災害ボランティア従事の注意事項能登編
石川県穴水町に派遣され、県社協による個人災害ボランティアに従事してきました。
前回、富山県小矢部市で従事した際に従事時に注意していきたい点を実務的に記載しました。この投稿は石川県で大々的に始まった災害ボランティアに従事する際に知っておきたい点を実務的にまとめたものです。
当日までの参加の流れは以下のようになります。事前登録者数が2万人を超えるにも関わらず、参加募集は全体(対象市町、1週間の期間)で千人に満たず、一度の応募で複数日を希望することが出来ることから、実際に参加できるのは大変狭き門になります。
今回、参加した2月10日は3連休の初日でした。2月7日正午の開始申し込みからわずか7分で募集が締め切られました。それだけ狭き門になります。
当日は金沢駅に集合するほか、石川県の建物(地場産業振興センター)に集合して、行先方面ごとにバスに乗り出発することになります。暗い中、担当者が点呼をとっていきます。県の担当者(実際は他自治体からの応援)もバスに乗車し、同行します。
奥能登4市町(珠洲市、輪島市、能登町、穴水町)は先発して発車していきます。中でも珠洲と輪島は先発組の中でも最初に出ていきます。穴水町は先発組の中では最後に出発します。といっても6時30分です。朝は非常に早いです。現地の活動時間を確保しつつ、近隣からは始発電車でも従事できるようにするためにはこの時間しかないのかもしれません。
七尾市または志賀町に向かう場合は集合時間が若干遅めになります。早朝の集合が困難な場合は七尾市、志賀町の業務に応募することになります。
今回参加したのは穴水町です。最初の報道時にはビブスを着て活動でしたが、現在はワッペンシールを服に貼り付けます。バス車内ではQRコードで参加登録をするほか、注意事項を読むことになります。
なお、注意事項にもある通りこの投稿にも被災者宅の写真を掲載することが出来ません。穴水町現地は2月10日も倒壊家屋がそのままの状態になっている事例が非常に多く、撤去、解体があまり進捗していないと認識しました。
穴水町までの道中は100kmの道程になります。現地に行くまでに非常に時間が掛かります。道中、のと里山海道では警察の検問(サミット並みに厳しい)が行われていました。現地には関係のない車両は通行ができません。
その理由として、現在道路状況は最悪です。応急復旧がされて、何とか通行できるものの現地は崩落個所の手当てが進んでいないのです。当たり前のように道路が通行できるわけではありません。
また周辺道路は貧弱です。再三報道されている通りです。2月現在、復旧に従事する業者の車両、自衛隊や警察、各行政機関の災害救助車両、災害ボランティア関係の車両、地域住民の車両がごったがえし、道路は非常に渋滞していました。(だから災害ボランティアが個別で現地集合にすることが出来ないのです。)
従事した日は3連休初日ということも有り、混雑が度を増して酷い状態でした。その影響により穴水町社協への到着が1時間おそくなったことから往路バス車内で昼食をとり、昼休憩返上で活動に従事することになりました。
穴水町組でさえこんな感じなのです。さらに距離のある珠洲市組は大変な状況だと想定されます。先発して15分前に出発しているにも関わらず、同じく渋滞に巻き込まれて500m先を低速走行している有様。活動時間は確保できたのだろうかと思います。
その状況は報道されている通りです。金沢から現地に出かけている手前、活動時間よりもバスに乗車している時間の方が長いという現状があります。穴水町組もそれは免れず、活動時間4時間に対し、バス乗車時間は往復6時間です。
まだ災害ボランティアの取り組みは始まったばかりであり、今後何らかの改善と手法の変更はされていくことでしょう。何回かの取り組みを得て、現状の改善をしていく以外に方法がないのです。
災害ボランティアの従事内容はどこも似たり寄ったりです。災害により発生した粗大ごみの撤去と仮置き場への搬入です。人手がかかる仕事に個人の災害ボランティアは従事することになります。大型免許をもっていることから今回、トラックの運転を任されることになりました。オートマではなく、マニュアル車でした。普段、乗り慣れていない人は注意が必要です。ヘルメットは希望者に支給されますが、靴は非常に大事です。安全長靴やつま先の固い靴で参加されている人が全員です。スニーカーで参加している人はいなかったように感じます。
穴水町社協がある建物です。穴水町の災害ボランティア本部が置かれており、名古屋からボラネット(名古屋の災害ボランティア連絡会)の方が何名か派遣されていました。仕事上、防災の業務に携わったことがあり、話が弾みました。現地では炊き出しや支援物資の配布が行われており、炊き出しボランティアの方や名古屋ボラネットの方が従事されていました。
穴水町では1件の従事が終わるたびに本部に戻り、社協職員より次の案件を引き受ける形で業務が行われ、石川県派遣のボランティアは活動終了時刻である午後2時30分まで、何回も現地と本部の往復を繰り返すという状況でした。
その際、個別の指示書は本部からいただきますが、地図は指示書のQRコードをスマホで読み取ります。これであれば、社協職員が被災者宅に同行しなくて済みます。
渋滞でボランティアの到着が遅れるなど、事前に訪問時間が確定できないことから、1件ごとに訪問可能か直前に確認をとって、対応していくやり方になるのは仕方のないことです。
午後2時30分に活動本体が終了しました。全員がボランティア本部に戻り次第、金沢行きの送迎バスに乗車し、金沢に戻ることになります。なお、高速道路通行料減免の申請に必要な活動証明はこの段階でもらいます。
復路も1カ所PAでトイレ休憩をしました。志雄PAでは売店があるので、飲料を購入することが可能でした。
金沢に到着したのは午後5時近くです。現地で活動できたのはわずか4時間ですが、現実には金沢を出発して11時間が経過しています。
今後、取り組みが改善されていく(つまり現地での活動時間を増やす。)にあたり、派遣本部を金沢ではなく七尾に設置しないと現地での活動時間を確保するのは難しいのではないかと個人的に考えます。
金沢でバスを降りて災害ボランティア業務は終了しました。
今回も現地お土産を買って帰ります。石川を買って応援ですね。今回は福光屋に立ち寄りました。以前、甘酒が美味しかったことから買って帰ります。
美味しいお酒もたくさんありました。家で消費するために買って帰ります。
今回はこれだけのお土産を買いました。宿泊しなかった分、土産物の購入で経済に貢献しました。
今回は忘れずに往復とも高速道路通行料を無料にすることが出来ました。
石川県能登地方の個人災害ボランティアはまだ始まったばかりです。活動時間が確保できなかったり、そもそも募集枠がすぐに埋まって活動に応募ができなかったりと苛立ちを感じたりと課題は感じたのですが、これらは日々活動が展開されていく中で改善していくことでしょう。これから現地で参加される方に実務上の参考になればと思います。
災害ボランティアはしばらく続きます。そのうちに募集倍率も改善されるでしょう。何回か行けるようであれば、今後も積極的に参加したいと考えています。
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