老舗で江戸をいただく
江戸時代の頃、アンコウは高級食材としての地位を築いていました。
東京都内に唯一残るのあんこう料理の専門店、1830年創業の「いせ源」。
神戸から知人が出張できてコロナで会えなくなって約1年ぶり。「下り酒」ならぬ「下り人」(素晴らしく優秀な人の意味です)と一献交えるなら、ここは下り酒(関西)×江戸ごはんのアンコウ鍋!しかない!!という思い込みで、本日は初訪問です。
江戸といえば、夏はどじょう鍋×樽酒、冬はアンコウ鍋×樽酒(といいつつ、今時の江戸っ子はどじょう鍋もアンコウ鍋も見た目のグロテスクさもあり、ほとんどの人が食べたことないかと思います)
小川町駅をちょっと入ったところの一角に、びっくりするくらい江戸料理の老舗ばかりが集まっています。
揚げ饅頭で有名な竹むらの向かいに「いせ源」発見。
いせ源は、徳川11代将軍 徳川家斉の時代、初代が「どじょう屋」として創業したそうです。その後は「あんこう」をはじめ種類豊富な鍋料理を提供していたようですが変遷を経て、「あんこう料理」専門店として現存しています。
いせ源はあんこう料理だけではなく、その建物も名物として残っています。1923年の関東大震災で全焼した後、1930年に再建された今の建物は、2階建の伝統的な木造建築で、2001年に東京都から「都選定歴史的建造物」に選ばれているそうです。のれんをくぐると下足番のおじさんがいて、靴を脱ぎ下足札を受け取って2階へあがります。
下足札は会計札にもなっています。そこかしこに匂う歴史の香り。多くの文化人がこの階段を行き来し、座敷で鍋をつつきながら議論を重ねたのかな、、、とあれこれ想像しながら席へ。
ここは定番、あんこう鍋と菊正宗の熱燗で。くう染みる。
このプルプル、私は癖になりそうな歯ごたえ。しっかりした味付けがまたお酒を誘います。
久しぶりの再会も相まって話も食事も花が咲きました。
今度はもう少し寒くなったら
一人でふらっと江戸風情に酔い
鍋と熱燗に酔い
雰囲気に酔うのもまた一興