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#ペットショップに行く前に って? 【その弍】

こんにちは!
今回もご訪問いただき、ありがとうございますmm

この記事がはじめましてという方は【その壱】からお読みくださいね!

前回の記事では、
「#ペットショップに行く前に」という#の真意を探るべく、ペットビジネスの過程で商品となる犬猫/なれない犬猫が選別されて起こる負のサイクルのお話をしました。

今回は、そのサイクルの中で犬猫の親子それぞれにどんなことが起きるかをお話できればと思います。

【その弍】

ー子供に起きることー


ペットビジネスのサイクルの中で産まれた子供たちの多くは、一言で言うと、生後すぐに母親から離され複数回輸送されることで死亡率が上がり、生き抜いたとしても必要な栄養や愛情が不足します。
それがどういうことなのか、詳細をご説明しますね。

①販売までの道のりとその環境

日本で販売されている子犬子猫は、以下のような経路で流通されている場合が多いです。

【 流通経路 】

繁殖業者(または個人業者・一般個人)

競り市、ペットオークション(または卸売)

ペットショップ(またネット販売・移動販売)

購入者

※上記の矢印は、下向きだけとは限りません。例えば、競り市から卸売にいったり、ペットショップから移動販売にいったり、繁殖業者をペットショップ自体が兼ねていたりと、業者間を子犬子猫が転々と移動する場合もあれば、上記の役割を1つの業者が兼任している場合もあります。


また、大手のペットショップのようにチェーン展開の場合は、競り市等で仕入れたのち、すぐにはペットショップに行かず、いったん一箇所に集約されたあと、日本全国の店舗へ輸送されていくのが一般的だそう。

つまり子犬子猫は、生後まもない時期に母親から離されたのち、複数回飛行機やトラックでの移動を経験することになります。

ここで前回もお話した、コスト問題が出てきます。
業者は売上をあげたい=過程でかかるコストは1円でも安くしたい。
しかし飛行機やトラックを動かすには費用がかかります。
するとどのような工夫をすると思いますか?
飛行機やトラックの稼働は少ない方がいいので、一度に一匹でも多く運ぼうとします。
移動環境への配慮よりも、犬舎同様にコストを優先するでしょう。
結果、一匹あたりの充分なスペースが保たれずに、場合によっては重なり合ってしまい、下になった動物は圧死してしまいます。
そしてそういった過密な密閉空間を繰り返すことで病気が蔓延し、ストレス過多や体調不良、時には死亡する子犬子猫が出てきます。
(詳細は②)

また、ご存知の方も多いと思いますが、飛行機に乗る際、基本的に動物は荷物と同じ扱いのため貨物室に入ります。

大手航空会社ANAのHPには、十分な配慮はするものの、日常生活とは大きく異なる輸送環境はペットの健康状態に様々な影響を与え、衰弱、もしくは死傷することがある旨や、貨物室は照明が消えて暗室になる旨、空調はついているものの客席とは環境が違う旨、 特に夏場は気温や反射熱の影響を受けて高温になる場合もある旨、機械操作音や風切り音、移動中は航空機や地上車両など様々な音がする旨等の記載があります。

ここまで詳細に書かねばならないほど、動物にとって飛行機での輸送環境は過酷な状況になるケースが多々あるということだと思います。
(参照:ANA快適で安全な空旅のために

大手の航空会社でもここまで注意を払っている動物の扱いについて、犬猫を命ではなく商品として扱う販売業者がどのように輸送しているかは、なんとなく想像がつくかと思います。

こうした道のりをどうにか生き延びてきたのだと知って以降、ペットショップに並ぶ子犬子猫たちを見ると、本当によく頑張ったねと労いの気持ちになります。
(もちろん全匹が辛い思いをしてきたわけではないと思いますが)



まだ①なのに、少し長くなってしまいました。。
ここで少しブレイクも兼ねて、余談を交えたお話をさせてください。

日本の大手航空会社では一部の短頭種※は飛行機に乗れないのをご存知ですか?

※短頭種
マズル(鼻から口にかけての部分)を短く品種改良された犬種
「短吻種(たんふんしゅ)」とも呼ばれる。
頭蓋骨の幅と比較したマズルの長さで、短頭種・中頭種・長頭種と分かれる。
(例)
ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、パグ、ボストンテリア、ブル・テリア、
シーズー、キングチャールズ・スパニエル、ペキニーズ、ボクサー
チワワ、ヨークシャー、ポメラニアン、マルチーズなども短頭種に分類される

※同じ短頭種でも航空会社によって搭乗の判断は分かれており、ANAもJALも通年でNGなのがブルドッグとフレンチブルドッグ。
また、どちらの航空会社もチワワ、ヨークシャー、ポメラニアン、マルチーズは搭乗可能(2021年1月時点)。

短頭種に代表されるブルドックやフレンチブルドッグは、ぺちゃんこの鼻とだぶだぶとした皺が特徴的でペットとして人気の犬種。
一方で特有の病気の知識や世話などが必要であり、予め予備知識を持って飼うことが重要な犬種でもある。
(例)
・マズルを短く改良されているために他犬種よりも呼吸がしにくい傾向にあり、短頭種症候群と総称される呼吸器系の病気を多く発症する。
・原種の時マズル部分にあった皮膚は品種改良を重ねることで余り、顔面に皺を形成している。この皺には菌が繁殖しやすいため、定期的な掃除が必要。
・軽度の短頭種も、熱中症になりやすい、歯並びが悪いなどの傾向がある。


なぜ飛行機に乗れないのかという理由をお話するために、まずは犬の体温調節の方法からお話させてください。

犬は人間のように体中に汗腺があるわけではなく、汗腺は肉球や鼻の頭などごく一部にしかないため、体温を下げることが難しい生き物です。
※ちなみにアポクリン汗腺という油状の汗が出る汗腺は全身にあります。ずっとシャンプーしないと野生臭くなるのは、このドロッとした汗が原因!

よく「夏場日中の散歩は危ないので控えた方が良い」と言いますが、これは、犬は人間よりも低い位置にいるため高温になったアスファルトの上で肉球が焼けてしまったり、照り返しの影響を直に受けてしまうといったこともありますが、何よりも言いたいのは、犬は人間のように汗をかき体温を下げるということが出来ないからです。実際に私の勤務病院の患者様でも、数分間外で遊ばせた結果、熱中症で亡くなってしまった犬がいました。たとえ本人が楽しそうにしていても、夏場の屋外は本当に危険だということを知っていただきたいです。

では犬がどのようにして体温を下げるかというと、パンティングをして下げます。パンティングとは、口でハァハァとする呼吸のことです。口から体の熱を放出して、体温を下げます。

ただ、上記で注訳したように、短頭種はマズルを短く品種改良されているため、生まれつき他犬種よりも呼吸がしにくく、パンティングが多い傾向にあります。
(品種改良が生み出す弊害については、また別の記事でお話しできればと思います。)

そのため飛行機という日常生活とは異なる環境下に置かれた際に、そもそも呼吸がしにくい状態であるのに更に緊張やストレスがかかり、低酸素症など呼吸器の問題を起こしてしまう可能性が高いのです。
またそういった環境下で過度なパンティングを続けると、臓器に負担がかかることで逆に体温が上がってしまい、熱中症にもかかりやすいと言われています。

短頭種は上記のようなリスクが多いため、万が一を考慮し、飛行機に乗ることができません。


余談を終了します。




ここまで、販売に至るまでの道のりやその環境をお話してきましたが、販売まで辿り着くことができずに死亡してしまう子犬子猫のお話もさせてください。

何故わざわざ分けてお話したいかと言うと、
冒頭に載せた、現在日本のペットビジネスで採用されている子犬子猫の流通方法『競り市でのオークション形式』は、他国ではほぼ採用されていない日本独自の形式であり、この形式を中心とする複雑な流通形態によって、年間数万単位の犬猫が死んでいるからです。

その死亡数は、無視できないものになってきています。

②流通過程での死亡

繁殖から流通・販売までの過程で、2018年は犬猫合計で2.6万匹が死亡したことが朝日新聞の調査でわかっています。
これは流通量全体の約3%にあたるそうです。
(参照:朝日新聞デジタル2020年4月記事

同社が入手した大手のペットショップチェーンの22ヶ月分の死亡リスト(2015年4月-2017年1月)を分析する限り、下痢や嘔吐や食欲不信などの症状が死亡につながっているケースが多いようです。
なお死亡数には寿命・死産の数や繁殖犬の引退数は含まれていません。
またその死亡リストからは、感染症が広まっている様子も見てとれたそうです。
(参照:朝日新聞デジタル2017年5月記事
※一部有料記事

なぜそんなに大勢の子犬子猫に下痢や嘔吐や食欲不信の症状が現れるのか?
それらの症状は、繁殖業者の飼育環境や、前述したような輸送環境が引き起こすストレスが起因していると言っていいと思います。

猫を飼っている知り合いから「ペットホテルに預けたら同じ餌なのに下痢が続くようになった」「環境が変わるとストレスなのかトイレをわざと外す」という類いの話を聞きますが、猫はもちろん、犬も特に幼少期は環境の変化に弱い生き物です。
複数回の移動で環境が変化するだけでもストレスを感じますが、更にその環境が劣悪なものだとすると、下痢や嘔吐、食欲不信になるのは無理ないなと感じます。

また犬猫の感染症は、感染力が強いもの、死亡率が高いものが多くあります。
感染症については、また少し本題から逸れてしまうので、記事の最後にいくつかご紹介するに留めますね。
ただ1つだけ確かなことは、
事前の定期的なワクチン摂取や不妊去勢手術によって感染病を予防し、救える命があるということです。
ほぼ室内飼いだからという理由でワクチンを打たないと、とっさの時に可愛い我が子を守れません。
また不妊去勢手術については様々な意見があると思いますが、少なくとも猫エイズという脅威から守る一手段であることは確かです。
(勿論100%ではないですが)

もしご興味があれば、記事の最後をご覧ください!


再び少し話が逸れましたが、
流通過程での死亡数などの数字については、実際は、カウントの定義が曖昧なため重複してカウントされていたり、そもそも悪徳業者が正しく申告しているか怪しい、申告しているのかも不明なため、この数字は信用ならないと思う人もいるのではないかと思います。

しかし少なくとも、多少の増減があるとしても申告のある規模数の犬や猫が死んでいるのは確かで、それが数万匹に及んでいるということは事実だと思うのです。


2018年(平成30年)のデータでは、

全国の保健所で殺処分になった犬猫は約3.8万匹
それに対して流通過程で死亡した犬猫は約2.6万匹

(参照:環境省統計資料朝日新聞デジタル2020年4月記事

犬に関しては、殺処分数よりも流通中の死亡の方が多いと言います。

ペットブームが続く日本が抱える犬猫の問題は、
もう保健所の殺処分だけを減らせば解決する問題ではなくなっていることが分かります。



もう少しだけ、販売までの道のりを生き抜いた子犬子猫の健康状態についても、お話させてください。

前回お話したように、子犬子猫は小さければ小さいほど売れる確率が上がります。
そのため繁殖業者は、生まれた子犬子猫を1日でも早く販売ルートへ出荷しようとします。出荷されるということは、母親や兄妹から離され、冒頭でお話した販売までの道のりを飛行機やトラックで複数回移動するということです。

すると、どうしても不足するものがあります。

③母乳について

母乳には免疫物質をはじめとした栄養が多く含まれています。
生まれてまもなくして母親から離された子犬子猫は、それらを充分に摂取することができず感染症にかかるリスクが上がります。

④社交性について

猫もそうですが、特に犬は幼少期の環境で性格の大部分が確定します。
幼少期に母親へ充分に甘え、兄弟と沢山遊ぶことで、多くのことを学び社交性を身につけると言われていますが、生まれてすぐに母親から離された子犬は、そういったものを身につけることなく販売されます。

⑤分離不安症について

特に愛玩動物として品種改良された小型犬は、幼少期に長期間空腹や恐怖などのストレスを感じる/愛情をかけてもらえない/複数の人間に世話されるなどの飼育環境は、分離不安症になる原因と言われています。
分離不安症は、購入時にはただ人に甘えてるようにしか映らず、購入されて以降成長の過程で顕著になっていく場合が多いです。例えば少しの留守番でも大きな不安を感じてしまい、飼い主の外出や帰宅時に吠え続ける、家の中でも飼い主のあとをついてまわる、などが症状としてあります。日本に多い小型犬に大変よく見られる症状です。


このような弊害を生み出しながらも利益を優先する販売業者のあり方を見直すため、2019年6月の動物愛護管理法の改正により「8週齢規制」というものが施行されました。
(動物愛護管理法については別の記事でお話する予定なのでさわりだけ)

8週齢規制とは、8週齢(生後56日)に満たない犬猫の販売を禁止するもので、2021年6月までに施行されます。
(※一部例外の犬種あり)

ですが、子犬・子猫が可愛い・欲しいと思い、高額で購入する人がいる限り、本来必要な健康も愛情も度外視して全国に輸送される子犬子猫が完全にいなくなることはないでしょう。


前半戦が長くなってしまいましたが、
大量生産大量販売というペットビジネスの市場を支え続けている母親動物の存在についてお話して【その弍】は終わりにしようと思います。


ー母親に起きることー


昨今の日本でのペットブームに伴う子犬子猫の需要に対して、自然に犬猫が繁殖するのを待っていては、販売業者はどうしても機会損失してしまいます。
より利益をあげるためには、より多くの子犬子猫が必要ということです。

そのため、販売業者は繁殖犬・繁殖猫と言われる母親動物に強制的な妊娠出産を強要します。

発情を起こさせるために常時蛍光灯を強く当てるなどして、強制的に発情を起こさせ、犬猫が自然繁殖する回数を大幅に超えて、無理な妊娠出産を繰り返させます。

中には、獣医の資格を持っていないのに、自然分娩を待つより早いからと言う理由で販売業者自身が母親のお腹を切って帝王切開で子供を取り出し、ホチキス等でお腹を閉じると言う乱暴な事例もあるそうです。
当然母親はボロボロになります。

繁殖用に選ばれた犬猫は商品ですらなく、子供を産ませるだけの存在です。
その一生を、動くのもままならない狭い空間で、満足に餌も食べられず愛情も与えられないまま何度も強制的な出産を繰り返させられ、最期は栄養失調で骨が溶けて曲がったり骨折して歩けなくなったり病気になって生涯を全うするそう。
レスキューされた繁殖用の犬猫は大抵の場合、毛も爪も伸びっぱなし、臭いもキツく、身体はガリガリなことが多いそうです。

しかし繁殖業者からすれば商品の製造工程なので、ここに愛がなく非人道的であるのも当たり前なのかもしれません。

こういった無理な繁殖に関しても、取り締まるべく法律に改正が入りました。

前回も少しご紹介しましたが、
2019年6月動物愛護管理法の改正が公布され、第一種動物取扱業者が遵守すべき数値規制が定まりました。
重複になりますが、一部分だけ再度抜粋でご紹介します。

●犬猫共に繁殖のために交配できるのは6歳まで
●犬の生涯出産回数は上限6回まで

上記は昨年複数回の話し合いの末に環境省が発表した規制案の抜粋です。

まだ猫には出産の回数制限がついていないのが現状です。
個人的には、現状のままだと猫の強制的な繁殖を完全に防ぐことはできないと思います。

保護団体など多くの方のさまざまな運動により、法律は少しずつ変わってきているものの、まだまだ犬猫を完全に救うには程遠い状況です。
少しずつでも現状を変えていくには、私たち一人一人が自ら正しい情報を取りに行く努力をして、できることから行動に移すことが必要だと思います。


2回続けて辛辣な話が続いてしまいました。。

私は、ペットビジネスに関わる全ての業者が悪人だとは思っていません。
中にはきっと愛情を持って育てているブリーダーさんや、動物が好きで働いているペットショップの店員さんもいらっしゃるだろうと思います。
私が問題だと思うのは、そこに金銭が絡むことです。
金銭が絡むビシネスになるから、命を商品としてしか見れない人間が出てくる。
ペットを高額で売買しているのは、日本をはじめとした一部の国だけです。
ペットを家族として迎える際に、購入以外の方法がある。
それを当たり前として出来ている国がいくつもある。


もうそろそろ
「#ペットショップに行く前に」
どこへ行けばいいのか、いい加減話したい…!

でもその前に、次回、野良犬野良猫の話だけさせてください!
(ひっぱってごめんなさい)

なぜかというと、
野良で生きる犬猫について調べるまで、私は誤った知識だらけでした!
小さい時は、野良猫になりたい〜だってだらだらごろごろして生きればいいだけでしょ?などと思っていました。
今となっては、みなさんに知ってほしいことがいっぱいです。

なるべく早く更新しますので、次回もまた是非最後までお付き合いくださいmm

お読みいただき、ありがとうございました!


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〜おまけ〜


犬猫の感染症の一例をご紹介します。

犬の感染病は、現在はもう混合ワクチンで予防できるものが多いです。
(載せていませんが、代表的なのは狂犬病やフィラリアなど)
一方で猫の感染病は、FIV、FIPなど、いまだに予防薬や治療薬がなく、死亡率の高い感染症がたくさんあります。
それでも、愛猫が感染しないためにしてあげられることはあります。

ご興味のある方はお読みいただけると嬉しいです。

【 犬の感染症 】

犬ジステンバーウイルス感染症
▼特徴
感染力が強く、発病率も死亡率も高い感染症だが現在はワクチン摂取により感染は減少
ウイルス自体は弱く、アルコールや石鹸といった消毒法で死滅 
▼経路
鼻水・唾液・涙・血液・尿など分泌物や排泄物から感染
▼症状
発熱・鼻水・くしゃみ・咳・結膜炎・嘔吐・下痢・食欲低下・体重低下・痙攣・震えなど 
▼予防
7種混合ワクチンの中のジステンパーウイルスワクチンで予防可能

犬パルボウイルス感染症
▼特徴
強力なウイルスで、通常数カ月以上生存する
次亜塩素酸ナトリウムやホルマリンなどで死滅するが、アルコールやクレゾールは無効
発病したら感染を防ぐため隔離と消毒が必要
現在は多くの犬が免疫を持ち、流行当初のような激しい症状は少ない
発病率・死亡率ともに低いが、免疫力の低い子犬は重症化しやすい
▼経路
排泄物から感染
▼症状
元気消失、衰弱、下痢、嘔吐、脱水、発熱など
▼予防
7種混合ワクチンの中のパルボウイルスワクチンで予防可能

ケンネルコフ(伝染性気管気管支炎)

▼特徴
1つの病原体ではなく複数のウイルスや細菌に感染して発病
感染力は強いが合併症がなければ重症化しにくく死亡率は低い
▼経路
飛沫感染
▼症状
咳、えずく、鼻水、吐き気など
進行すると元気消失、食欲低下など
▼予防
7種混合ワクチンの中のアデノウイルス2型ワクチン、パラインフルエンザウイルスワクチンでほぼ予防可能

【 猫の感染症 】

FVR(猫ウイルス性鼻気管炎)

▼特徴
別名「猫風邪」
猫ヘルペスウイルスの感染で発病する
幼少期や10歳を超えた猫など、免疫力の低い猫がかかりやすく重症化しやすい
▼経路
飛沫感染
▼症状
鼻水、くしゃみ、鼻炎、めやに、流涎、結膜炎、発熱、元気消失、食欲不振、咳など
▼予防
ワクチンの投与 ※感染阻止率は70%程度

FIV(猫免疫不全ウイルス)
▼特徴
猫エイズと言われるがHIVとは異なるウイルスのため人感染はしない
日本の猫の10−20%が感染している
陽性だった場合、他猫への感染を防ぐため室内で隔離して飼うのが望ましい
陽性でも諦めず、免疫力を高い状態で保ち、いかに発病させないかが重要
潜伏期間が5年ほどあり、中には発病しないまま生涯を終える猫もいる
発病すると治療法はなく、免疫不全に陥りほぼ100%死亡する
▼経路
交尾、喧嘩による咬傷など
▼症状
初期症状は、発熱、下痢、白血球や赤血球の減少、リンパ腫の腫れなど
FIVが増殖することで免疫力が低下して様々な問題を起こす
ー口内炎や皮膚疾患になりやすくなる
ー健康であれば心配ない細菌やカビで病気になる(日和見感染)
ー骨髄が破壊されることで貧血が増え、出血が止まりにくくなる
ー癌細胞の進行を止められなくなる
など
▼予防
猫エイズワクチンの投与 
※感染阻止率は70%程度
感染を防ぐため、未感染の猫は完全室内飼いが望ましい
感染を防ぐため、早期の不妊去勢手術が望ましい

FIP(猫伝染性腹膜炎)
▼特徴
現在の日本では予防も診断も治療も難しい、死亡率の非常に高い難病
日本の多くの猫がもつ猫腸コロナウイルスが変異することで発病
猫腸コロナウイルスと人間の新型コロナウイルスは全くの別もの
ウェットタイプとドライタイプに分けられるが途中で変化することもある
ウェットタイプは特に進行が早く2週間から1ヶ月で死亡する場合もある
MUTIANという薬での治療が有効であった例はあるが、日本ではこの薬に対して認可がおりていないため、非常に高額
▼経路
排泄物、分泌物からの経口感染
▼症状
発熱、元気消失、食欲不振、体重減少、黄疸、腹水など
▼予防
なし

※上記はあくまでも一例のため、実際の症状等とは必ずしも一致しない場合もあると思います。
ペットが不調の際は、動物病院での診察をお勧めします。

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