見出し画像

⑤歯列矯正による激痛と6才臼歯への負担

本当はやりたくなかった歯列矯正なのに、結局は母に逆らえなかった10代。美人になるよという歯科医の言葉を信じてしまい、歯列矯正を開始しした。

上の歯を2本抜いた。歯が抜けたのを見たのは、乳歯が抜けたのを見て以来だった。乳歯より、ずっと歯の根が深いなと思った。当時は…。
まさかこの歯の根の深さがこれで最後になるなんて思っていなかった。

もとから虫歯も銀歯も多かったから、全て治療した。矯正なんかして、もっと虫歯は増えないだろうかという不安は本当は過ぎってた。でも母から否定しかされなかった高校時代を過ごし、自己肯定感ゼロの私は自分の判断や血に自信など無く、ただ矯正をやれと言われれば従ってしまったのだった。

歯に金属のワイアーをつけた初日は言葉にできない程の激痛を経験した。食べ物も食べられない。歯も磨けない。これ程までに痛いのかと思った。親のためにやった矯正だったのに、あの痛みに良く耐えられたなと今は思ってしまう。

そして自分の中で抜歯以上に気になったのは、6才臼歯に付けた金属の輪「バンド」だった。矯正をしている友達は、みな抜歯を当たり前のようにしていたので(子供だったから、お互いそれがどれ程良くないことか知らなかった)、特別なことだと思えなかった。しかしバンドつけるということは知らなかった。バンドを着けた瞬間、まるで6才臼歯が首を絞められているような気がした。

こんな金具付けて良いの?歯への影響は大丈夫??

すごく心配だったけど、もう抜歯をしてしまったし、後戻りはできないから進むしかないと思った。きっと大丈夫なんだろうと思うようにした。多くの人がやっている歯列矯正なのだから。。
多くの人がやるから自分も大丈夫という理屈は明確なエビデンスが無く、論理は破綻しているのに、日本人が陥りやすい考え方だ。

後に、6才臼歯は6才から生え替わらす、歯の中で一番負担も大きく、咀嚼においても力のかかる歯であると知った。虫歯や歯周病のリスクも一番高い歯である。もちろん、当時そんな説明など受けなかった。母も調べる訳が無かった。母はとにかく私を出っ歯と叫ぶだけだったから。

一番大切で負担の大きな歯に金属の輪をかけて良い訳ない。歯を金属の輪で締め付けて良い訳ない。他の方法は無かったの??ただ後悔しきり。
その後、この奥から二番目の歯は数奇な運命を辿ることとなった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?