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防災訓練を考える多事争論

久しぶりの多事争論は防災訓練を取り上げます。防災訓練の一般的なイメージは行政の方や地域コミュニティ、防災ボランティアの方が休日に小学校に集まって行うイメージがあります。一般的な手順としてはこんな感じ。

住所地ごとに(〇〇一丁目とか)集団で小学校に避難します。老齢の方や怪我している人は歩けないのでリヤカーで運びます。

学校に集合しますが、いきなり建物に入るのは危ないので校庭に避難して受付を行います。受付のテントで被災状況を集約しています。

体育館に亀裂や窓ガラス割れがないのを確認したら中に入ります。大規模地震発生時にはここがおしくらまんじゅう状態になります。コロナ禍では感染を気にして学校に避難しない選択をする方もたくさんいました。

救援物資配布の準備も行います。物資の受入れや配布する人も配置します。

外では大きい鍋で豚汁など温かい食事を作ります。はそり鍋では余裕で100人以上の豚汁がつくれちゃいます。プロパンガスは役所の防災担当が用意。

最小限の飲用水さえ確保できれば、炊飯用の特殊なビニール袋(水を透過させないもの)でご飯を炊くことも可能です。これが結構おいしいんです。沸騰した水(消毒していない水でも可)に袋を放り込んで30分くらいすると食べれるようになります。個人的にジップロック袋で試したことがあります。飲料水は給水車のほか、一人一日3㍑の保管が推奨されています。そのほか耐震化された消火栓に専用の器具を取り付けて仮設的な水道にします。

あとは消防団の方が負傷した人を救助する訓練を人形を使って行います。

屋外用簡易トイレを組み立てて見たりもします。実際に災害が発生すると袋をかぶせて用を足し、袋を縛って可燃ごみで廃棄することもあります。
その他、ガソリンで起動する非常用発電機の操作を行ったりします。

訓練の中身は大規模災害が発生し、小学校の避難所に人が押し寄せた場合を想定しており、知っておくべき内容だと思います。

ただ被災時に支援を要する人の情報は紙ベース。個人情報保護の関係で紙情報を持っている人は小学校区ごくわずかな人だけ。さてこれで実際の災害時に機動するでしょうか?そのような立場の人は一人で何役も抱えています。

話を少し変えますが、今年静岡で水害が発生し、飲料水の提供で大規模な混乱が起きました。

その際には地元の進学校の生徒がこのようなデジタルな支援マップを作成し、有効活用されたと聞きます。支援を求めている人の情報、支援が必要な物資、給水が行われている箇所を1つの窓口となるサイトにまとめ瞬時に公開すること、またそれを簡易に作成できることも必要でないかと思います。

2015年に仙台で国連防災世界会議が開催され、自分も参加しました。その際に市民企業が主催した関連事業のシンポジウムが多数開催されました。ウェザーニュースが開催したトークイベントでは堀江貴文氏がインスタグラムやgoogleなどのプラットフォームに情報を集約して、それを基に防災訓練を実施すればよいと発言をされていました。その当時はどうやってやるんだろうかと思っていたんですが、7年後にはこうやって実装できる段階まで情報通信技術は発展したんですね。

総括になりますが、従来型の防災訓練をする一方で情報通信技術がこれだけ発達した社会で活用しないことはないと考えます。ただ、上記のようなポータルサイトを作成するには一定の技術習得が必要だと思います。防災訓練を実施する中で、このような情報技術を活用した訓練”も”実施する時期に来ているでしょう。

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