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詩 「私ではない」
慣れ親しいんだものは捨てなくていい
だけどときどき忘れたい
私ではない人の言葉がつまった本を
一冊鞄にいれて喫茶店を訪ねる
手書きのメニュー
コーヒー400円、ココア450円
サンドイッチ400円、フレンチトースト450円
頼んだフレンチトーストには
予想外にもネーブルと苺がついていて
なんだか得した気分
カップのソーサーにパラソルの絵が描かれていて
それがなんだか可愛かった
私はべつに
私じゃなくたっていいんだよ
ときどき私をやめたっていいんだよ
「自分らしさ」がもてはやされるこの時代で
でも自分らしくいることにも
ときどき疲れてしまうから
ときどき私を忘れたい
空気みたいになって誰かの言葉を読んで
そうして思いっきり息をしたい
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