピアノが少しでも弾けるひとは、弾き語りの状態で曲の始まりから終わりまで作りきって歌えるところを目標にすると、完成形をイメージしやすいはずです。

この企画をすんなりと乗りこなせる場合

上記の作業に取り組んで、30分以内という制限時間を守りながらすんなり曲を完成させることができたら、そこから「曲作りの基礎が身についている」ということがわかります。

より具体的にいえば、

  • (子供でも理解できる)「親しみやすい/歌いたくなるようなメロディ」「コードの流れ」「曲構成」を実際に音楽にできる

  • 生み出したものを1曲にきちんとまとめあげられる

というところから、

  • 「音楽とはこういうもの」という基本的なイメージができている

  • 音感がある

  • 曲をきちんと作りきるための集中力や自信がある

  • 作りきるまでの手順や力の入れ具合もわかっている

などがわかります。

これをもとにすると、普段「作れない」と悩んでいるその原因が少し見えてくるはずです。

例えば、

  • 基本的なメロディならすぐに作れる→でももっと印象に残る良いメロディにしたい、それができない

  • 親しみやすくて心地いいと感じるコードの流れは組み立てられる→その延長にある、耳に残るコードのサウンドを見つけることに苦労している

などがそれにあたりますが、そこから、この場合の「作れない」を解決するためにその基本の先にあるようなメロディやコード進行や曲構成を生み出すためのインプットを増やしたり、新たな手法を身につけたり、発想を柔軟にすることを目的として曲分析をすることなどが対策として検討できます。

【メモ】普段抱えている「作れない」という悩みが、より正確には「凝ったものが作れない」という悩みだとわかる、ということです。

マインドに原因があるケース

あるいは、このタイプに相当するひとは自分にダメ出しをしすぎていることも考えられます。

  1. シンプルな曲はすんなりと作れる

  2. そのうえでそれを乗り越えるような印象深い曲を作りたい

  3. けれど自分が作るものに納得ができないために曲を作れない

という階層がそこにありますが、「技術がなくてできない」というよりも自分自身へのダメ出しが強すぎてマインドとして先に進めないような状態にあるため、インプットを増やしても根本的な解決にはならず、ダメ出しを続けている限り永久にその「作れない」をさまようことになります。

この場合には、曲作りの内容よりも作業の外枠を固めたり土台そのものを見直したりすべきで、

  • 曲作りの目的をはっきりさせる

  • 誰かと一緒にやってみる

  • 意欲を高める行動をとる

などを通して、そのマインドの部分をクリアにするのがおすすめです。

いずにせよ、こちらでご紹介している方法(「シンプルな曲なら作れる」という事実)によって技術が身についていることはわかるため、それまでよりも冷静に打開策を探っていけるようになるはずです。

この企画に難しさを感じる場合

一方で、上記で述べた「童謡を作る企画」に取り組んでみて、30分をかけても曲を作りきることができなかった場合には、現状抱えている「作れない」という悩みの原因が作曲の基礎にあるとわかります。

  • オリジナルなメロディを出せない

  • コードをつなげることができない

  • 曲を作りきるだけの集中力がない

などは体感としてわかる代表的なところで、さらにはこの企画を通して

「曲作りに対する意欲自体がそこまでないかも…」

ういうことまでわかります。

そこから、その明らかになった原因を前提として、それに応じて対処していくことができますが、例えば

  • メロディを出せない→日ごろから鼻歌を歌うようにしてメロディを思い浮かべる練習をする

  • コードがわからない→日常的に弾き語りをたくさんやってコードの展開をたくさん知る

  • 曲作りの集中力がない→集中力を阻害するものを減らす/作りきる経験を積んで自信をつける/意欲を高めるような音楽をたくさん聴く

などがそれにあたります。

また、「作曲の欲求がそもそもそこまでない」とわかったら、作曲に取り組むのはやめて、例えば「楽器を弾く」とか「歌う」とか「DJをやる」など、その他の表現で音楽に触れるように軌道修正したりすることもできます。

自分の立ち位置を知る

ここで述べている「童謡企画」のもとになっているのが

「できるひとはシンプルなものならすんなりと作れる」

という論理です。

本当にやれるひとは、短くてシンプルなものをいとも簡単に作れるもので、それは「技術」「自信」「熱意」など、あらゆる面からいえることです。

裏を返すと、「短くてシンプルな曲が作れない」という事実を通して、作りきるだけの「技術」や「自信」や「熱意」が足りていない、ということになり、それによって「より規模の大きな曲が作れなくて当然」ということがわかります。

現在、漠然と「作れない…」と悩んでいる場合にはまずこの「童謡企画」に取り組んでみて、それによって自分の立ち位置や、どこでつまずいているか、という点を明らかにしてみて下さい。

それに応じた対処をしていくことで、より効果的な対策や、意味のある改善ができるようになっていくはずです。

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