十三機兵防衛圏が面白かった

2019年にPS4で出た『十三機兵防衛圏』というSF群像劇ゲームのSwitch版が2022年の春に発売されていて、気になっていたのでSwitch本体ごと購入した。
これがビックリするほど面白いプレイ体験だったので、ネタバレなしでオススメも兼ねた感想を書き殴っていく。

先に合うだろう人合わないだろう人書いちゃうとこんな感じだから後者の人はもう読まなくていいぜ！
・合う人：文字読むの好きな人。考察好きな人。カプ厨。
・合わない人：文字読むのだるい、考えるのめんどい人。恋愛要素イラネーの人。

ではここから本編。
SF群像劇というジャンル名のとおり、このゲームは13人の様々な時代を生きる主人公たち各々が過去へ未来へタイムトラベルを繰り返し、時に交わり、時に離れながら謎を紐解いていくADVゲーム。
ある程度の進行度ロックはあるが、基本的にプレイヤーは各主人公のストーリーを好きな順番で進めていく。
当然それぞれのキャラクターごとに、ある時点で持っている情報が違う。よって、話が交わったキャラAとBがいたとして、Aのストーリーでは怪しい行動をしているキャラBが、Bのストーリーではその時持っている情報からすれば自然な行動を取っており、むしろAのほうが不可解な行動を繰り返している…というな自体が起こる。
そしてその2人をキャラCのストーリーから見るとまた別の状況が浮かび上がり、Cと交わるキャラDの目にはCがAかBのどちらかについて誤解していることが判明する…という紐解きが、実に13階層に重なって並行して進んでいく。
ADVのストーリーを面だとすれば、13人分の厚みにより立体パズルと化している。しかもそれがどこも矛盾していない。プレイし終わって最初に出た感想が「よくこんなもん作れたな！」だった。正直、後にも先にもこんなゲームないだろと思っている。

しかも、先に書いたように各主人公のストーリーを進める順番はプレイヤーの自由。まず特定のキャラクターのみ集中して進めることも、まんべんなく進行度を合わせることも可能。よって、その人の進め方キャラクターへの印象、真実への至り方などのプレイ体験が異なるものになる。

この13人がタイムトラベルを繰り返し、はたまた回想を挟んだりするので情報と時系列が混乱しまくるが、その辺はイベントが時系列順にならんだ辞書&アーカイブモードがあるので安心。ADVの最中でも開けるので「それ何だっけ！」となっても安心の親切設計。集めた情報をアーカイブモード片手に繋ぎ合わせて推理しよう。
キャラごとのストーリーをなぞっていくだけでも楽しめるだろうが、やはりこのゲームの真髄は自分で考察してこそだろう。プレイ中は十三機兵に関する一切の情報をシャットダウンしてネタバレを全力で回避しながら遊ぼう。
ボクはプレイ中は公式サイトすら見ないようにしていたが、それで正解だったと思う。

ADVパートとは独立した戦闘パートがある。パシフィック・リムみたいなロボに乗って戦うリアルタイム・タワーディフェンスだが、難易度は割とユルめ。リアルタイムと言いつつコマンド選択中は時間止まってるし。と思って適当にやってると気づかないうちに戦線崩壊してたりする。個人的にはADVを邪魔しない丁度いい塩梅で楽しめた。3段階の難易度があるので好きなのを選べばストレスフリー。SFミサイルをバンバカ撃って敵をたくさんまとめて倒すぜ！なノリなのでミリタリーにうるさい人はダメかもね。

そしてこのバトルパートのBGMたちがやたら良い。サイバーな感じがカッコいいし燃えるし良い具合に焦燥感を煽るところがタワーディフェンスのシステムとマッチしている。基本的に3楽章構成になっていて、敵の進行の区切りごとに楽章が移り変わっていくシステムで否応なしにテンション上がる。サントラまで買っちゃった。
下に公式のSwitch版プロモを貼っているが、その中での戦闘パート紹介（1:13ぐらい～）で流れる曲が特にお気に入りの戦闘曲。
ちなみにYouTubeには当然ネタバレ動画があるので見るのは下記の公式のプロモぐらいにしときな！コメント欄ももちろん危ないぜ！

Nintendo Switch『十三機兵防衛圏』プロモーション映像

個人的には網口くんがお気に入り。運動も勉強もできて家が金持ちだけど鼻にかけない陽キャオブ陽キャだけど熱い男だよ彼は…。主人公ポジにいる鞍部くんは割とナードっぽいところもあるんだけど、彼ともかなり仲良くしてるし学校の番長とも渡り合えるし、なんだキミは。良いヤツかよ。バトルパートでは器用貧乏になりがちなところも好き。
女子キャラだと如月ちゃんかなぁ…竹を割ったように嫌味がない…でも総じて男キャラの方が好感度高いという結構レアなゲーム。みんなして男気がありまくる。ナードっぽいって言った鞍部くんもそう。みんな好き。
ところでメインキャラの3/13がメガネって多いんだか少ないんだかよく分かんないラインだよね。薬師寺のメガネ美女感好きだ…。

そういうわけで、このアホ複雑な立体パズルストーリーをネットでオチだけ見て済ませるのは本当に損失なので、とりあえず体験版だけでも。ぜひプロモ以上の情報を仕入れずに。
実況動画で済ませるのも良くない。このパズルを解く手順はプレイヤーごとに異なるわけで、ぜひ自分の手で遊んでほしい。

あ、あとロボット呼び出すときのアニメーション中二心をくすぐられてカッコいいぞ！（ネタバレなし）