私が地域おこし協力隊になるまでのお話
「なんで地域おこし協力隊になったん?」
「なんで田舎に来たん?」
初めてお会いした方や、関わるようになった方によく聞かれます。
何の縁もゆかりもない私が、なぜ田舎へ引っ越して、地域おこし協力隊になったのか、今回は私自身も思い出しながら、その謎を解き明かさせていただこうと思います。笑
私は兵庫県姫路市出身の24歳です。
4年制大学を卒業後、2022年より「新温泉町地域おこし協力隊」として活動させていただいています。
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「地域おこし協力隊」との出会い
大学では、福祉とスポーツのトレーニング指導について学んでいました。勉学のほかに、サークル、アルバイト、大学内掲示板にあるボランティアをしていました。
参加したボランティアの中で1番印象に残っているのは、4泊5日、地域のお手伝いをしながら田舎体験をするボランティアプログラムです。
山に囲まれていて、冬は雪深くなるところでした。
プログラムの内容は、地域の奥様方と加工品づくり(山菜おこわ・草餅)、縄ないづくり、そば作り、ワラビ畑の草刈り、自然薯収穫、狩猟についてのお話など、田舎暮らしや知恵を地域の方にたくさん教えていただき、体験させていただきました。
その地域の方のそこに住んでいることにとても誇りをもっておられる気持ちが、ところどころの言葉などから感じることができました。
昔からあるもの、今もあるものを守っていきたい、続けていきたいという姿勢にとても心惹かれました。しかし、それだけではなく、懐が深く、あたたかい雰囲気があふれていました。
このボランティアに参加した時の私は、やりたいことが見つからず、焦っていました。
私自身が好きなこと・得意なことや、一生懸命取り組んだことってあったかな、、なんとなく生きてきてしまったな、、と明確な将来の夢や目標がないことにとても不安を感じていました。
そんなときに、その地域の「地域おこし協力隊」と出会いました。その方は私の話を聞いてくださって、「すぐに見つからなくてもいいじゃないか、何かしてみるうちに探したらいいんじゃない、みんなそうだよ」と言ってくださいました。
その方の言葉はストンと心に落ちました。何者でもない私を認めてもらえたような、気持ちが軽くなった瞬間でした。
その「地域おこし協力隊」の方は、本当にほかの地域から来られたとは思えないほどその地域になじんでおられて、まわりの方からとても頼りにされている様子を短い時間で感じることができました。
その方の言葉や地域の方に頼られながら活動されている様子はその時の私にとって、とてもキラキラと自信や誇りをもっておられるように見えたのです。
就職活動
大学3年生になった私は社会福祉士やトレーニング指導者の資格を取るための勉強や実習、就職活動を始めていました。いろいろなボランティアや福祉の実習を通して、地域の人と密接にかかわりながら、それぞれの方が少しでも暮らしやすく、お互いに支えあえるようなコミュニティづくりをしたいと思うようになっていました。
就職活動では、兵庫県内で就職することを考えつつ、地域に根付いていて、そこに住んでいる人と近い距離で関われるような企業を探していました。
しかし丁度コロナウイルスが流行っており、企業説明会や研修などは現場に行くことができず、ほとんどがリモートだったので、実際の雰囲気を感じることはとても難しかったです。
大学3年生の冬、いろいろとお話を聞いた中でいいなと思っていた企業が早期選考をするとのことで受けることにしました。
大学4年生の春に内定をいただき、
無事に就職先が決まったと、家族も安心していたと思います。
ところが、私は本当にこれでいいのかなと、モヤモヤしていました。
「新温泉町」との出会い
就職活動をしながら、兵庫県の「地域おこし協力隊」についても調べていました。兵庫県の中でも「地域おこし協力隊」を募集している地域はいくつかあり、それぞれの地域のホームページをのぞいたりしました。
色々な地域がある中でパッと目を引いたのは、「新温泉町」という名前でした。「絶対に温泉あるやん!」と思い、ホームページやSNSを見てみると、温泉はもちろん、海があり、山があり、おいしい食べ物がたくさんある町でした。
「遊びに行ってみたい!」と思い立ち、高校や大学の友達を誘い、レンタカーを借りて2度遊びに来ました。
日帰り温泉施設に行くと、「○○さんこんにちは~、今日も暑いな~。」と、地域の方同士がお話をされていました。
私は友達と「こういうのなんかいいね。」といいながら、温泉を満喫しました。
温泉卵をつくることができる場所へ行ったときは、湯つぼに卵が入っている網ごとおとしてしまい、困っていたところに地域の方が近くに来てくださって落としてしまった卵を取ってくださいました。
帰り道で友達が「いいところやな。」と言い、「そうやろ!」と、私がうれしく感じたのを覚えています。
私は直感で「新温泉町に住んでみたい!」と思いました。
初めて一人で暮らすこと(大学卒業まで実家暮らしでした)、生まれ育った場所で通いなれたお店がないこと、知っている人が一人もいないことなど、私の新温泉町への興味に勝るものはありませんでした。
「新温泉町の地域おこし協力隊」になりたい
地域の人と近い距離でかかわりたい
新温泉町の人やまちの雰囲気が好き
新温泉町のことをもっと知りたい、それをたくさんの人に伝えたい
先に述べさせていただいたのは、私が「新温泉町の地域おこし協力隊」になりたいと決意した時の気持ちです。
大学4年生の夏、内定をいただいていたところに、内定をお断りする電話をしました。
その時はまだ新温泉町の「地域おこし協力隊」新年度の募集自体が始まっていなかったので、人事担当の方が「決断をするのはもう少し後でもいいですよ」と言ってくださいました。
しかし、私の中では決意が固まっており、決意を鈍らせてしまうような要素を取り除いておきたかったのです。
「もし、試験で落ちてしまいダメだったときは、そのとき考えよう!」
という行き当たりばったりな考えでした。(笑)
「新温泉町の地域おこし協力隊」になる
「新温泉町地域おこし協力隊に応募する」と決意した後はとても時の流れを早く感じたように思います。
役場の方に「地域おこし協力隊に応募したい」ことを伝えると、私が希望する所属先の方とお話しする機会を設けていただいたり、町内を案内していただいたりと私が不安なことがないようにたくさんお話をしてくださいました。
新温泉町から車で2時間もかかる姫路市まで、足を運んでくださったこともありました。
大学4年生の冬、書類選考と面接を経て、無事「新温泉町の地域おこし協力隊」になることができました。
大学卒業、地域おこし協力隊になった今
就職活動で、自分の将来のことや何をしたいのか、自分自身の性格、得意なこと苦手なことを考え、とっても自分と向き合う機会になったなぁと思います。
私がこの町で何ができるのか。
地域の方と関わらせていただいたり、町のいろいろなものに触れたり、景色を見ながら考えている日々です。
大層なことができなくても、誰か一人を笑顔にしたり、誰かの生活にひとつ色を付け加えられるようなことができたらいいなと思っています。
ここまで、少し長い物語を読んでいただき、ありがとうございました!