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冬ながら空より花の散りくるは
雲のあなたは春にやあるらむ
清原深養父
『古今和歌集 巻6・冬歌』
まだ冬なのに空から花が降ってくるのは、雲の向こうはもう春なのであろうか。
雪の花。空から舞い散る雪をいいますが、こんもりと枝に積もった雪も、咲いた花に見立ててそういいます。
雪は、気持ちを弾ませる一方で、多分な不安を抱かせます。でも昔の人は、不便を強いる雪にも、心の安らぎを見つけては、春へのあこがれを重ねて眺めていたようです。
おなじ雪でも、透徹した冷たさをまとった雪ではない、親しみもてる雪の景色。冬がもたらす不自由さや冷たさの底にも、喜びがあることを教えてくれる、先人の思いの知れる言葉です。今日もいちりんあなたにどうぞ。
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