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ユーザーを騙す、4つの「ダークパターン」 | UI/UX Weekly vol.10

以前友人から

まんまと罠に引っかかった!

と、こんなスクショが送られてきました。

Amazon Kindleの月額制読み放題サービスKindle Unlimitedのメンバーシップ解約画面ですが、
この画面にどんな「」が潜んでいるでしょうか?



画面下部の2つのボタンを見てみると、

「メンバーシップを継続する」
「メンバーシップを終了する」

という2つの対局のアクションを示すボタンが、
非常に似つかわしい文言で、ボタンのあしらいも区別されず、並べられています。
さらに「次に進む/決定する」、この場合「メンバーシップを終了する」ボタンは、上に配置されていることがほとんどのため、
無意識に上のボタンを押し、このフローをまたやり直すことになってしまった、とのことでした。

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この例のように、ユーザーが意図しない選択肢に故意に誘導するユーザーインターフェースを、「ダークパターン」と呼びます。

この例は「退会するにはフローをやり直さないといけない」"だけ"で、大きな損害があるわけではないですが、
ダークパターンの種類によっては、金銭に関わるトラブルを引き起こしたり、第三者に迷惑をかけてしまうケースもたくさんあります。
今回はダークパターンについてDarkPatterns.orgから、いくつかダークパターンのタイプを紹介してみます。

1. Confirmshaming - ユーザーに特定の選択肢を選ぶように仕向ける

▼ どんなダークパターン?
サービス側がある選択肢をユーザーに選んでもらうよう仕向けられ、それを選ばず拒否/次に進むオプションは、ユーザーを辱めるかのようなトーンで記されているパターン。

▼ このパターンが使われる場面
メールマガジン受け取り選択、有料会員登録など。航空券を購入する際に、チケット購入フローでレンタカーや保険のオプションを追加させるためにも使われたりしています。


2. Privacy Zuckering - 意図しない情報まで公開されてしまう

▼ どんなダークパターン?
ユーザーが想定していたよりも多くの情報が公開されてしまうこと。Privacy Zuckeringというパターンの名前は、Facebook CEOのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)の名前から来ているそう。笑

▼ このパターンが使われる場面
例えば上記の画像のように、「プライバシーポリシーなんていちいち読まない」ユーザーを標的に、メールアドレスをその会社の利益になるように公開されてしまうケース。また、SNS連携を通して、第三者にあるサービスを利用していることが知られてしまうケースもこのパターンに含まれます。


3. Hidden Costs - 想定していなかった料金を最後まで隠すこと

▼ どんなダークパターン?
会計をする最後のプロセスまで、配送料や手数料などのコストを明示しないパターン。

▼ このパターンが使われる場面
ECサイトのチェックアウト画面。上記の画像のように、「30,000円で安く手に入れられると思ったオフィスチェアが、本当は手数料等だけで10,000円以上かかってしまった!」というケース。


4. Disguised Ads - コンテンツやナビゲーションに見せかけて、クリックさせる広告

▼ どんなダークパターン?
バナー広告をクリックさせるために、その広告が使われるサービスのUIを模したボタンなどが使われるパターン。

▼ このパターンが使われる場面
デジタルコンテンツ(画像やアイコン、音楽、動画等)をダウンロードするサイト。
下記のツイートのように、Youtube広告にもこのダークパターンが使われているケースがあります。


ダークパターンにNOと言えるデザイナーに...

この4つのパターン以外にも、

・Sneak into Basket - 意図していない商品がカートに入れられる
・Roach Motel - 解約の仕方がわからず、なかなか抜け出せない有料会員
・Forced Continuity - 無料体験が終了して、何も告知なく会費が請求される

...などなど、世の中にはたくさんのダークパターンが潜んでいます。より詳しく知りたい方はぜひDarkPatterns.orgのサイトを訪ねてみてください。

サービスを使う際に、どんなダークパターンがあるのかを知り、騙されることのないよう気をつけることも大切ですが、

それ以上に、デザイナーとして、これらのダークパターンに当てはまるデザインを強いられたとき、
それらのダークパターンはユーザーのためにも、巡り巡ってサービスのためにもならないとリスクをしっかり説明できること、そしてユーザーを騙さない代替案を提案することは、
サービスづくりに関わっていく上で非常に大切なスキルだと感じます。

サービスを作っていく上で、このようなダークパターンにNOと言えるデザイナー、またはチームでありたいという思いも込めて、書いてみました📝

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