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【現代詩】「output」#2

目の奥の脳の奥の視神経の先端がしんしんと音を立てて聳え立つような違和感それは船が舟がフネが漕ぎ出されるその瞬間に女はまるで君を食い殺すような目をして立つそれと似ている決まりのなく明日のない女と男の物語の中に猫が出てきて俺は座り喉を焼くのだガラガラの詰まった喉を焼いて声を美しい魔の人魚の歌声と共に裂いてしまおうコトやがて切り開いてワタを抜いてどこまでも具合の悪い体をなんとか引きずり歩く歩く歩く歩く泣く泣かぬだが想いを届けるまではそれまではこうして気が遠くなる瞬間が何度訪れたとしてもそんなことは無視して便器にまたがりただ吐き出して棄てる文句があるか

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