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「浮世絵動物園」太田記念美術館

2022.09.16@太田記念美術館(初)

浮世絵に登場する、ユニークな動物たちにフォーカスした展覧会。作品数は160点ほど。浮世絵のつくり方などの豆知識も。
美術館内がこぢんまりとした和風のデザインなので、家の中にいるような安心感があり、ゆったりと過ごせました。
実存の動物から想像上の生き物、擬人化した姿まで、さまざまなバリエーションを楽しめました。

▽best
葛飾北斎「雨中の虎」


一番心に残ったのは北斎の虎の絵です。

葛飾北斎「雨中の虎」
太田記念美術館

当時の日本に虎は存在しなかったそうですので、伝聞や絵による想像を頼りに描かれたのでしょうか。本物を知る身にとって、その正確でない姿に奇妙な魅力を覚えました。

想像のみで何かを描くのは、なんでも資料のある現代では難しいことです。なんだか羨ましく思いました。

100何点かの作品をずらりと見ましたが、はっとする絵はだいたい北斎か鈴木春信のものでした。モチーフが違えど、見ればわかってしまう北斎の筆致の独自性には改めて驚かされました。
また春信の絵を見て現代ウケが良さそうだと率直に感じたのですが、線に強弱が少なく色彩のトーンも落ち着いており、今どきのイラストに通じる要素がたくさんあったからかもしれません。

最近日本画に興味を持つようになったのですが、モチーフの意匠化や構成力に習うべきところが本当に多いです。

パソコンで絵を描いていると(主にイラレ)、たまにこれは私の線ではないと感じる瞬間があります。それを乗り越え、自分にしかない何かを持ちたいです。

私なりのとらです

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