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その後の苺支度とブランデー

5月の終わり、苺酒を仕込んで約二週間が過ぎた。
瓶を確認すると、苺は真っ白に色が抜けている。そろそろいいだろうと、漬け込んでいた苺を取り出した。

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苺酒はというと、紅茶色とも茜色ともつかない美しさ。苺のエキスをたっぷり吸いあげたのだろう。まだ熟成させないと飲めないが、今から楽しみである。

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さて、取り出した苺をどうするか。捨ててもいいのだが、色以外はほぼ傷みはない。もったいない。自分で食べる分にはいいだろうと、ジャムにすることにした。

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氷砂糖の甘みがついているので、レモン汁と苺だけを鍋に入れる。
じっくり、とろとろ弱火にかけた。意外にも、アルコールの匂いが強かったのは最初だけで、すぐに苺ジャムを煮る時のあの匂いに包まれた。

これならイケるのでは?わくわくしながら10分後。味見に一個食べた。熱い。苺の風味と氷砂糖の甘さが口に広がる。なかなか美味しい。と、思った瞬間に刺々しい味が舌を襲った。アルコールが苺の芯に残っていたのだろう。

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その後、半ばヤケになって作業を続けた。一時間ほど火を入れては止めてを繰り返し、ようやく刺々しさがなくなった。少し焦げたがコクがあって美味しい。トーストに乗せたら最高だった。

今夜は紅茶に合わせるつもりだ。ロシアンティーだ。
ロシアンティー。浮かぶのは「BLACK LAGOON」のバラライカ様、児童文学なら安房直子「あるジャム屋の話」。いやいや、そもそも苺ジャムといえば「きのう何食べた?」も外せない。
などと今夜も妄想は尽きない。楽しい。

苺の髄まで味わう気分に浸れたので、来年も苺酒を漬けたら作ろうと思う。



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