響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~

僕の妻は小中高と吹奏楽部で青春時代を部活に捧げてきた。だからかテレビで高校の吹奏楽部が特集されたりなんかすると大体感動して泣いている。生理中で体調が悪い時はYouTubeで吹奏楽部の演奏やマーチングバンドを観て心を鎮めている。そんな妻のことを「吹奏楽がよっぽど好きなんだな」なんて思いながら見てたけど、この映画を観てからそれは特別なことではないんだと気付かされた。
コンクールに出るのが1校あたり約50人、出れない人がその倍、コンクールに出場する学校は何校あるのか。とんでもない人数が吹奏楽に情熱を捧げている。それも毎年。努力して報われたり、報われなかったり喧嘩したり涙したりしてる。いたるところに青春がある。

僕は学生生活を部活動に捧げてきたわけではなくて、何もかもが中途半端だったけど、そんな僕にもこの映画は響いた。"頑張って努力しても報われないことはある。何にもならないかも知れない、それでも何かあると思って頑張ってる。"そんな台詞を主人公の子が言っていた。みんなどこかで挫折するし、世界の主役は自分じゃない。うまくいかないことのほうが多分きっと多い。みんながみんな何者かになれるわけじゃない。どこかでそれに気づく。でも努力をやめない。それが何かに繋がると信じてる。もがいてもがいて、努力してる人たちは美しい。

学生時代、頑張っている人たちを冷ややかに見るんじゃなく、何かに打ち込むべきだったなとずっと後悔している。そんな自分でも青春を追体験させてもらえた、素晴らしい映画だった。何かに打ち込んできた人はもっと刺さるだろう。エンドロールが流れた時、横で見ていた妻を見たら案の定泣いていて少し笑った。



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