ショート×２（その19）ノラネコ親子
喜界空港は非常に小さな空港だ。ヘタしなくてもＪＲの駅舎より小さい。
２０１９年２月。鹿児島県喜界島に旅行した時のこと。自転車で島を１周し終わると時間が残っているので、島内あちこち自転車をこいで散策した。
ノラネコ親子は細い路地裏にいた。幅の狭い道路。車はあまり通行しないだろう。日向ぼっこをして楽しそうにしていた。母ネコだろうか。子ネコ１匹の傍でゆっくりとしていた。じっと眺めていると2匹目の子ネコが塀の上から近寄ってきた。
エサは持っていなかったので、マタタビをあげることにした。子ネコには効き目があったのか身体を摺り寄せてきた。きっと地域の人に大事にしてもらっているのだろう。塀から降りてくると母ネコの傍で落ち着いてしまった。
子ネコなんかやせ細っているのが気になる。毛に栄養が行き届かなくなると色が薄くなってしまうというのは聞いたことがある。なんかちょっと心配だ。島内で近い集落にスーパーがあったはずだ。エサ缶でも買って食べさせてみよう。
自転車を走らせて、エサ缶を持っていったらノラネコ親子は既にいなかった。残念。いまもどこかで生きてくれていると願っている。
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