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サングリアは酒税法違反

 2013年に書きました記事で、知らぬ間にいろんなページにコピペされ拡散されたものを再掲します。当時の標題は「自宅で梅酒を作ると酒税法違反で逮捕・・・とならないために」だったのですが、当時流行っていた「サングリアは酒税法違反!?」という内容で、コピペ拡散されました。

以下、2013年の記事再掲(二記事、一部加筆修正)------------------

「自宅で梅酒を作ると酒税法違反で逮捕・・・とならないために」

 基本的に、アルコールが20度以上のもので、氷砂糖、梅を漬けて作って自ら飲むのであれば違法にはなりません。

ポイントは
・20度以上の酒類
・漬ける
・氷砂糖、梅
・自ら飲む

です。

 最近、流行っているサングリア。。
 ワインにオレンジなどを漬け込んで飲むものだそうですが・・・(私は飲んだことがありません;)

 一般的に、ワインのアルコール濃度は10度から15度程度。20度以上の酒類を使ってなければ酒税法違反の飲み物です。
 違反にならないようにワインとオレンジを使った飲み物にするには、飲む直前に、ワインにオレンジを加えて漬け込まずに飲めば、違反にはなりません。
 バーテンダーが注文を受けてからカクテルを作っても違法にならないのは、飲む直前に混ぜるからです。

 梅酒に話を戻しますが、
 漬けこむときに、氷砂糖の代わりに自然な甘さを出したいから「麹」を使おう!なんて考えては、これも違反です。
 使ってはいけないものが下の参考に書かれています。
 間違ってもぶどうの漬け込み酒なんか作らないように!

 最後に、自家製造した梅酒は、"自ら"飲むためのものであります。
 国税庁の通達では「同居の親族が消費するためのものを含むものとし、他人の委託を受けて混和するものは含まないものとする。」とされています。一つ屋根の下の家族はいいけど、一つ屋根の下の他人や別居の親族には飲ませてはいけないということです。(まぁ、法律的には・・・ですが)

【参考】
Q1 消費者が自宅で梅酒を作ることに問題はありますか。
A しょうちゅう等に梅等を漬けて梅酒等を作る行為は、酒類と他の物品を混和し、その混和後のものが酒類であるため、新たに酒類を製造したものとみなされますが、消費者が自分で飲むために酒類(アルコール分20度以上のもので、かつ、酒税が課税済みのものに限ります。)に次の物品以外のものを混和する場合には、例外的に製造行為としないこととしています。
 また、この規定は、消費者が自ら飲むための酒類についての規定であることから、この酒類を販売してはならないこととされています。
1 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでんぷん又はこれらのこうじ
2 ぶどう(やまぶどうを含みます。)
3 アミノ酸若しくはその塩類、ビタミン類、核酸分解物若しくはその塩類、有機酸若しくはその塩類、無機塩類、色素、香料又は酒類のかす
根拠法令等:
酒税法第7条、第43条第11項、同法施行令第50条、同法施行規則第13条第3項
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/06/32.htm

以下、上記記事の続きの記事------------------

「サングリアは酒税法違反!!」

 以前の記事「自宅で梅酒を作ると酒税法違反で逮捕・・・とならないために」で、自宅で酒税法違反にならない梅酒などの作り方を書きました。

 ここでは、バーなどで梅酒をお客さんに提供するには?どのようにすればよいか記します。
 基本的な約束事は、自宅で梅酒を作る場合とほぼ一緒です。

ポイントは
・蒸留酒類でアルコール分が20度以上のもの
・漬ける
・氷砂糖、梅(禁止物品以外は基本的に何でも使用可)
・申請する

です。

 自宅での梅酒との違いは、『蒸留酒類で(アルコール分が20度以上のもの)』『申請する』という部分です。

 理由は不明ですが、自宅での梅酒などを作る場合は、『アルコール分20度以上のもの』であれば蒸留酒でなくとも可能ですが、商売で提供する場合は、『蒸留酒類でアルコール分が20度以上のもの』と蒸留酒と限定されています。

申請方法等は以下の通りです。

Q2 旅館等で自家製の梅酒を食前酒として提供することに問題はありますか。また、何か手続きは必要ですか。
A
1  しょうちゅう等に梅等を漬け込む行為は、原則として、酒類の製造に該当し、酒類製造免許や酒税の納税等が必要になりますが、旅館等を営む者が宿泊客等に提供するため、当該旅館で酒類に他の物品を混和する場合等、次のすべての要件を満たすときには、例外的に酒類の製造に該当しないこととし、免許や納税等が不要となる特例措置が平成20年4月30日より設けられています。
 なお、この特例措置は、この酒類を混和した旅館等において飲食時に宿泊客等に提供するために行う場合に限られ、例えばお土産として販売するなどの譲り渡しはできないこととされています。
(1) 特例措置の適用を受けることができる者
「酒場、料理店等酒類を専ら自己の営業場において飲用に供する業」を営んでいる者
(2) 特例措置の適用要件
イ 酒場、料理店等の自己の営業場内において飲用に供することを目的とすること
ロ 飲用に供する営業場内において混和を行うこと
ハ 一定の蒸留酒類とその他の物品の混和であること
(3) 混和できる酒類と物品の範囲
 混和に使用できる「酒類」と「物品」は次のものに限られます。また、混和後、アルコール分1度以上の発酵がないものに限られます。
イ 使用できる酒類・・・蒸留酒類でアルコール分が20度以上のもので、かつ、酒税が課税済のもの
ロ 使用できる物品・・・混和が禁止されている次の物品以外のもの
(イ) 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでんぷん又はこれらのこうじ
(ロ) ぶどう(やまぶどうを含む。)
(ハ) アミノ酸若しくはその塩類、ビタミン類、核酸分解物若しくはその塩類、有機酸若しくはその塩類、無機塩類、色素、香料又は酒類のかす
(ニ) 酒類
(4) 年間の混和に使用できる酒類の数量の上限
 混和に使用できる蒸留酒類の数量は、営業場ごとに1年間(4月1日から翌年3月31日の間)に1キロリットル以内に限られます。
2 この特例措置を行う場合は、次の手続等が必要になります。
(1) 開始申告書の提出
 新たに混和しようとする場合には、混和を開始する日の前日までに営業場の所在地を所轄する税務署長に対して「特例適用混和の開始申告書」を提出する必要があります。
(2) 混和に関する記帳
 混和に使用した蒸留酒類の月ごとの数量を帳簿に記載する必要があります。
 なお、消費者自ら又は酒場、料理店等が消費者の求めに応じて消費の直前に混和する場合や消費者が自ら消費するために混和する場合(Q1参照)にも例外的に製造行為としないこととされています。
根拠法令等:
酒税法第7条、第43条第1項、第10項、第11項、租税特別措置法第87条の8、同法施行令第46条8の2、同法施行規則第37条の4
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/06/33.htm

 じゃ、20度以下のリキュールを使ったカクテルは・・・違法???

 これには、例外措置がありまして
根拠はこれです

≪酒税法43条10項≫
10 前各項の規定は、消費の直前において酒類と他の物品(酒類を含む。)との混和をする場合で政令で定めるときについては、適用しない。
≪酒税法施行令50条13項≫
13  法第四十三条第十項 に規定する消費の直前において酒類と他の物品(酒類を含む。)との混和をする場合で政令で定めるときは、酒場、料理店その他酒類を専ら自己の営業場において飲用に供することを業とする者がその営業場において消費者の求めに応じ、又は酒類の消費者が自ら消費するため、当該混和をするときとする。
≪通達≫
1 消費の直前において混和した酒類を販売した場合の取扱い
 酒場、料理店その他の酒類を専ら自己の営業場において飲用に供することを業とする者が当該営業場以外の場所において消費されることを予知して混和した場合又は酒類の消費者が他に販売する目的で混和した場合は、消費の直前において混和したこととはならないので、法第54条《無免許製造の罪》の規定に該当し、無免許製造となるものであるから留意する。

ポイントは以下の通りです
・自らの店舗で行うこと
・注文の都度作ること(作り置きすることはできません)
・注文した人が飲むこと

 で、最近、流行ってるサングリアですが・・・
注文を受けてからワインにソーダや各種フルーツを混ぜて提供するのであれば、カクテルと同一なので問題ありませんが・・・

 自家用であれ、店舗であれ、漬け込む行為を行う場合、20度以下のワイン(20度以上のワインなんて存在しないと思います)を使っている時点で 

完全な酒税法違反

です。


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