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社会人1年目を終えて

3月25日 正午

せーのっ!!
さようなら!! じゃんけんぽん✌️✌️


アマリリスのチャイムとともに
この学級の1年間が終わった。

4月5日 始業式前日
「3月25日 この教室に最後までいれますように」
そう誓ったあの日が遂にやってきた。

最後の日だったけど、不思議と寂しくなかった。

次の登校日は4月だよ!なんて言ったけど
その時、目の前にいるのはあの子たちではない。

あの子たちは新しい教室で
そして、自分も新しい教室で1年を始める。

その前に、今年1年を振り返ってみる。

先生になった日

4月3日

校長先生に紹介されて入った職員室には先生がたくさんいた。(当たり前である)

緊張しながら自己紹介をした後は
会議スタートの合図だった。

まるで異国にやってきたかのような聞き慣れない標準語に、年上しかいない環境。
その上、3日後は始業式で子どもが登校してくるという…
振り返れば、よく乗り切ったなと思う。


そして、始業式までの間に研修というものはなく、先輩に言われるがまま黙々と書類の仕分けやネームプレートを作っていく。
気付けば始業式前日になっていた。

今でも忘れない、東京にきて初めて泣いた日。
初めての1人暮らしで、知っている人もいなくてホームシックになっていた。
「友達に会いたい、実家に帰りたい」なんて言って同じ学年の先生の前で子どもみたいに泣いた。

そんなこともあったね〜なんて今では笑い話だ。

そうして4月6日、先生として初めての子ども達に出会った。


嬉しかったこと

この1年で嬉しかったことは、子どもの成長を感じたことだ。

うちはけんかの2組、毎日飽きずに喧嘩をしている。そしてよく手が出ていた。
その度に
「むかついても手を出してはいけません。」
「自分が〇〇って言われたら、どんな気持ちになりますか。嫌な気持ちになるなら言いません。」
なんて言い続けていた。

そしたらいつの間にか、手を出すことも減り
「〇〇って言われたら嫌な気持ちになるから言わないよ。」
なんて言うようになるもんだから、この子たちも成長してるんだって思った。
それにだんだん自分たちで話し合って、分かり合おうとするからすごいなと思ってみていた。

この1年で暴力では何も解決しない、話し合いで解決しよう。というのが身についたなと感じた。

そしてもうひとつは授業が楽しいと言ってくれたことだ。
やっぱり教師は授業で勝負とずっと言われてきた。
たくさん準備したのに、子どもの反応が悪い時もあったけど…
楽しい!わかりやすい!またやりたい!
そんなことを言われたら、こっちも張り切ってやってしまう。
今は先輩の授業をマネしてみるところだけど、いつか自分流の授業ができるようになりたい。


辛かったこと

学校では6月、11月、2月はトラブルが起こりやすいと言われている。
思い返してみると、その通りだった。
その中でも11月頃は本当に辛かった。

その兆候は2学期が始まった頃だった。
集団生活が落ち着かない子が、大きな声を出して止まらない。
そして大きな音が苦手な子が、かき消すかのように大きな声を出す。
隣のクラスどころか、階段を通って1階にも聞こえるように…

そのせいか周りの子も落ち着かなくなり
話を聞かない、おしゃべりが止まらない、繊細な子は耳を塞いでぐっと耐える。しかし限界がきて泣きはじめてしまった。

それでも授業は何とかできていたが、学級崩壊寸前だ。
私もその声や環境に精神的にまいってしまい
無意識で踏切が鳴り始めた線路に立ち尽くし自殺を試みようとしていた。すぐに我に返ったが…
ここまで思い詰めていたことに気付いた瞬間だった。

その後、なかなかSOSサインを出せずにいたある日
「ちょっと静かな場所にいたいので教室にいます。」
学年の先生に何気なく言っただけなのだが
2人はまずいと思ったらしい…
あとで聞いたが、2人でどうやって声をかけるか、何を話すかを会議してたらしい。
1人で泣いて、泣き疲れて寝た後に学年主任がやってきた。
主任に何を話したかはあまり覚えていないが、とにかく泣きながら話していたことだけ覚えている。
しかし、その時間のおかげでスッキリしたのか元気になっていた。

「ここを踏ん張れば、このクラスはもう大丈夫。だって中休みに一緒に遊ぶ子ども達がとても楽しそうだから。みんな先生が大好きなんだよ。」
そんなことを言ってもらい、また頑張りはじめた。

それだけでなく2人が毎日こまめに教室を覗きに来てくれて、やっと落ち着きを取り戻した。


東京にきてよかった

1年を終えて、辛いことも楽しいことも両方味わった。
それでも、子どもたちは素直で優しい子がたくさんいる。

コロナで休んだ時も
胃腸炎になって休んだ時も
声帯炎で声が出なくなった時も
喘息が再発して発作を起こした時も
心配してくれて、無理しないでねって声をかけてくれるそんな子たちと出会えてよかった。

最後に手紙をくれた子がいて
保護者の方からも手紙をもらった。

同じ学年の先生は私のやり方を否定せず、挑戦させてくれた。
失敗しても怒らず、次に活かすための話し合いをしてくれる。

周りの先生も優しくて、面白くて素敵な人たちばかり。

とっても人に恵まれた1年だった。


2年目は…

修了式後に来年度の組織図が少し発表された。
学年が決まり、来年の勉強も始めていこうかな。

そして予想通りではあったが…
図書の副主任という役職になってしまった。
この調子だと3年目には主任として、学校の図書関係の仕事を全部任されることになるのだろう。

とにかく仕事量が今の比じゃなくなることは確かだ。効率よく進めて残業時間を減らしたい…(時間外は1円もでないから早く帰ったもん勝ちよね!)

そして、色々な先生の授業を見てマネする。
失敗を恐れず、色々な方法を試す1年にしていこう!

さぁ、1週間後には新しい学年になり、2週間後には始業式だ。
休む間もなく、また新しい1年間がはじまる…

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