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諸良の根源

 時折無性に自分が通っていた小学校を懐かしむ時がある。思い立ったが吉日。ジムの帰りに少し自転車を走らせて、険しい坂道を登った先に聳え立つ小学校。その外観を少し眺めて満足して直ぐにまた家の方向へと自転車のペダルを漕ぎ進める。勘違いして欲しくないのはただ単に外観を少し見て当時を思い出しているだけであって決して事件性を連想させるような何かを連想させるような事はないことはご了承願いたい。

 小学生の頃は将来の不安なんてどこへやら。目の前の一日一日を単に我武者羅に生活を送っていた記憶がある。適度に遊びつつ、けど勉強が出来ないのはまずいななんて漠然と思っていたから程良く勉強にも励んだりしたり。そんな感じで変哲なく生活を送っていた薄い記憶しかない。

 そんな中で今に通ずる根源が小学校にあるとすれば読書好きであろう。特に小学校低学年の頃は図書館や本屋さんに入り浸り片っ端から読書に勤しんでいた記憶がある。ここで活字に触れていたことであぁ読書って楽しいななんて感情が徐々に芽生えてきたのである。また、仲が良かった友人から色々と本の貸し借りをしていたので自分では読む機会がなかったジャンルの本にも触れていくことが出来たことも大きかったと思う。

 さらに小学校三年生くらいの頃に国語の授業で物語を書くみたいな内容があって、その時間が何時になく楽しくて結構な大作を作り上げた記憶がおぼろげにある。その頃から大人になって自分の文字で書いて何かを伝えたいなんて特段目立つような生徒ではなかったのにどこか勘違いしてしまっているような感覚に陥ったりして。そんな純粋無垢な私の勘違いが今まで残っているとなるといい勘違いと捉えよう。

 少し懐かしむ事が出来たと同時に、過去ばっかり懐かしむのも良いけどあの頃のように目の前の一日を単に我武者羅に生きていた童心を思いだそうと心に感じたのであった。
お読みいただきありがとうございました。

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