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マーダーミステリーができるまで:オンライン・マダミスの考察と要望

次は考えたギミックの話をしようと思っていたのですが、その前に書いておかなければならないことがあるなと思ったので、いきなり脇道に逸れることにしました。

まず、私がつくろうとしているBKKは、オンライン専用でユドナリウムで遊ぶことを想定しています。理由は単純で、まだオンラインでしか遊べていない私にとっては、ユドナリウムを使った体験が最も楽しかったからです。

●ユドナリウムを使ったマダミスの面白いところ

ではなぜユドナリウムが楽しかったのか、自作に活かすためにもちょっと考えてみました。

まずひとつに、物理的にカードや駒を操作できるということ自体の楽しさ。この点については、私とは逆にそれが面倒くさいと感じるかたもいらっしゃるかと思いますが、私は元々ボードゲームが好きなので、カードをめくったりするだけでワクワクしちゃいます。

次に、ヒントがカードとして可視化されたことにより、初心者でも議論がしやすかった、という面があると思います。ユドナリウムを使うマダミスを遊ぶ前に、ブラウザで遊べるものをいくつかやったのですが、一度に出てくる情報があまりにも多すぎて、そのうえ議論の制限時間も短くて、ろくに話し合えないまま終わってしまったことがありました。

その点ヒントがカードになっていると、大抵は1枚ずつめくりますし、書いてある内容が気になったら次はそれについて聞いてみよう、というふうに思考を進めることができます。

また、ヒントをおのおのが取得するタイプの場合は、嘘をつく・つかない以外に、ヒントを見せる・見せない、カードを渡す・渡さないといった新たな選択肢が生まれることにより、自分にとっても他のPLにとっても、相手が考えていることを理解しやすくなったのではないかと感じました。

たとえば、嘘をついているか・ついていないかは見ただけではわかりませんが、カードを隠しているかどうかは見ればわかりますからね(笑)。お互いになにか意図があるのだと感じやすいと思います。(特にオンラインでは相手の表情が見えませんから、そういう目に見える動きは大事だな、と)

あとは先述した点とも重複しますが、時間(ターン)経過で少しずつヒントが増えていくという仕組み自体も、ゲームとしてのワクワク感があっていいと思うんです。(その点ではミステリープレイというアプリも徐々にヒントを出してくれるのでよかったのですが、どのシナリオもいまいち納得感に欠けたのが少し残念でした)

以上のことから、私もユドナリウムを使ったマダミスをつくりたいなと思ったのですが、なんかゲームとして面白そうな仕組みを考えていくうちに、どんどんマダミスから遠ざかっているような気もしていて……(笑)。最終的にはユドナリウムで遊ぶマダミス風なナニカになるかもしれません。いまいちマダミスの定義をよくわかっていない咲村でした😅

●初心者が感じたオンライン・マダミスの敷居の高さ

次に、自分がオンラインのマダミスを遊んでみて、ここはちょっと入りにくいな~と感じた部分を挙げていきたいと思います。これも自作に活かすために(笑)。

①そこそこ長いハンドアウトを短い時間で読まされる

個人的にこれがいちばん遊びにくい原因だと思うのですが、あんまり問題視されていないみたいで、これまでに遊んだマダミスは全部もれなく長いと感じました。その長いものを「はい10分で読んで!」とやるわけです。いえ、読み切れる分量ではあるんですよ? でも頭に入っているかというと……🙃

もっと問題なのは、ハンドアウトの注意書きに「この内容はいつでも読み返せるので覚える必要はありません😊」と書いてあるわけです。で、なにも知らない初心者はそれを信じてとりあえず流し読みするわけじゃないですか。

結果……当然議論になりませんよね?(笑)

確かにすべてを覚える必要はないのですが、なにがどのへんに書いてあったかくらいは把握(メモ)しておかないと、「○○時のどこどこで~」と議論があった際に、ハンドアウトの中から当該シーンを探しているうちに時間が過ぎ去ってしまうのです。

これ、初心者あるあるだと簡単に片づけてしまってよいのでしょうか。オフラインでは全員が集まってからでないとキャラシートを渡せない事情もあるでしょうが、オンラインの場合はデータのやりとりは簡単にできますから、ある程度長さのあるハンドアウトは事前配布が主流になってもいいのになぁと思ってしまいます。

でも事前配布だと、ちゃんと読みこむ人とそうでない人とで差が出るでしょ? その不公平さをなくすために一斉に読み合わせをする面もあると思うのですが、そもそも理解力の差がある時点で公平ではないんですよ!(笑) 同じ文章を読んでもスッと理解できる人とそうでない人がいます。そして、そうでない人は自分がそういう人間であることをよくわかっているので、事前に渡してもらえたらしっかり読みこんで理解できると思うのです。

ではなぜこんなにハンドアウトの理解にこだわるかというと、ちゃんと理解できているかどうかでゲームとしての楽しさが全然違うと感じたからなんですね。他の人からなにかを聞かれて、ひたすら自分のハンドアウトから答えを探すだけのゲームでは楽しくありません。そこに余裕を持ててこそ、他の人への疑問も浮かぶし、矛盾にも気づけると思うのです。

でもなんでか、マダミスって「理解できてないからこそのわたわた」とか「自分が知ってないとおかしい情報があとから出てきてびっくり」とか、そういうのがリアルタイム感あって楽しいんだよ!みたいな風潮がある気がして、個人的には嫌な部分です。PL的にはそれじゃあ楽しくないんですよね。さて、楽しいのは誰なのかなぁ😑

と含みを持たせたところで(笑)、今度はなぜハンドアウトが長くなるのかを考えてみたいと思います。まあ考えるまでもない部分ではありますが。

まずいちばん大きい理由が、ハンドアウトにシナリオのすべてのヒントが集約されていることが多いからですね。特に、それぞれのハンドアウトの情報の齟齬から答えを導き出すタイプのマダミスだと、過去に起こってしまった事件のストーリーを凝れば凝るほどハンドアウトは長くなるのだと想像できます。

次に、キャラクターについての情報がやたら多いパターン。これはロールプレイを重視する作品に多い傾向だと思いますが、正確にロールプレイをするための手助けとして書かれているのではないかと。個人的には、シナリオに直接関係しない部分はなるべく省いてほしいなと思っちゃいます。わざと情報を埋もれさせようとしている面もあるのでしょうけど、その結果大事な情報を見逃しPLが楽しめない状況になってしまったら本末転倒なんですよね。

最後に、プロローグ以外の共通シナリオ部分までなぜか個人のハンドアウトに載っている場合。これ、実際にありました(笑)。その時は全員初心者で遊んだせいもあり、「この部分って全員いるから共通部分なの???」とハンドアウトを読んでいる最中にもかかわらず質問が飛び出たくらいややこしい状況でした。全員が知っているくだりなら議論中に説明する必要はないですし、キャラ固有の部分と共通の部分はしっかり分けるか、どうしても混在するならば固有の部分がちゃんとわかるようにしてほしいですね。

なんだか結局愚痴みたいになってしまいましたが、ハンドアウトの内容についてはほんとにもっと内容を工夫できる余地があると思うので、自分なりに考えてみたいものです。今回はとにかくシンプルなものにしたいなーと。お遊びでマンガ版のハンドアウトとかつくるかもしれませんが(笑)。(一度はやってみたい!)

②遊び方の説明をゲームの外につけてほしい

これも初心者がマダミスを遊ぶ際の入りこみにくさの話なのですが、マダミスってパッケージ版でなくても基本的には実際に遊ぶ時まで中身がわからない感じなんですよね。ハンドアウトがあんまり事前配布されないのも、結局はそこに理由があると思うのですが、ゲームの遊び方まで実際に始まってみないとわからないというのは、やっぱり手が出しにくいのではないかと感じます。遊び方の説明もネタバレに含まれちゃうんでしょうか?

また、このことと関連して、マダミスのゲームの進め方にもちょっと不満を感じています。今までに遊んだものだと、

プロローグをみんなで確認→キャラ選択→それぞれのハンドアウトを読む→ユドナリウムで遊び方の説明→実際にプレイ

という順番が多かったのですが、これでいくとユドナリウムの説明を聞いているうちにハンドアウトの内容を忘れます(笑)。すみません鳥頭で……。

まあ私は間違いなく極端な例ではありますが、ハンドアウトと同様に、ユドナリウムを使ってどのようにゲームを進めていくかが事前にわかってもいいと思うんです。でもそういった説明がDLページにあるようなマダミスは、少なくとも私は見たことがありません。大抵は「ユドナリウム使用」の一言と画像1枚で終わっています。それだとどう遊ぶのかのイメージがまったく浮かばなくて、ただでさえネタバレを気にして情報が少ないジャンルなのに、よけい手を出しにくくなっているのではないか。自分が苦手なタイプなのかとか、そういうのも確認できないですからね。

ではなぜそこまで閉鎖的になっているかというと、これは私の勝手な予想ですが、遊び方の面でもPLを驚かせたいという部分があるのかなぁと思いました。たとえば遊び方自体に特殊なギミックを使っている場合は、それを紹介しただけである程度盛りあがるのは予想できます。そのギミックがキモだから遊び方は門外不出!みたいなケースもあるでしょう。

でも待ってください。遊び方が特殊であればあるほど、事前に知ってちゃんと理解しておきたいんですよ! そうでなければせっかくのギミックを楽しみきれないんですよ!(笑) それにですね、事前に遊び方を知っているからといって楽しさが半減するとか、そんなことはないと思います。むしろ熟知していたほうが絶対楽しいはず。それが本当に遊んで楽しいギミックなのであれば!

――というわけで、私が自分のマダミスを頒布する際には、DLページにユドナリウムの画像を載せたうえで、こうこうこうやってコマを動かして情報を集めながら遊ぶゲームです、ということをしっかり書こうと思います。そうすれば少なくともコマを動かすのを面倒に思う人はやらないでしょう(笑)。好みが合わない人からの理不尽な低評価をさけることにも繋がりますね😎


と、ここまでつらつら書いてきた理由がここにありまして。実は次の記事で「どうやって遊ぶゲームにするのか」を書こうと思っていたのですよ。でも通常そういうのは「すでに遊んだ人向けのネタバレ」として書くのが主流みたいだったので、こいつ大丈夫か???と思われる可能性があるなと思って、先回りして予防線を張りました(笑)。遊び方を知られたところで痛くも痒くもないどころか、むしろ多分ちょっと特殊だと思うので先に知っておいてほしい!!!という熱い気持ちで次回お届けしたいと思います。

ではまた!😋

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