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ART WEEK TOKYO ルートB on Foot

現代アートを牽引してきた都内50のギャラリーと美術館が「現代アート」を軸に集い協働する試みが、11/4~11/7で行われました。

会場となるすべての美術館とギャラリーを繋ぐ「アートバス」が、4つのルートで15分おきに巡回していました。はじめ「アートバス」を利用して回ろうと思ったのですが、せっかくお天気もいいし!とルートBの東側をできる範囲で歩いてみることにしました。

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順番はB4→B3→B5→B2→B6→B7→B9→B8で、銀座SIXで終了。だいたい25,000歩なアートウォーキング。途中で予期せぬアート?にも遭遇しました。

以下、個人的に印象に残った作品の一部ご紹介です。

B4 KANA KAWANISHI GALLERY 清澄白河
江東区白河4-7-6

森山泰地
木を見て森を見る

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街で拾った物をワックスに固めた《STREET BUTTER》という作品や、作家自身の父・森山恒逸氏の作品をコピーしたシリーズ「Trace」と、自然と人工を表現した作品たちでした。私は「Trace」に特に興味を持ちました。これは樹皮の間に宿った虫達によってできる虫食い痕を活かし、そこに色をつける等した作品です。ゆっくりと虫達が時間をかけて木に刻んできた生きる証に力強さを感じ、またその生きる証と色がなんとも土着の民族芸術(アイヌ文様のような)を彷彿とさせるまたなんとも不思議な感覚になりました。

B3 無人島プロダクション 錦糸町
墨田区江東橋5-10-5

風間サチコ
ディスリンピアン2021

架空都市で行われるオリンピック「ディスリンピック」に参加する競技者オリンピアンならぬ「ディスリピアン」を題材にした作品たちです。見た瞬間の素人の素直な印象「ディスってますねぇ」これにつきます。

私が魅かれてしまったのはこちらの「不死山トビ子【種目 飛び込み】」

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生と死のリバースモードを繰り返す不死身の飛び込み選手だそうです。ゲームオーバーしても「リセット」ですべて元通り。そんな死生観で恐怖を克服しているのだとか。

続きまして「ツインテ点々ちゃん【種目 マラソン】」

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「何点ですか?」と画像検索すると出てくる少女の自撮写真。第三者から評価を得たい彼女たちの承認欲求と点数できまる価値。点々ちゃんはそんななんだかよくわからない世界で承認欲求を満たす勝負に挑んでいる!という作品のようです。「何点ですか?」なんて検索したことがありませんでしたが、してみると、、、ほんとに自撮り写真の女の子たちの写真がどんどんでてきます。これが現実。誰かからわかりやすい「点数」の評価をもらって、数字の優劣に一喜一憂。「認められる」ことに一生懸命な少女たち(大人もかなりいますが)。あれいつから、、、こんな社会になったのでしょう?SNSがない時代には表に出せなかった承認欲求が火を噴いてしまったのか?作品を見ながら社会を考えさせられました。(もちろん普通にくすりっともしています)

B9 rin art association @ CADAN 有楽町
千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビル 1F

COMBINE !
鬼頭健吾 ・小金沢健人・水戸部七絵・やんツー

1950年代にロバート・ラウシェンバーグによって生み出されたコンバインペインティング(ドローウィングに別の画材等を組み合わせて作られた作品)をベースにした作品たちです。

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こちらはやんツー氏の作品です。ミニ四駆とGPUがドローイングの上を走ります。ミニ四駆はゆっくりですが動きます。速さの象徴であるミニ四駆とGPU(処理速度)は現代の「高速主義」を表現しつつ、さらにドローウィングは人が手で描いたものではなく自立型装置による制作した作品と、構成・理念もまさにcombineされたコンセプトが盛りだくさんの作品です。

何も考えないで見たら、自由なやんちゃな発想ですね。。とキュレーターの方と話しておりましたが、その一つ一つを聞くとなんとも複雑緻密、繊細でした。このようなデジタル作品に触れたのははじめてでしたが、好みはあれど新しい世界・アートに触れた感じがしました。

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こちらは通りすがりの小僧さん。

大きな美術館はいかず、ノーリサーチでギャラリー巡り。有料の美術館だとどうしても自分の好みに偏ってしまうのと比べ、新たな発見の多いArt walkingに。

思いがけないところに面白そうなコンテンポラリーアートギャラリーが散在していることも収穫あり。Art Weekに限らず、東京散歩にもってこい!です。


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