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エルサルの田舎に2泊した話
急遽同期のホームステイ先のご実家へ2泊することになった、もはや小旅行となった週末の備忘録。
*
その週末は私のCP宅で近所に住む協力隊同期と共に昼食をいただく予定だった。
金曜の昼、詳細を詰める為に同期に連絡したところ思わぬ返信が来た。
どうやら急用ができたらしく、食事はリスケしたいとのことだった。
「急遽ホストファミリーの実家に行くことになったんだけど、興味あれば一緒に行く?今日の夕方発で明日帰ってくる予定。」
県北にある町らしい。
週末はなかなか外に出られない私には嬉しいお誘いだったので、二つ返事でご一緒させていただくことにした。
CPとの予定をずらしてもらい、ご実家に同行させていただくこととなった。
帰って10分で支度し、車で実家のあるOjis de aguaに向かう。
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この道中の道が大変悪い。
砂利道の石は大きく、車が揺れ、
舗装されてる道があったかと思えば陥没していたり割れていたり。
経年劣化からか、地震によるものか。
運転手はかなり気を遣うだろうな。
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そんな道を1時間強車で走ったところで集落にたどり着いた。
気さくなお母さんとユーモアたっぷりの息子さんご夫妻が迎えてくれた。
着いた頃には日も暮れていたので急いで夕飯づくりに取り掛かる。
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家はコンクリート塀にトタン屋根。
規模の大きいキャンプサイトのようでわくわくする。
食事後1時間程談笑し、22時頃には各々の寝室に移動する。
ベッドが足りなかったので私はお母さんと同じベッドで寝かせていただいた。
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翌朝夜明け前、腹部に違和感を感じて目が覚めた。
ゴマ粒大の何かが私の腹から取れない。
この違和感は登山で経験したことがある。
マダニだ。
時刻は5:30。もう少し寝ていたかったが、これ以上血を吸われて巨大化したマダニを引き抜くのも嫌だったので、大人しく起き上がる。
既に起きていたお母さんに「マダニを抜きたいからピンセットを持っているか」と尋ねると笑いながら指で綺麗に取ってくれた。
母強し。
朝6:00過ぎ。
他の女性陣も起きてきたところで朝食づくり。
大量のトルティージャをつくる。
このトルティージャ、すごくシンプルなつくりだが
均等な大きさと厚み、中央部には空気が入るようなつくり、かつひび割れないように成型していくのはなかなか難しい。
私は2枚作ったところで戦力にならないと悟り、見学にまわる。
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食後、少し散歩したのち
今度は昼食づくりに取り掛かる。キッチンフル稼働。
鶏丸々2羽使用。
2時間程鶏を煮込んだスープは出汁がよく出ており、野菜たっぷり具沢山ですごく美味しかった。
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午後は川へ行くという。
「水着とか着替え、持ってる?」
え、入るの?
今までエルサルバドルで
お世辞にも綺麗といえる川を見たことがない。
その時の私はきっと浮かない顔をしていただろう。
服を貸してくださるとのことで、お言葉に甘えて服を着替え、飼われているぽっちゃりワンコ、姫(princesa:犬の名前)を連れて皆で川へ向かった。
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川は確かにこれまで見てきたエルサルバドルの川より綺麗、かもしれない。
水質はともかく、亜熱帯の森に囲まれた川を歩くのは気持ちがいい。
少し進むと小さな滝つぼがあり、現地の子供たちが泳いだり、飛び込んだりと川遊びを楽しんでいる。
一見だいぶ汚れているように見える川だが、悪臭はない。
昨晩からこの時間に掛けて降雨もなく、底質は砂利~礫なので泥による濁りでもなさそうだ。
となるとやはり生活排水の影響が考えられる。
なんだか飛び込む流れになっているが、水を飲んだらどうなるか分からない。
そんな事をごにょごにょと考えている間に、同期が何の躊躇もなく川へ飛び込んだ。
インドア派と思っていた同期の新たな一面を見た。笑
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久々に川で頭まで潜ったり(開き直った)、
ドクターフィッシュのように足の表皮を啄む小魚を見て楽しんだりと
なんだかんだ夕方のスコールまで川遊びを堪能して帰路についた。
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帰ると当然の如く泊まっていく流れとなっていた。
急ぎホームステイ先のお母さんに明日帰る事を伝える。
翌朝は7時までに教会に行く都合上朝5時に出発するらしい。まさかの朝帰り。
夜、町を少し散歩すると光が浮かぶのを見つけた。
蛍がいる。
光り方はヘイケボタルに近い。
ぼんやりと弱く、小さく、そして短く光る。
よく見ると無数に飛んでいた。
現地の人はあまり興味を示していなかったが、日本人2人が興奮。
私が勝手に汚いと評価していた川は
蛍をはじめ、多くの生物が棲める川だった。
人が利用するには現状適していない水質の川であるようにはみえる。
しかし、手つかずの森林や集落の最低限の(自給自足的)生活の様子を見ると、実は豊かな生態系の残る地域なのかもしれない。
河川の水質の状態など、ある一面だけの自然でその地域の環境までを判断してはいけないなと少し反省した。
自分の無意識な固定観念から、偏った観点での判断をしないよう、
俯瞰的に物事を考えたいななどと思いつつ、
エルサルバドルの田舎を全力で楽しんだ2泊3日だった。
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