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音#0 アナク/フレディ・アギラ

前置き

 音について書こうと思っている。
 「音楽」ではなくなぜあえて「音」かと言うと、私はいわゆる「音楽」ではなく雑音騒音環境音自然音等のいわゆる「ノイズ」の類も好きでいろいろな音を聴くし、現在諸事情でお休み中ではあるけれどもそういう音をライヴで演奏するような活動もする関係上「音楽」と言ってしまうと時々ちょっと世間一般の認識から逸脱した感じになる可能性があるので、ここは緩い括りで始めてみようと思ったわけである。
 と、ちょっとマニアック風な事を書いてはいるが、音の事を書き始める場合に「初めて買ったレコードの紹介」みたいな事が良くあって、こういう極々一般的な書き始めというものはマニアックではないし、珍奇な音を聴いたり演奏したりする立場として紹介する音楽も珍奇でなくてはならない。みたいな気持ち・感覚は私には全然ないのでありきたりな形を踏襲したいと思う。

初めて買ったレコード

アナク~息子よ/フレディ・アギラ

 あくまでも記憶にある範囲、という事なのだが。
 「アナク~息子よ/フレディ・アギラ」
 おそらくこれだと思う。
 思うのだけど、もう遥か昔の話だしそのレコード自体がどこにしまってあるのかも今はよくわからない。売っ払ってしまったのかもしれない。そもそもなぜこのレコードを買ったのかもよくわからない。でも曲自体は良く覚えているのでそれなりに聴いてはいたのだと思う。
 このフレディ・アギラという人、フィリピンの歌手でこの曲がヒットして有名になったようで、実際この曲は世界中でカヴァーされているらしく、日本でも杉田二郎や加藤登紀子がカヴァーして音源の発売もされている。


 であるにも関わらず私が買ったのは杉田二郎や加藤登紀子ではなくフィリピンの言葉で歌われていて訳詞を読まなければ何を言っているのか皆目見当もつかない原曲のレコードで、発売年から察するに中学生。いくらなんでもちょっと渋すぎるチョイスのような気がする。
 ただ、高校入学時に買ってもらった国産エレキギターが私の音楽活動の始まりだったので、その直前である中学生のこの時期に音楽に興味を持ち始めた事は間違いないのだと思う。
 それがアナクだったのか?
 なぜアナクだ?
 なぜフレディ・アギラなのだ?

 高校入学時にはもうラジオでハードロックを聴いていて、おそらくアナクの次に買ったレコードがKISSのデトロイトロックシティか何かだと思うので、アナクからの数か月の間に私の音楽の趣味がフィリピン歌手の弾き語りからアメリカのハードロックに跳躍したのだと思われる。

 「初めて買ったレコード」というありきたりなカテゴリーで開始しようと思った音の話なのだがむしろ「?」が点滅してしまってとりとめのないまま。

自由律俳句

学校から帰宅した私
窓から差し込む夕の強烈な直射日光に目が眩む
眩暈
昨夜
聴き終わって剥き出し放置のLP盤は炙ったスルメの様に丸く反って

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