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絵本屋でお酒のイベントを開く理由

「絵本屋なのに、どうして関係ないイベントをやってるんですか?」と、よくお尋ねいただくので、いまの自分の気持ちをしたためます。

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まず、わたしはイベントに対して「なんでもやってみよう!」という明るい気質ではないことは、ちょうど昨冬に書いています。

それから春になり、絵本の店 omamori を本オープンしてから、店内の間貸しを始めました。

「間貸し」という言葉って、どのくらい浸透しているのだろう。
わたしにとっては、店を始めるまで、まったく馴染みのない言葉でした。いまでも使う時、これが共通言語なのか分からずソワソワしてしまう。

間貸し:店が空き時間やアイドルタイムなどを利用し、別の事業者にスペースを貸し出すこと。

omamori では、主に営業後に店を間貸ししています。友人や常連さんを中心に、さまざまな人が店を間借りしてくれて、晩ごはん会、お酒の会、音楽ライブ、ワークショップなどを開催してきました。

今日まで、数えてみると60回近くイベントをしました。近頃は月に10回以上開催しています。毎月のカレンダーにはイベントの印がぎゅっと並んでいて、そのカテゴリーは一見ばらばらと統一性がないものたち。



したがって冒頭に戻り、「絵本屋なのに、どうして関係ないイベントをやってるんですか?」と質問をいただく機会も多いです。

特に「お酒のイベント」「麻雀会」(初心者がルールを覚えるためのレッスン)などは、一般的な絵本屋のイメージから大きく離れるため、よく疑問の声をいただきます。(絵本屋なら、読書会やトークイベント、読み聞かせを行うのが筋だろう? と。)

回答は自分のなかで一貫していて明白なので、少し長くなるけれど、いつもこのようにお話しするようにしています。

いつもの、絵本屋らしい絵本屋

「おまもりのような、小さな心の拠り所を手渡ししていきたい」という、わたしの店のコンセプトであり、一番大きな願い。疲れた朝や、さみしい夜に、そっと寄り添えるものを提供していきたい。

それは絵本かもしれないし、一杯の珈琲かもしれない。みんなで食べる朝ごはんかもしれないし、温もりのあるハンドメイド雑貨かもしれない。涙が出るほど笑えた話かもしれないし、誰かの小さな優しい一言かもしれない。

絵本だけでなく、なんでも「おまもり」になりうる、そしてそれは人によって違う。それは時に、誰かとお酒や麻雀を楽しむ時間かもしれない。

それが誰かの心に寄り添えるものであれば、それはわたしが渡したいものです。だからわたしは、店の扉をできるだけ広く、広く開けていたいと思っています。でも、わたし一人では限られたものしかお渡しできないから、店を間貸しています。

誰かが店を間借りして、その人にしか生み出せない空間をつくりながらイベントを開いてくれるというのは、本当に有難いことです。

そのイベントに来たお客さんは、わたしがただここで絵本を販売しているだけでは、なにも届けられなかった人かもしれない。

「イベントが気になるけど、なんだか緊張して行けない」という方が、どうしたら少しでも安心していただけるかなと考えています。そんな思いもあってこのnoteを書き始めて、なかなかうまく書けず、3ヶ月が経ちました。

伝えたいのは、すべてのイベントに対して、絵本と同じように「誰かのお守りになりますように」と願いを込めているということ。ひとつひとつの主催はわたしではないけれど、心に寄り添えるものになるよう、間借りしてくれる人と相談しながらイベントをつくっています。

omamori が特定の対象客層を設けていないように、イベントも、誰かが楽しくても、誰かの居心地が悪くなるようなものは開催しません。

間借りしてくれる方々は、皆さん素敵であたたかい人です。どのようなお客さんに対しても、ひとしく、それぞれの愛情をもって接してくれる優しい人たちです。omamori もわたし自身も未熟な部分が沢山ありますが、それでもこの場所を大切に間借りしてくれる皆さんに、心から感謝しています。

これからも、店でお渡しできる「おまもり」の数を増やしていきたいです。気持ちはどこかで変わるかもしれないけれど、少なくともいまは素直にそう思っています。すでにある「絵本屋とはこうあるべき」に倣うだけでなく、本当に大切にしたいことはなにかを日々問いながら、omamori を営んでまいります。

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イベントに関して、DM等でこれまでの様子をお伝えしたり、ご質問に回答したりすることもできます。お気軽にお問い合わせいただけたら嬉しいです。

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