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雑記:電電公社

70代になる母のスマートフォンが急に充電ができなくなる危機にさらされ、キャリアである近所のDocomoショップへ。何をしても動きも鈍くなってしまったスマホさんに代わり、機種変更ではなく補償サービスを使って交換電話機を急遽取り寄せることに。

今朝交換電話機がきたのですが、SIMカードの取り方も機種によって異なるためよくわからず、再度Docomoショップへ。簡単に感がていましたが、IDアカウントだパスワードでなんだかんだ。。。そんなの普段使わないもの、ご年配じゃなくても忘れるわ!しかも昔のように紙媒体の説明書がないからそもそも何をどうしたらいいか、わからない!!!

私も自分の機種のことならまだしも全く違うメーカーではどこを触ったらいいかすらわかりません。案の定、母のわけわからんちん質問攻撃。何とか私もサポートするも、家族なので、やさしくできず、「いらっ」としてしまいます。仕事とはいえ、毎日こういうお客様を相手にして笑顔で丁寧に説明しているのかと思うと、ショップの店員のみなさまには脱帽です。

そんなスマホに振り回された2日間。夕飯時に「そういえば電電公社で昔、電話番号つくったら、債券も買わされたよね~」という話に。

「電電公社」については、大正生まれの祖母から散々「NTTのこと」と聞かされて育ったので知っていました。電話番号を購入していたことも。でも強制的に買わされる「債券」てどういうこと???

「電電公社」は、日本電信電話公社の略称で現在のNTTの前身です。1952年の日本電信電話公社法にのっとり設立された国営企業で、郵政省の外郭団体の形で設立されました。その後1985年に民営化され、現在のNTTに至ります。

今は携帯電話もこれだけ普及しているので個人でも固定電話を引かない人が増えてきていますが、そんな携帯電話もLINE無料通話もない時代、固定電話を引くことが当たり前でした。今も同じですが、この固定電話を引くことを「加入電話」といい、固定電話を利用したい場合は「電話加入権」を購入する必要があります。金額は36,000円だそうです。これは「施設設置負担金」として、電話回線を引くための電信柱等を導入するインフラ整備に使うのに必要なものです。今はアナログ回線の固定電話の需要も減ってきているのでなくなるのでは?という声もある一方、地震等の有事の連絡網としてはまだまだ有効なことからすぐになくなることはないかなと思われます。

この「電話加入権」を購入したときに一緒に買わされるのが「電信電話債券」というものでした。目的は「電話施設費」の一部負担で、利付債は約10年、割引債は8~12年が満期で、発行時期も電電公社設立と同様、1953年~1985年までに発行されました。

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そしてさらにお見事なのが、当時は債券売買が金利統制下で制約が多かった中、すぐに債券が市場に売られてしまう(費用を払わされている感覚なのですぐに売ってしまうケースが多かったそうです)現象や政府保証付き債券として銀行でも取引ができる仕組みであったことから、日本の公社債市場の発展に大きな影響を及ぼしたともいわれています。当時政府保証付き債券を発行したのは、電電公社と「日本国有鉄道」、JRの前身のみのようです。

スマホ問題から、ちょっとした歴史を学ぶことができました。

しかしさすが「国営」企業です。電話加入金もとり、さらに無理やり社債を買わせるとは、お見事!でもその剛腕っぷり?がなかったら、今の通信インフラに至るにはもっと遅かったかもしれません。1952年から約30年の発展、そこから固定電話→携帯電話→スマートフォンへと36年での目覚ましい進化。5Gだ、DXだ、、、でまたパラダイムシフトが起きるのでしょうか。

ありがとう、電電公社!

でもそれは それ。 これは これ。

時代がうつろい変わっても、是非是非今後もよりわかりやすい説明と素敵なサービスお待ちしています、Docomoさん。


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